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行ってないから分かりません

明菜と雑談しながら色々回り。

いい時間になったので、切り上げる事にした。

色々雑談したが、なかなか楽しい。


・・・


駄目じゃん?!


やばい・・・


彼女のフリをして貰うのを・・・誰かに頼まないといけないんだった・・・


「ん、龍生、どうしたの?」


・・・はっ、そうだ。


「明菜、付き合ってくれ」


明菜は苦笑すると、頭を振り、


「龍生、説明が足りないよ。それだと勘違いする娘が出るよ?」


おっと。


「いや・・・実は妹が厨二病を発症して、彼女が必要で」


「あー。厨二病かあ。流行病の様に来るらしいよねー。良いよ、私も当面彼氏を作る予定もなかったし、やってあげるよ。偽装彼女」


「有り難う」


助かる。


「で、どうするの?連れてこいって言われてるなら、ついていくけど」


「いや・・・まだそこまでは言われてない・・・」


とりあえず連絡先を交換して・・・


明菜がスマホを取り出したので、連絡先やメッセージアプリを登録。


「ん、引っ越してから初めての登録、だね」


明菜が微笑む。


「・・・そういえば、俺がずっと話しかけたり、案内したりしてたからなあ」


明菜がまた苦笑すると、


「私は人付き合い苦手だから、さ。・・・私自身、ちょっと厨二入ってるしね」


すっと、空中に指を滑らせる明菜。

何かの魔法陣、っぽい動きだ。


「厨二病、って程症状は強く無かったんだけどね。妹さんの気持ち、ちょっとだけ分かるかな」


くすり。

明菜が微笑んだ。


--


「じゃあ、私は此処だから」


明菜は、俺の住んでいるマンションの、近くのマンションだった。

朝迎えに来て貰う、とかも可能だな。


さて・・・どうなるか・・・


自室の扉を開けると・・・


妹が三つ指をついて、伏せていた。


「お兄様、お帰りなさいませ」


・・・


「なあ・・・雪華・・・」


「はい?」


妹が顔を上げる。

美人だ。

滅多に見た事がない笑顔。


喧嘩をしていた訳では無いのだけど。

普通のテンションで話す事はあっても、笑顔を向けられた事など、まず記憶に無い。


だが・・・


厨ニ病が継続しているとは限らない。

ここは・・・昨日の事は触れないように・・・


「お兄様、どうなさいますか?ご飯にしますか?一緒にお風呂に入りますか?」


駄目っぽい。


「・・・ご飯で」


「はい!」


--


ご飯を食べつつ、探りを入れる。


「雪華、学校はどうだった?」


「さて?行ってないから分かりません」


ぶっ


行って・・・ない・・・?

今日入学式だろ・・・?


あんなに楽しみにしてたのに・・・?


雪華を思わず、まじまじと見る。


まるで別人の様に豹変・・・


・・・


別人?!


まさか・・・狐憑きとか・・・?!


厨ニ病と狐憑きを併発?!

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