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松子が現在の惨めな環境を脱皮する為、一年後に一大奮起して選んだ道は、教諭の免許をとる為に再び大学に入学することだった。
というより、18歳の時大学に入学早々病に倒れ、休学したまま復学の期待も持てず退学した学生生活に、再び挑戦してみたかったというのが本音だった。
20歳を超えてからの学生生活は、精神的に厳しいものがあったが、病み上がりの身に鞭打って、わびしい四年間の勉学をやっとの思いで終えた松子は卒業後、母親が首を長くして待っている実家に戻った。
そして卒業と同時に、教育実習で巡り合った教員とその後の文通を経て、結婚した。
翌年女の子が生まれた。
跡を追うように小学校を辞職し、商店で働いている男と結婚していた沙織も、同じ年に女の子を生んだ。
それを機に、松子と沙織は以前にも増して親しく交流するようになっていた。沙織は長い道のりを自転車の荷台に子供を乗せて、松子の家にしょっちゅうやってきた。
沙織の家には若くして夫を失くした姑が同居していて、彼女は由緒正しい家の嫁として従順に姑に仕えていた。連れ合いのことを愚痴ることはあっても、姑のことをいいお義母さんだといつも褒めて話した。




