26年中の憲法改正発議は実はそこそこの高い可能性がある件について
筆者:
本日は当エッセイをご覧いただきありがとうございます。
今日は建国記念の日ですね。
この日に相応しい国の形を文字通り決める「憲法改正」について語っていこうと思います。
◇参議院も「数字上は」いつでも発議可能
質問者:
あれ……参議院は自維で3分の2にいかないので大丈夫だという話だったと思ったんですけど…….。
筆者:
ところが計算してみたら全然大丈夫ではないことに気づきました。
参議院は248人なので166人が3分の2なのですが、
自民党101人 維新の会19人 に加え、改憲に前向きな勢力として 国民25 公明21 と合わせるとピッタリ166人なんです。
質問者:
え……! それじゃぁ、いつ発議されてもおかしくないってことじゃないですか……。
筆者:
ただ、一つ見ておかなくてはいけない点があります。
「これまで改憲しなかった理由」 です。
安倍政権も岸田政権も両院で改憲勢力で3分の2以上を占めていた上で改憲へのやる気は見せていたものの発議しなかったことです。
それは公明党が改正へは前向きなものの自民党案の9条案に対して抵抗(2項改正では無く3項加憲案推進)していたために自公で衆参3分の2以上でも発議できなかったからです。
つまり、単なる憲法改正にとどまらず「自民党案ほぼ丸のみ」と言うのが絶対条件なのではないか? と言うのが僕の予測としてはあるのです。
質問者:
確かにどうしてこれまで発議すらされなかったのかと言うとそういった理由があったんですね……。
筆者:
つまり数字上では国会が開かれた次の瞬間から発議の可能性はあるものの実現性は乏しいという事です。
質問者:
では逆に自民党さんか公明党さんが9条で妥協すればすぐにでもあり得るという事なんですか?
筆者:
そうなります。
もう一つパターンがあるとするのなら立憲民主党の参議院の40人が完全に宙に浮いた状態です。
無所属を含め6人以上切り崩し、さらに参政党の15人が賛成するパターンだと公明党無しでも3分の2に到達します。
質問者:
筆者:
今の状態の憲法は望ましくないので新しく創る「創憲」と言う立場でいるようです。
更に自民党案については緊急事態条項について反対しているようです。
後半の部分は特に評価できる点だと思います。
ここで怖いのが「2段階改正」があるかもしれないというところです。
1段階目で「9条」+「発議に過半数」と言う点で改正、2段階目で気軽に過半数で発議して緊急事態条項を入れるという感じです。
質問者:
確かにそれであれば1段階目のハードルは高くても2段階目は軽々と参議院も突破できるという事ですか……。
筆者:
「発議過半数」に賛成するようであれば実質的にその先の未来の緊急事態条項に賛成したのと同義であることを参政党などはよく理解し、この作戦に騙されないでもらいたいですね。
特に議席を得たからには実績を出したいといま血気盛んな雰囲気を感じますので、この点は非常に怖いですね。
ただ、公明党や参政党が自民党案を鵜呑みにしないのであれば28年7月の参議院選挙まで憲法改正は先送りなのかなとも思いますね。
◇簡単に2大改正論点を解説
質問者:
ところで筆者さんが2大改正論点としている9条の改正派と反対派の方々はそれぞれどんなことを述べられているんですか?
筆者:
9条改正派は自衛隊の地位が中途半端に宙に浮いていることを最も問題視しています。
2015年の岸田外務大臣の答弁では現在の自衛隊のアメリカの後方支援で自衛隊員が捕まった場合には「ジュネーブ条約の捕虜に該当しない」と答弁しています。https://www.kiyomi.gr.jp/blog/5896/
「捕虜」と言うと何か聞こえが悪いのですが、この待遇になると敵の権力下に置かれた軍構成員らは、いかなる状況でも暴行、脅迫、侮辱、好奇の目、報復行為などから保護され、健康状態に応じた医療や給養、宗教的行為の自由なども認められるのです。
逆に捕虜待遇が無く、単に外国軍に捕まった場合は「各国政府に委ねられる」ことになり場合によっては悲惨な末路に至ることもあるのです。
自衛隊は国際法上は軍隊として扱われているものの該当外という中途半端であれば戦場に後方支援とは言え送り出しにくいのです。
質問者:
確かにそれじゃぁ例え事実上の軍だとしてもやりにく過ぎますね……。
「9条改正は戦争を出来る国にする」と言う反論がよくあるんですけどそれについてはどうなんですか?
筆者:
これはちょっと違うのかなと思いまして。
25年11月の高市総理の答弁で安保法制の定義の「存立危機事態」で台湾有事すらも事実上加わったためにまず日本近海なら支援できる――つまり戦争できる状況にはなりました。
敢えて憲法で軍であると規定する必要性すら無く、アメリカの後方支援レベルであれば「既に戦える国」であるという事です。
質問者:
確かにそうですね……。
「9条改正で徴兵制になる」という理論についてはどうなんでしょうか?
筆者:
これは難しい論点なのですが、僕は自衛隊を軍と認めることと徴兵制は完全にイコールでは結びつかないと考えます。
なぜなら各国正規軍があることと徴兵制があることに相関関係は無く、自由であるからです。
ただ、国際法上認められた軍隊の前提が無ければ徴兵制は無いことから「第一歩」と捉えられても仕方がない面もあると思います。
どちらかというと後に挙げます緊急事態条項との組み合わせが恐ろしいと思います。
ウクライナではロシアとの戦闘で「緊急事態」として「戦時動員」がなされ、軍隊以外の一般人男性も出国の禁止と18歳以上60歳未満は健康に問題が無ければ強制的に動員されることになりました。(わざわざ怪我をして動員を免れることを狙うケースも)
緊急事態条項のカバーする範囲が広い以上は内容の幅は広いので非常に危険視すべきだと考えます。
質問者:
そもそも筆者さんは海上封鎖されて兵糧攻めで危うくなる理論も立てていますよね……。
筆者:
コメ農家を保護しないと1年も海上封鎖すれば、あっという間に餓死しますよ。
現状の自給率の高さだってコメの全体消費量が少ないだけなので、小麦などが止まればたちまち食べる物は無くなります。
だから、ジェネーブ条約とかそれ以前に現状では戦わずして降伏する可能性が濃厚だと僕は思うんです。
◇自民党案の緊急事態条項は「なんでもあり」状態
質問者:
各国では存在している緊急事態条項にあたるものが日本ではどうしてそこまで危険視されているのか教えてください。
筆者;
まず、武力攻撃、内乱、大規模な自然災害、感染症など「緊急事態」の定義が非常に広範の範囲でありながら内閣に国民の権利を制限できる立法権も与えるという完全に逸脱したレベルであるという事です。
その内容は戦争であれば強制的な徴兵であり、内乱であれば強制逮捕、感染症であればワクチン強制や強制的な行動制限であったり、災害であれば用地の強制接収であったりと、非常に多岐にわたることでしょう。
さらにこの発動期間に限定が無く、内閣の立法について事後に国会の承認を要するとしながら、承認がない場合は政治責任が生じるだけとするものと現行案ではなっています。
そして、衆議院の任期を場合によっては無限に伸ばすことも可能になります。
更に各国にはある憲法裁判所が日本には無いために緊急事態条項が暴発されたとしても違憲であるかどうか審査もしてくれない可能性すらあるのです。
そして、暴発による総理大臣への罰則もありません。韓国では似たような非常戒厳を暴発させた尹元大統領は死刑が求刑されるほど厳しいものです。
つまり、権力をより強固にし国民への権利を制限するものでありながら、リスクはゼロと言う政治家から見たら「ノーリスクハイリターン」、国民から見たら「ハイリスクノーリターン」なのが「自民党案の緊急事態条項」なのです。
これを各国にある緊急事態条項と同列に語ることそのものがナンセンスであり、失礼であるとすら言えます。
質問者:
でも、災害や感染症や戦争に対する取り組みはどうしたら良いんでしょうか?
筆者:
それこそ各々の分野の特別措置法を普段から考えておけばいいだけです。
特別措置法を考えることを怠り、全権を委ねろという完全に狂った状況と言えます。
この辺りのことをしっかり理解してから賛成か反対かを国民は考えていく必要があると思います。
質問者:
筆者:
どうにも「9条の瑕疵」と「他の国に緊急事態条項がある」と言うこの2点で押し切ろうとしている風潮がありますよね。
序盤に語ったように「思ったよりも近い将来かもしれない」と思って僕なりに頑張って抵抗したいと思います。




