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最終話 ずっと一緒だよ

今回で、この作品は最後です。


*内容を一部変更しました。


 二人で入浴した後。

優は自室で、しばらくノンビリしてからベッドに入った。




 「(スー…、スー…)」




 布団から寝息が聞こえるが、しかし優はまだ起きている。




 「ふふふっ、ケンちゃん良く眠っているね♡」




 パジャマ姿の優は、布団の膨らみを見ながら、小さな声でそう(つぶや)いた。

そう、寝息の主は、同じくパジャマ姿の健二である。


 最近は、良く一緒に寝る事が多いが。

元々は、健二が小学校に入る時分に一人で寝るようになっていた。


 それはやはり、兄を心配させたくない子供なりの配慮だったのだ。


 しかし、優が女性化し。

そして健二が幼児退行したのキッカケに、再び、一緒に寝るようになったのである。




 「(……ギュッ)」




 優は隣にある、子供らしい高い体温の存在を、おもむろに抱き締める。


 ブラをしてない分、大きな胸には。

健二の、同じく子供らしいプニプニしたホッペタの感触が、より強く感じられた。




 「(もお〜、ケンちゃんは。

 恥ずかしがらずに、素直になれば良いのに…)」




 優は入浴の時の事を思い出し、内心で健二に文句を言う。


 優は健二を洗った後、自分の体を洗ったのだが。

その時、自分の胸に向かう視線に気付いていた。


 健二が、姉の乳房をコッソリ見ていたのである。




 「(欲しいなら欲しいと、正直に言いなさい!)」


 「…ん、……んんんっ」




 素直でない健二に少し怒った優が、弟の頭を強く抱き締める。

すると、豊かな胸に口を塞がれた健二が、うめき声を上げる。




 「(……でも、もう少し大きくなったら。

 この身体にも興味を持つのかな?)」




 風呂場で、胸に感じていた視線が。

丸くて大きなお尻や、ムッチリとしたふとももに向かうの事や。

胸の視線が、違った意味を持ってくる事を想像した。


 優自身、女性化して最初の頃、変わった自分の身体に興奮した位だから。

当然、近くにそう言う存在があれば、弟もそういう目で見てくるはずである。


 今の所、まだ精神的には、女性への関心は起きてない様ではあるが

性に目覚めれば、恐らくそうなるだろう。




 「(僕は、ケンちゃんに迫られたら、断れないなぁ〜)」




 優はその内、少し大きくなった弟から、(せま)られる場面を妄想していた。


 甘えん坊の健二が、魅力的でかつ、優しい女性が側にいれば。

姉とは言え、そうなる可能性があるだろう。


 想像の健二は大きくなっても、幼児退行して乳房を求めれた時の。

上目遣(うわめづか)いで(すが)り付く様な、余りにもいじらしい表情をしている。


 弟に、そんな表情をされると、優はとても弱いのだ。




 「(…でも、ケンちゃんになら、良いかもしれない…)」




 そんな事を思っていたら、優が急に開き直った。


 男の時から、何かと気に掛け続け。

女性化してからは、(あふ)れるばかりの母性本能により。

健二の事が、目に入れても痛くない位に可愛い優は。

弟のためなら、どんな事でもしてあげたいと思っている。


 また優は、身体は女性化し。

精神的にも、だいぶん女性化しているのであるが。

まだ男の部分も、性的な部分で(わず)かだが残っている。


 なので、男と恋愛もそうであるが。

それから先の行為をする事さえ、残った男の精神が拒否してしまう。


 だから学校では、男子とは出来るだけ距離を取るようにしていて。

人気があるのだけど、男性恐怖症ぎみと見られていた為。

男子達は、強引な行動に出ることが無かった。


 だが、健二にはそう言った意味での、抵抗感が感じられないのである。


 優は弟に対して、常に女性として包み込みたかったので。

女性としての意識が、(まさ)ってしまうからだろう。


 しかし、その場合、別の意味での問題が出てくるのだが。

その事に優は、全く気付かなかった。




 ・・・




 男との、恋愛の事を考えていた優は。

ふと、健二の事も考え始める。


 健二も年頃になれば、当然恋人の出来る可能性だってある。




 「(ダメ!ダメ! ケンちゃんは私の物!)」




 その事に行き着いた優は、急に不機嫌になる。


 それはまるで、生まれながらの女の子が、男兄弟に執着しているみたいに。


 いや完全に、まだ見ぬ弟の彼女に、嫉妬しているのだ。


 しかも、心の中の一人称も、嫉妬による更なる精神の女性化の所為(せい)か。

いつの間にか、”僕”から”私”へと変わっていた。




 「…ん、……んんんっ」




 無意識の内に、弟を抱き締める腕に力が入り。

それにより再び、大きな胸に顔を押し付けられた健二は。

また、うめき声を上げた。


 思わず、強く抱き締めていた事に気付いた優は。

慌てて、腕の力を緩める。




 「(そうだ! 私がケンちゃんと関係すれば……)」

 



 優は嫉妬の余り、トンデモナイ事を考えだし始め。

そして、また妄想を繰り返すが。

しかし今度は、健二に迫られるのではなく、優が積極的にリードしている物である。




 「(…そうすればケンちゃんは、ずっと私の物に…)」




 優は、そんな事を思いながら、”ふふふっ”と少し不穏(ふおん)な笑みを浮かべていた。




 「(ケンちゃん。

 ケンちゃんとお姉ちゃんは、ずっと一緒だよ♡)」




 ・・・・




 こうして優は、布団の中で寝ている弟を抱き締めながら。

健二への執着を、加速させていったのである。







       TSお姉ちゃんは、弟が可愛くてしょうがない 終

 今回で、"TSお姉ちゃんは、弟が可愛くてしょうがない"は終了します。


 最後まで読んでくださいました皆様、有難うございます。


 最後の方で、優が暴走する未来が見えると言うか。

少々、不穏な終わらせ方は構想に無く。

完全に、キャラが独自に動いた結果です。


 それでは、また次回作でお会いしましょう。

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