夜道は危ないですよ?こんなふうに殺人鬼がいますからね
今は深夜。午前零時だ。田舎ということもあり、明かりは少ない。
全身黒でフードを深くかぶり、黒マスクを付け闇に溶ける作戦だ。
「最終確認。午前零時~1時までの1時間で1人1体消して。誰かに見られたらそいつも消せ。死体は残すな。液体にして水で薄めて用水路にでも流せばいい。あと、人だと思うな。情はいらない。失敗は許されない。後戻りもできない。いいな?」
「「「「了解!!」」」」
咲人の最終確認が済めば、包丁を持って5人は別の方へ行く。
新弥side
「...いた」
相手は大人なら誰でもいい。
バレないように小声でつぶやけば気配を消してそっと近づく。
グジャッ
一発で仕留めて、野菜をみじん切りにするように、ミンチを作るように跡形もなく切り刻む。
水筒に入れておいた水で"掃除"をすれば最初の場所へ帰る。
「よし、これで完了。」
何も残らない完璧な消去。
瑠樺side
「あいつでいいかな?誰でもいいか。」
どうせ消すんだし。
足音をなるべく出さないように走り背後を襲う。
手際よく処理をすればその場から立ち去った。
黄泉side
「だ~れ~に~し~よ~う~か~な~?て~ん~の~か~み~さ~ま~の~」
言う通り...ニヤ
「ハハッなんだろ?変なの...」
ドサッ
「な、何してるの?」
「あれ、バレちゃった?まずいなぁ...見ないでよ」
危なかった~見られるなんてついてないね。
二人も処理だなんてめんどくさいな。
まぁ、証拠なんて上げないけど。
柩side
前から人が歩いてきてる...あの人でいいよね。
すれ違う瞬間、包丁を取り出す。
「っ!!」
「ばいばい、醜い大人さん。」
咲人side
いい人はいないかな?あれ?
視界に映った女の人。
「酔っ払いかな?大丈夫ですか?」
ニコッと笑いかければ、ちょっと飲みすぎちゃってと恥ずかしそうにする女。
「そうですか。夜道は危ないですよ?こんなふうに殺人鬼がいますからね。」
笑みを消さないまま、悲鳴をあげる前に息の根を止める。
「さて、帰りましょうか。」
「お疲れ様です。誰ひとりとしてミスはしてませんよね?」
「もちろん」
「見られて焦ったけどね」
「絶対焦ってないだろ」
「まぁ、結果は明日明後日にはわかるでしょ。」
「そうですね、帰りましょう。」




