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大人なんて全員醜い
咲人side
なんでアイツが…クソッ
もう寝よ。アイツのことなんて考えたくもねぇ。
「咲人君、いつもうちのこと遊んでくれてありがと。」
「いや、僕も楽しいですから。気にしないでください。」
「咲人お兄ちゃん、また遊んでね!バイバイ!」
「見てあの子、独りでなにしてるのかしら?」
「ほら、あの子が殺人鬼の子よ。」
「うちの子に近づかないで!」
「咲人お兄ちゃん、バイバイ…」
ガバッ
「はぁはぁ、クソ、全部アイツのせいで!」
お茶、飲みに行こうかな。
部屋を出て、居間へ行くと意外にも黄泉がまだ起きていた。
「明日早いんだから、寝ないと。」
「咲人、嫌な夢見たでしょ?」
まっすぐな目で見つめて来る。
「べ、別に…」
ギュッ
「俺らがいるでしょ?俺らはあんな奴らと違う。ずっといるから、頼ってよ。」
「…ありがと。じゃあおやすみ。早く寝なよ。」
不覚にも涙が出そうになった。
あの日から、怒りばかりが込み上げて涙なんて忘れてた。