表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
吾輩はゴブリンである。  作者: アルカリ
序章 始まりの終わり
3/8

ゴブリン村②

 この村は非常に貧相だ。


 辺りには飢餓で倒れ、半分死にかけた老いたゴブリンたち。

 強風が来たらすぐに崩れてしまいそうな脆い家。

 理由は明白だ。

 それは統率力が全くない、つまりこの村を取り仕切る長がいないという事だ。

 俺のイメージではゴブリンは頭が悪く、あまり器用な事はできない脳筋のイメージがある。

 俺はこの村の中でも頭が回る。

 元人間だからな。

 俺が取り仕切ることもできるかもしれないが、俺は最近生まれたばかりの新参者だ。

 あまりでしゃばった真似は出来ないが母さんがこれ以上苦しむのを見たくない。

 まずは行動からだな。

 俺は罠に掛かった数頭の兎と猪を村の皆んなに分け与えた。

 そして俺はみんなにこう伝えた。

 "これからは皆んなで協力しよう。手に入れた食料は皆で分け、飢餓による犠牲を抑える"

と。

 理解が及んでいない者殆どであったが日頃の俺の狩の成果のおかげかすんなり従ってくれた。

 そのおかげでまだ少しだが毎日皆んな食料を手に入れる事ができている。

 この調子で少しずつ発展させていこう。

 俺はそう決意した。

 次の日、俺は狩の仕方を教えた。

 罠を仕掛け掛かるのを待つ、それと、動ける者は武器を持ち、大きな動物を狩る二つの役割を決め、村に残っている者は畑を作ったり、川で魚を釣ったりさせていた。

 気が付けば貧相だった村が前に比べとても活気のある村へと変わっていた。

 ゴブリンの成長は早く、俺の身体は母さんより大きくなっていた。

 そして俺はこの村を仕切るリーダーになっていた。

 皆俺を慕い、従ってくれていた。

 ゴブリンでの生活も悪くないな。

 俺はそうも思い始めていた。


 【『称号』ゴブリンロードを取得しました。】


 え?

 機械音の声が頭の中で流れる。

 ゲームみたいだな。

 称号ってそもそも何だ?

 疑問を持つと脳内に自分のステータスなるものが浮かび上がった。

 

 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆


 〔ステータス〕


 名前 なし 

 種族 ゴブリン

 レベル 2

 称号 ゴブリンロード

 技能スキル 水中呼吸Lv.1 槍術Lv.1


◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 本当にゲームじゃん。

 もしかして此処ってゲームの中?

 技能スキルの水中呼吸と、槍術も何か何処かで聞いた事があるような…。

 まあ此処は異世界だからあんまり深く考えるのはやめよう。

 逆にこういう風にデータにしてもらうと自分の情報が見やすくてありがたいな。

 この技能スキルのレベルが上がると能力が上がるのかな。

 俺は槍を持ち、狩りに向かった。

 罠に掛かった猪を槍で刺した。

 

 【『技能スキル』槍術がLv.2になりました。】


 WAO。

 こんなに簡単に上がるのか。

 俺はその日罠に掛かった猪を狩りまくった。

 それから俺のスキルはレベルが上がり、自分のレベルも上がっていた。

 このレベル上げが意外と楽しく、自分が強くなっているというこの何とも言えない育成ゲーム感が堪らなかった。

 その日以来俺は自分のレベル上げに没頭した。

 村はというとゴブリンの数も前に比べて2倍くらいに増え、結構充実していた。

 

 

 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

  〔ステータス〕

 

 名前 なし

 種族 ゴブリン

 レベル 6

 称号 ゴブリンロード

 技能スキル 水中呼吸Lv.1 槍術Lv.4

    棒術Lv.2 危機察知能力Lv.1


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ