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だから、死んでくれ
「よし!行くぞ!」
「おう」
「今夜も血祭りにできたらいいんですけどね」
「もう人いねぇし」
ガサッ
「!静かに」
新弥が静止を呼びかける。
その瞬間咲人が素早く音のするほうへ行く。
「誰だ。っ!!」
急いで咲人のもとへ駆け寄ればそこにいたのは、俺たちの親だった。
「咲人!!」「新弥!」「黄泉!」「柩~」「瑠樺!」
それぞれ伝えたいことがあったのだろう。嬉しそうに俺達に駆け寄ってきた。
「ここじゃ危ないから咲人のおうちでいっぱい話しましょ?」
咲人の母が手を取ろうとしたとき咲人はそれを振り払った。
「汚ねぇ手で触んじゃねぇ!」
「咲人!お母さんになんてこと言うんだ!」
横から入ってきた父を殴る。
「俺たちを捨てて、汚して、よく親だって言えるな!笑わせるな!」
「あの子両親のこと嫌ってるのね。」
それは、母の一言だった。
「嫌ってる?当たり前だろ。俺らもそうだし。あんな暴力振るってた奴を親だって呼ぶほうが狂ってるよ。」
俺は咲人と柩と新弥と黄泉の手を引いて言った。
「俺たちはあんたたちのことを親だと思ってねぇ。こいつらと生きてくって決めたんだ。だから、死んでくれ」




