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暦の時
───────夢と理想と現実。
ある人は自らの夢を叶えるために生き、またある人は理想を形作った世界の中で生きる。
想うのは簡単。願うのもその人の自由。
結果は誰にも分からない。
───────とある少女が神に願った。
“生きたい”
“お願い神さま。私の病気を治して下さい”
“お願い…お願い…”
来る日も来る日も、少女はお日様にもお月様にも、肌に感じるものすべてに祈り続けた。
─────時は過ぎ、小さかった少女は16歳になった。
身体は大きくなっても、視ている景色は変わらない。
白いベッドに白い壁。白い服をきた人達に、日に日に青白くなっていく自分の肌。
“大丈夫、神様が治してくれるもの”
大丈夫。大丈夫。諦めないで。
そう願い続けたある日のこと─────。
“貴女の命は保ってあと二年でしょう”
突然の余命宣告。目の前が真っ暗になって眼からは次々と大粒の涙が零れ出た。
“神様、神様っ…これが神様の返事なの?私はもう、生きることができないの!?”
───────その日から彼女が神に祈ることは、無くなった。




