表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/42

2話 巻き込み転生

『巻き込み転生の準備を開始します。巻き込む人を、1人以上2人以下選んで下さい。』


なぜ俺はコレを選んだのかって?この話を聞いた途端、これだ!って思ったんだ。あの二人を地獄の底にまで落としてやれる。しかも、スキルを選べて作れるのは3人の中で俺だけ。コレは完璧じゃないか!


「フフフ……フハハハハハハハハ!!!今に見てろよアイツらァ!次無双するのは俺の番だァ!今までの俺みたいに奴隷のようにこき使ってやるぜぇ!」


そして俺は、板に書かれている名前の中から『一ノ瀬(イチノセ) 千春(チハル)(妹)』と『一ノ瀬(イチノセ) 彩花(アヤカ)(姉)』を選び出し、ソイツをタップする。そうした途端、俺の両サイドに光の粒子が玉となって降ってきた。コレがきっと妹と姉の魂なんだろう。それを見て、俺は笑みを浮かべる。


「フフフ……コイツらはどんな顔をするだろうか……?」


そして、今度は周りからまた別の音声が聞こえてくる。


『名を記入し、スキルを2つ選んで下さい。』


「名前……『一ノ瀬(イチノセ) 望夢(ミウ)』っと……次はスキルか」


そうして選んだのは『全魔法操作』と『スーパーコントロール』。全魔法操作は文字通り、全ての魔法を操作、使うことができるらしい。スーパーコントロールはどんな物や魔法を使いこなすことができるらしい。それと、作ったスキルは『魔剣神』だ。魔法、剣の技術が神の領域に達することが出来るこのスキル。きっとコレは1番使うことになるだろう。


「よし。準備は整った。行かせてくれ!」


『転生を開始します。』


「ここから……俺の新しい人生が始まるんだ……っ!」


俺はワクワクしていた。まるで近未来のような世界は青色に光る粒子に化して崩れていく。そして最後に、周りから音声が聞こえてきた。


『記入漏れを確認。世界観が記入されていません。記入して下さい。転生がもう既に発動しています。不可能。ランダムに設定します。転生を再発動させます。世界観を確認。世界、【ヒューマンワールド(人間が生きる世界)】に転生します。』


………………………………

目を開けると、俺は畑の中にいた。


「(あれ……?俺何してたっけ?そうだ。畑の仕事をしてたんだ。)」


「何ぼーっとしてるんだいアンタ!男は使えないんだからさっさと働きな!」


「は……はい……」


紫のキラキラと太陽光が跳ね返って光る服を身に付けたババァが俺に怒鳴る。あれ?そういえばなんでコイツに従ってんだ?歯向かえよ。俺


「……………………れよ……」


「アン?」


「黙れよォ……ババァ……!俺に命令すんな……!」


「このっ……」


そのババァは右手に炎を纏わせて殴りかかる。それが俺の顔面目掛けてきた時、俺の頭に大量の記憶が流れ込んでくる。そして俺は、叫ぶ間もないまま倒れ込んでしまった。倒れ込んだ俺の頭の上をかすりそうになりながら、炎の拳が通過する。そのまま俺は、気絶してしまった。


「アン?なんだい……ただ頭がおかしくなってただけかい。おい!コイツを馬小屋にでも運んでやりな!」


「「はいっ!」」


俺と同じように畑仕事をしていた屈強な男2人が俺の手と足を掴んで運び、俺をゴミのように投げ捨てる。目を覚ました時にはもう辺りは暗く、皆はとっくに畑で仕事を終えていた。そして、馬小屋で寝ていた。俺と一緒に。


「ど、どういうことだ……?」


広大な畑の向こうにある光。そこは1件の大きな屋敷。その中に入っていくのはたくさんの女性達。そして俺は、全てを思い出した。


「俺の名前は……一ノ瀬……望夢……高校1年……日本人……確か、爺さんに異世界に行ける道具を貰って……そうだ!俺は異世界に来たんだ!それで、千春と彩花を巻き込んだ。俺は、この世界で無双するんだ。この世界は女性が全ての世界。俺は男だからきっと人権というものがないのだろう。向こうには5人のババァども。こっちには20人近くの男がいる。勝算はあるな」


そして、その日から寝る間も惜しんで修行を始めた。スキルを使いこなし、魔法を使いこなし、魔力を獲得し、情報を収集し。そして、ついにその日がやってきた。


「男ども。そろそろこの生活に疲れてきたとは思わないか?」


「当たり前だろ!俺たちばっかに働かせて、アイツらは楽して!」


「そうだそうだ!」


「そして、ついにこの日が来た!」


「「うぉぉぉぉぉ!!!」」


「立ち上がれ!武器を持て!そして……」


そして、俺と他の男どもは構える。その顔と筋肉は、まるで歴戦の勇者のように太く、力強いものだった。俺は右手を上げ、合図とともに走り出した。


「行けぇぇぇぇぇ!!!」


「「うぉぉぉぉぉ!!!」」


そうして俺たちは真夜中、屋敷の中に奇襲を仕掛けた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ