表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
吾輩はゴブリンである。  作者: アルカリ
序章 始まりの終わり
2/8

ゴブリン村①

あの日俺は目を覚ました後、狩りに行かされた。

 ゴブリンに言語は無いが何故か言いたい事は分かった。

 断ったら何されるか分からないので直ぐに狩りに向かった。

 一緒に来た一匹のゴブリンに着いて行った。

 そのゴブリンは大きな耳を持った兎を見つけた途端、ゆっくりと地面に落ちている拳サイズの石を掴み、うさぎに向かい投げた。

 その石はしっかりと兎の額に当たり失神した。

 凄いな。

 日々あんな感じで狩をしているのか。

 あの石のコントロールは簡単に出来るような技では無い。

 これはプロ野球選手も驚きだな。

 俺もやってみるか。

 しかし、その日は獲物を見つけることが出来なかった。

 その1週間後。

 まだ俺は自分で獲物を取ることが出来ていない。

 流石にずっと肉を食べていないと堪えるものがある。

 俺は昨日、罠を仕掛けておいた。

 罠と言えるような代物では無いが穴を掘ってその穴を大きな葉で隠しておいた原始的な罠だ。

 俺は森に向かい罠を確認する。

 その中には異様な大きさの牙を生やした猪が入っていた。

 久しぶりの肉の香りと、血の香りが極限まで研ぎ澄まされた俺の鼻を刺激する。

 血ッ!!肉ッ!!

 俺は自分を失い無我夢中で猪を槍で幾度も刺し、仕留める。


 【『技能スキル』槍術Lv.1を取得しました。】 【Lv.3になりました。魔力量が僅かに上昇しました。】

 

 絶命したのを確認すると牙を持ち上げ、頭蓋骨を噛み砕き骨ごと喰らった。

 口の中に広がる香ばしい血の香りが更に食欲をそそった。

 自分の顔より大きいであろう猪の頭を食し終わると自我を取り戻す。

 何だったんだ今の。

 てかこれ俺が食ったのかよ…

 自分が食べた猪の首の断面を見て俺は恐ろしくなった。

 自我を取り戻したと言ったが自分が猪を食べた事は覚えている。

 無意識に食べてしまったというわけでは無いが元人間であったため、猪を生で骨ごと喰らったという事実は少々堪えるものがある。

 まあ俺ゴブリンだからな。

 そう納得し、残った猪の体を引き摺りながら村に持ち帰る。

 村に着くと俺の持っている猪を羨ましそうに見るゴブリンたちがいた。

 お前たちにはあげねーよと睨み、家に帰った。

 獲ってきた猪は一匹のゴブリンに分けた。

 そのゴブリンは俺を川に落としたゴブリンだ。

 そのゴブリンは俺が獲物を取れない時、キノコやら食べられる野草、果実などを食べさせてくれたのだ。

 なので俺は恩返しをする。

 俺はこのゴブリンを母さんとして接している。

 俺はこの世界で母親と認識できる人物を見つけることができる安心していた。

 母さんは病気で狩りには行けないので痩せ細ってしまっていた。

 何故川に落としたのかは如何やらゴブリンは生まれてからすぐに川に落とされて、自分の力で陸に上がる事が出来たゴブリンが村の一員になる事ができるいわば試験のような者らしい。

 俺以外の奴も落とされていたので推測だ。

 猪をあげると伝えると母さんは遠慮したが俺は母さんに恩返しをしたいと伝えると遠慮気味に食べてくれた。

 これからも俺が母さんに獲物を食べさせてあげると伝え、日が沈む中俺は川に向かった。

 川の中には多くのゴブリンこ死体が転がっていた。

 大半のゴブリンは自力で上がることが出来ず、溺死してしまうらしいのだ。

 大量のゴブリンたちを俺は一人一人担ぎ、狩の時に掘っておいた穴に埋葬していく。

 埋葬のルールはよく分からないが今の俺にできる事はこのくらいだ。

 冥福を祈り、スッキリとした気持ちでまた家に戻った。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆


 〔ステータス〕


 名前 なし

 種族 ゴブリン

 レベル 2

 称号 なし

 技能スキル 水中呼吸Lv.1 槍術Lv.1


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ