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ちゃんと2時には寝たのに

「ふーん・・・大変ねえ・・・演技や厨ニ病なら良いけど・・・狐憑きとかなると流石に心配ね」


明菜が困った様な顔で言う。


「明菜、昔オカルトにハマってたって言ってたよな。詳しいのか?」


「私が集めていた情報は、事実ではないわ。もし実際に怪現象が起きているなら・・・それは私の知識では役に立たないわ」


明菜が手を前に出し、指をクロス。

そこに炎が灯る・・・そんなイメージが幻視される。


「想像の中で魔法を使う事はできる・・・でも、それは所詮ただの空想。実際に人を傷付けたり・・・そんな事はできないわ。実際に人格が変わって、それが怪現象なら・・・理解の範疇を超えるわね」


「危ない!」


思わず、叫ぶ。

明菜の指の先の炎が、チリっと髪の毛を焦がす。


「きゃっ」


パタパタ


慌てて手を振る明菜。


片目をつむり、涙目で、


「無論、ただの幻想でも、強い思い込みが有れば現実で傷つくわ。うう・・・髪の毛の先がチリチリに・・・」


「だ、大丈夫。ワンポイントで、可愛いよ」


「うう・・・有難う」


ぽふ


明菜がもたれかかってくる。


頭を撫でてやりつつ、


「まあ・・・今日の放課後、うちに来て欲しい」


「ん、りょーかい」


まだショックが抜けないのか、顔をこすりつけてくる・・・いや、これ多分眠いだけだな。


「昨日、寝てないのか?」


「ちゃんと2時には寝たのに・・・眠いよ・・・」


「・・・それは、寝るのが遅いと思うよ」


まあ、仕方が無い。

明菜に肩を貸してやりつつ、学校への道を急いだ。


--


シュッ


俺がスローしたボールが、ゴールに入る。

また3点。

96対0。

相手が0は良くある風景だが、普段はここまで点差は開かない。


敵チームは俺を避けてパスを回そうとするが、


ぱし


明菜がカット。


ひゅ


そのままスロー。

また入った、3点。


明菜と俺が同じチームになったのだが・・・予想外に明菜が良い動きした為、凄い結果になっている。


「・・・黒森と白谷は、今後別のチームな」


体育教諭が呆れた様に、恣意的なチーム分けを宣言する。


「ははは・・・」


明菜が苦笑いして、頬を掻いた。


--


「龍生〜お腹空いた〜」


お昼休み。

明菜が、後ろから覆い被さってきた。


「はいはい」


後ろ手を回し、明菜を撫でてやる。

で、そのまま立ち上がる。


「ねえ・・・」


結羅が話し掛けて来た。


「ん、どうした?」


・・・今は一刻も早く食堂に移動する必要があるので、出来れば後にして欲しいが・・・

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