最後の王都のエリカ様のその後
最後の王都のエリカ様は、こっそりと王都を出て行ってしまいました。
しかし、どうしてもエリカ様を諦めきれなかった王弟殿下は、国王様に頭を下げて、エリカ様の居場所を教えてもらいました。
エリカ様はどこかの田舎の借家でひっそりと暮らしていました。
しばらくして、エリカ様は目が見えなくなってしまいました。
王弟殿下は、すぐに、エリカ様の身の回りの面倒を見る人を雇いました。
女の人にエリカ様の面倒をお願いしました。
よく話す、朗らかな女の人でしたが、エリカ様の身の上があまりにも可哀想で、続けられなくなりました。
男の人にエリカ様の面倒をお願いしました。
ところが、トイレやお風呂の介助することがある、と知ってから、すぐに辞めさせてしまいました。
結局、こっそりと王弟殿下がエリカ様の面倒をみました。
最初はエリカ様も気づいていないようでしたが、すぐにバレていたようです。
バレていても、エリカ様は気づかないふりをして、王弟殿下に面倒をみてもらいました。
王都のエリカ様は、解放されて五年で、亡くなってしまいました。
王弟殿下はエリカ様の後を追うかに思われましたが、奇跡的にエリカ様との間に生まれた子どもがいたので、死ぬに死ねませんでした。
王弟殿下は、エリカ様の遺骨と幼い子供を連れて、船に乗って、遠い異国へと旅立っていきました。