表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
弱い化物  作者: G1
13/13

初恋2

グウウウルルウウ


それは、その化物は森を駆け抜けていた。

必死に生きるために。

同時に化物は、考えていた、何故・・何故こんな事に、と。

それは、いつもと同じように過ごしていた時に起きた。

いつも道理に、人間を殺して食って食べて腹を満たそうとしたときだった。

あいつらは来た、ハンターだ。

そのとき、思った、貧乏くじを引いたと。

運悪くあいつらの、仕事の日に合わさってしまったと。

それにもう一つ、大貧乏くじがあった。


グウウゥゥゥゥ


ここまでくれば…・・・・・


「逃げてる奴が、気を途切らせたらいけないだろう、ん?」


化物が、振り向いたらそこには大貧乏くじがいた。

くそ、逃げれるわけがないじゃないか、上級の化物相手に。


DOONN!!!



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



「やったね!今日も、ハインケルのお手柄だよ!」


「いや、皆が追い詰めてくれたからであって」


「謙遜するなよ、お手柄だよ」


「はは、ありがと」


「じゃあ、今日はあそこで打ち上げっすね」


「うん、オラもう腹減った」


「・・・・・・・(コクッ)」


やあ、久しぶりだね皆。

俺に会えなくて寂しかったかな?   (そんなメタな発言禁止だよ!オイ!)

うん?もういいじゃんか、まあいいや。


あの服屋の出来事から、丸2カ月がたっている。

あの後俺は、すぐにニナに会いに行った。

そうして何回も会っていると、仕事仲間だと紹介された。

仕事とは、マスターと一緒に行ってるやつと同じタイプのものだった。

つまり、化け物退治だということだ。

紹介されたと同時に、一緒にやらないかと誘われた。

勿論、最初は断った、自分も化物なのだからばれるかもしれないと思ったのだ。

だがやはり、同年代の仲間の誘惑には耐えれなかった。

特に、ニナからの誘いには。


「オイ行くぞ」


今喋ったのが、クラス・ヘルシングだ。

戦闘に関しては、俺よりウマい。

それに、中々気が合ういい奴だ。


そして隣の、ヒョロッとした奴が、ジャック・フィード。

こんな容姿で、案外肝が座ってる男だ。

口グセと言うか、よく言うのが「〜っす」だ。


さらにまた隣の巨漢は、ナサン・モリスだ。

こいつがまた、臆病な奴なんだなぁ、すぐビビるし。

でも、仲間思いのいい奴だ。


で、最後にきたのが、クィンス・スワード。

無口な奴で、あんまり喋ったことが無い。

時々なんだが化物を見る目と同じ目で見てくるんだ。

気づいてそうだな。


「そうだな!早く行こうか、勿論言い出しっぺのジャックが奢ってくれるんだろ」


「ちょ、そりゃないっすよ〜」



ハハハハハハハハハハハハハハハハハ



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「やっと帰って来たか」


「ただいま〜です、マスター」


「また、あいつらのとこか」


なんかマスターは、あまりニナたちとつるむのをよく思ってないらしい。


「ほどほどにしておけよ、お前は・・・」


「はいはい、分かってますよ、化物なんだからでしょ」


「分ってるなら」


「おやすみなさい、マスター」


「あ、おい!・・・・・ったく」




付き合いをやめるなんて無理だ。

俺は、

俺は、

ニナに恋を、初めての恋をしてしまったんだから。

ああ、そうだよあいつが好きだ。

堪らなく、愛してる。

これも、化物になったせいだろうか。

あいつを、俺だけのものにしたい、俺と同じにしたい。

初めてあいつの名前を聞いた時から、その声、顔、髪、目、在り方、笑顔・・・・・・

挙げればキリがない、それほどに愛している。

俺は、もう少ししたら告白しようと思う。

俺が、化物であることも含めて告白しようと思う。

きっと、きっとあいつは、ニナは、受け入れてくれる。







気づいてなかったんだ、化物と人間の違いがこれほど広いなんて、この時はまだ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ