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無法都市
初めて中央都市を訪れた聖女様はとても驚きました。
何もかもがめちゃくちゃな所でした。
法もなにもない。
歩いているだけで、誰かに襲われたりするので、騎士たちは大変でした。
物乞いがいました。
どうか、ごはんをお恵みください。
私は昨日も食べていません。
聖女様はニコニコと笑いました。
このカビたパンは、まだまだ食べらる。
この水だって、飲める。
聖女様にとっては、恵まれているように見えた。
驚いた物乞いは、突然、聖女様にナイフを向けた。
すぐに取り押さえられて、地面に無理やり押さえつけられる物乞い。
その目の前で、聖女様は走るネズミを捕まえた。
ネズミは聖女様によって首をおられ、即死だった。
そして、聖女様の手の中でネズミは一瞬で燃えた。
お肉、美味しいよ。
私、お肉焼くの上手。
ほら、これで一杯だね。
物乞いの前には、かびたパンと泥水、そして、聖女様によってこんがり焼かれたネズミの丸焼きが置かれた。




