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あいつらといたら楽しいんだよ。くだらねぇことも楽しいんだ
瑠樺side
「瑠樺。あの子達は施設の知り合いか?」
「だったら?」
「絡む相手を間違えたんじゃない?」
「あんたらのもとに生まれた方が間違いだったけど。」
「瑠樺!母さんは腹を痛めてまでお前を産んだんだぞ」
「俺は痛みこらえて死にかけてまであんたらの暴力に耐えたんだ!どっちの方が酷いか考えなくてもわかるだろ!」
虐待により死にかけたのは、新弥も同じらしい。
だからこそ、あいつとは気があった。
「瑠樺、帰ってこい!直ぐに間違いだと気づくはずだ!」
俺の手を握ろうとする手は、かつて俺を苦しめていた手。
「きたねぇ手で触んな。俺はもう戻らねぇ。」
気づいたんだ。
俺は変わったって自分で思う。誰と絡んでいるわけでもなかった餓鬼の俺は
あいつらと出会って変わった。
「あいつらといたら楽しいんだよ。くだらねぇことも楽しいんだ。」
だから俺は生き方なんて知らないまま死に方を選んだんだ。




