終焉
考えずにはいられない。
ロケットが爆発した。
宇宙に物資を送るロケットだった。
空中に大きな火柱が上がり、ロケットの一部分だったものが四方八方へと飛んで行った。
ロケットを打ち出す事が簡単になったこの時代でもロケットが爆発することなんて滅多にないことだ。皆はロケットに入っていたものが気になっていたが、画面の前には一切出ない。解っている人には解っていたのだろう。不思議な事だがロケットが爆破されたことに注目してたが、一度もその瞬間の写真も映像も証言も出てこなかった。それだけ僕らは爆発という事実にしか目に入ってなかった。
実際には皆何処かで薄々気づいていたのだろう。言ってしまったら暴いてしまったら今の現実を保っていけないことを。
ロケットの発射場は何時の間にか封鎖された。周りの町も封鎖され、世界は孤立していった。
最近、魚の大量死が話題になった。ロケットの爆発による環境変化と片づけられた。魚なんて暫く食べてなんていない。
最近、奇形の子供が増えたという話を聞いた。原因不明と片づけられた。子供が出来た話もあまり聞かない。
最近、若く死ぬ子供が増えた話を聞いた。外に出ないから免疫が落ちたと片づけられた。外なんて暫く出てない。
最近、何処かの国で戦争が起きた。僕らは見向きにされてないと片づけられて僕らは他国の事だと口を閉ざした。
ある日、僕らの国の一番偉い人が画面の前で土下座をした。分からないけど、僕らはもうだめらしい。
五日と立たず暴動が起きた。無責任だとこれからどうするのだと騒いでいる。皆何に怒っているのか分からない。皆だって知ってたはずだ。何が原因かなんて知ってたはずだ。知らないふりをした僕らが悪い。
自覚してた人は行動に移した。周りは大袈裟だと考え過ぎだと真面に取り合わなかった。彼らは諦め意識を捨てた。
僕らは自分たちの手で終わりを作った。止めるタイミングもあったはずだが、皆自分の都合のいいように物事を見て考えるを怠たり、周りがやってくれると無責任に信じ、あての無いものばかりを信頼していざ見たくなかったことを突きつけられたら駄々をこねる子供の用に暴れだすなんて無責任だ。
あれを初めて作った人だって最後には使うことに反対した。僕らニンゲンには早すぎたのだ。
理解はしていた。都合のいいところばかり、メリットばかり見てた僕らが背負うデメリットなんて、もしもの話としか考えてなかった。考え付かなかった彼らは罪だ。
考えてばかりで行動に移せなかった僕も罪だ。
考えずにはいられない。
テレビでふと見た無責任な発言に対しての怒りで書いたものです。
色々とすいません。
読んで貰って有難う御座います