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人間になりたい妖精
ある日、妖精は人間になりたい、と神様にお願いしました。
妖精は、神様のお遣いみたいなもの。
直接、神様にお願いも出来ます。
しかし、神様はただでは妖精を人間にしません。
人間のように、お供え物が必要でした。
妖精は考えました。
人間のように、食べ物を捧げてみました。
でも、それは人間に与えられて、作ったものです。
妖精が作ったものではありません。
妖精は、頑張って、素材を集めて、服を作りました。
でも、素材は、神様から人間に与えられたものです。
妖精が作ったものではありません。
頑張って頑張って、神様が妖精に与えたものは何だろう、考えました。
妖精がご褒美に食べる物は、人間から貰います。
妖精が着ている服も、こっそり人間から貰っています。
みんな、人間から貰っているものです。
でも、妖精が神様から与えられたものがあります。
それは、妖精自身です。
妖精は、妖精として大切なものを神様に捧げ、願いを叶えました。