表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ショートショート集

終焉

作者: 細目諒解

 考えずにはいられない。


 ロケットが爆発した。

 宇宙に物資を送るロケットだった。

 空中に大きな火柱が上がり、ロケットの一部分だったものが四方八方へと飛んで行った。

 ロケットを打ち出す事が簡単になったこの時代でもロケットが爆発することなんて滅多にないことだ。皆はロケットに入っていたものが気になっていたが、画面の前には一切出ない。解っている人には解っていたのだろう。不思議な事だがロケットが爆破されたことに注目してたが、一度もその瞬間の写真も映像も証言も出てこなかった。それだけ僕らは爆発という事実にしか目に入ってなかった。

 実際には皆何処かで薄々気づいていたのだろう。言ってしまったら暴いてしまったら今の現実を保っていけないことを。

 ロケットの発射場は何時の間にか封鎖された。周りの町も封鎖され、世界は孤立していった。

 最近、魚の大量死が話題になった。ロケットの爆発による環境変化と片づけられた。魚なんて暫く食べてなんていない。

 最近、奇形の子供が増えたという話を聞いた。原因不明と片づけられた。子供が出来た話もあまり聞かない。

 最近、若く死ぬ子供が増えた話を聞いた。外に出ないから免疫が落ちたと片づけられた。外なんて暫く出てない。

 最近、何処かの国で戦争が起きた。僕らは見向きにされてないと片づけられて僕らは他国の事だと口を閉ざした。


 ある日、僕らの国の一番偉い人が画面の前で土下座をした。分からないけど、僕らはもうだめらしい。

 五日と立たず暴動が起きた。無責任だとこれからどうするのだと騒いでいる。皆何に怒っているのか分からない。皆だって知ってたはずだ。何が原因かなんて知ってたはずだ。知らないふりをした僕らが悪い。

 自覚してた人は行動に移した。周りは大袈裟だと考え過ぎだと真面に取り合わなかった。彼らは諦め意識を捨てた。

 僕らは自分たちの手で終わりを作った。止めるタイミングもあったはずだが、皆自分の都合のいいように物事を見て考えるを怠たり、周りがやってくれると無責任に信じ、あての無いものばかりを信頼していざ見たくなかったことを突きつけられたら駄々をこねる子供の用に暴れだすなんて無責任だ。


 あれを初めて作った人だって最後には使うことに反対した。僕らニンゲンには早すぎたのだ。

 理解はしていた。都合のいいところばかり、メリットばかり見てた僕らが背負うデメリットなんて、もしもの話としか考えてなかった。考え付かなかった彼らは罪だ。

 考えてばかりで行動に移せなかった僕も罪だ。


 考えずにはいられない。

テレビでふと見た無責任な発言に対しての怒りで書いたものです。

色々とすいません。

読んで貰って有難う御座います

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 言葉を辿ることに夢中になりました。 引き込まれました。 [気になる点] すみません、悪い点は思いつかなかったです。 ストレートではない表現も見てみたいと思いました。 [一言] 月1で読ん…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ