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第4話 姉になった兄



 優が中学三年生の、ある日。




 「(あれっ? 熱っぽいな)」




 優が、急に熱を出した。


 初めの内は風邪だと思い、しばらく大人しくしていれば良いと思っていたので。

健二の世話をしつつ、家で寝ていたのだが。

数日過ぎても全く熱が下がらないので、病院へと向かった。


 初めは、原因が不明で、色々と調べている内に。

次第に優が、全身の痛みを(うった)え始める。


 そうやって何箇所(なんかしょ)かの病院を廻り、とある大学病院で見てもらった所。

その場で、すぐさま緊急入院となり。

面会謝絶めんかいしゃぜつ隔離かくり状態になった。


 それは優の病気が、最近発見され症例が少ない上。

以前では考えられない、異常な物であったからだ。


 命の心配が無いものの。

その病状が、(はた)からは、とても見ていられないと言う事もあった。


 こうして、隔離状態になった優であったが。

その内、全身の痛みが激痛に変わり、昼夜、絶え間なく続くようになり。

高熱も、相変わらず下がる事がなかった。


 2ヶ月ほど、地獄のような苦しみに襲われていた優だったが。

痛みが収まるにに従い、自分の体に起きた変化に驚愕(きょうがく)した。




 「な…、無い!」




 昔から馴染んでいた、男のモノがいつの間にか無くなっていて。


 パジャマのズボンの上から何度も触るが、全く、それらしきものが影も形も無くなっていた。




 「えっ! 何これっ!」




 代わりに、胸には大きくて柔らかいものが付いており。




 「あっ! んんっっ〜!」



 

 信じられない物が出来ていた事に、優が思わず揉んでしまうと。

胸に走る刺激に、自然と声を出てしまう。



 パジャマの前を開けて見れば。

肌も肌理(きめ)の細かい、ツルツルスベスベの触り心地が良い物になっていて。

元々、男にしては毛深くないのだが、体のムダ毛がほとんど無くなってしまい。


 体型も腰が細く、お尻が大きい。

典型的な、思春期以降の女性の体型に変わった。


 元々から筋肉が乏しい手足から、更に筋肉が無くなったが。

かと言ってガリガリではなく、細いなりにも肉付きが良い。


 それどころか、ズボンを下ろし現れた。

細いが弾力がありそうで、ムッチリとした太ももを見て。

優は自分の脚なのに、思わず息を飲んだ。


 鏡で見た自分の顔も、基本的に共通しているが。

大きさが小さくなり、目鼻立ちがパッチリとして。

男にしては女っぽい顔立ちも、誰がどう見ても、完全に女性的な物になっていた。


 予想もしない自分の変化に、優は言葉を失う。




 ・・・




 しばらくの間、優は面会謝絶状態であったが。

病状が落ち着いたので、ようやく面会の許可が下りる。


 それを待ちかねた様に、近くの親戚に預けられていた健二が、病院にやって来た。




 「(パタパタパタ〜)」


 「おにいちゃん〜!」


 「病院内は、静かに!」




 静かな病院内を、足音をさせて健二が走っている。


 本来なら、やってはイケナイ事だけど。

状況を、病院側でも理解しているので。

職員達も、そこまでウルサク言わなかった。




 「(パタパタパタ〜)」


 「(シャーー)」




 父親から聞いた病室に向かい、病院独特のスライドドア開けると。




 「あれ? ケンちゃん。 久しぶりだね」


 「えっ?」




 健二は、兄がいるものとばかり思っていたのだが。

部屋にいたのは、ベッドから身を起こしていた。

どこかで見たことがある様な、とても綺麗(きれい)な女の人である。


 その女の人は、入ってきた健二を見て。

ニッコリ微笑みながら、そう言った。




 「ご、ごめんなさ〜い〜」


 「あっ、ケンちゃん!」


 「(ポスン!)」




 それを見た健二が、病室を間違えたと思い。

慌てて出ようとしたところで、病室に入ろうとした人にぶつかった。




 「いや、ここで良いんだぞ、健二」


 「えっ?」




 入って来たのは、二人の父親で。

健二は、待ち切れずに、父親を置いて先に来ていたのだ。




 「お前のお兄ちゃんは、お姉ちゃんに変わったのだよ」


 「ええええっ〜!」




 更に続く、父親の言葉に。

健二は、病室に響く、驚きの声を上げたのであった。



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