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異世界転生魔術書

作者: みなもとあるた
掲載日:2026/01/17

あなたは今、異世界転生に成功しました!


いやーよかったですねぇ。

と言っても、今のあなたにはなんのことか全然理解できないと思いますけど!


だって、異世界転生する時に前の世界に関する記憶をすべて失うっていう契約でしたからねー。


でもそれだといくらなんでもかわいそうなんで、この親切な女神ちゃんがこれまでのいきさつを全て教えて差し上げましょう!


なんとなんと!あなたはついさっきまで魔王の支配する異世界に居て、魔族の奴隷として10万年以上過ごしてきたのです!


そう!あの魔王ですよ!存在しているだけで全人類に絶望をもたらすというあの!でもまあ、そんな魔王の力も女神ちゃんの力に比べたら全然たいしたことないんですけどね!


それにしても、魔王の支配は相当酷かったらしいですねー。全人類がもれなく魔族の奴隷にされていて、毎日毎日呪いの実験台やら拷問の練習台にされていたわけですし。


しかも魔族たちは蘇生魔法が使えましたから、何回死んでも奴隷としての役割からは絶対に逃れられなかったらしいですね。


運が良ければ労働力として休みなく働かされるだけで済みますが、運が悪ければ朝から晩までひたすら拷問。もちろん、蘇生魔法のせいで奴隷たちは絶対に死ぬことはできない。


それってどんな生活だったんでしょう?


私だって、できることならばみんな救ってあげたかったんですよ?

ただ、私には女神という立場がありますから、下界の出来事にあまり干渉するわけにはいかなくてですね…


でも、あなたは特別だったんです。


奴隷としての生活があまりにも辛すぎて毎日絶望していたあなたの感情が、あるとき祈りとなって偶然私に届いたというわけなのです。


いやー!奴隷にちょっと祈られただけで転生させてあげちゃう女神ちゃん優しすぎるなー!しかも前世の記憶を消してあげるという親切なおまけつき!


なにしろ、あなたのこれまでの生活は思い出しただけでも魂が損傷しかねないレベルでしたからね。だって10万年以上にわたる拷問の記憶ですよ?


記憶を消すついでに、この世界に合わせてあなたの記憶と人間関係を都合よく改変しておきましたので、これからこの世界で暮らしていっても違和感は全くないはずです。


まるで魔王の支配する世界になんて一度も行ったことがないかのように感じられると思います!実際、今そんな風に感じているでしょ?


「自分は生まれてからずっとこの世界で暮らしてきたはずなのに、この自称女神は何を言っているんだ?」って。


あー大丈夫です大丈夫です!そう思えているなら、私の改変が上手く行っている何よりの証拠ですから。あなたの周りの人たちも、まるであなたがずっとこの世界にいたかのようにこれから接してくれると思います。


それもこれも、次元を司る女神であるこの私が、奴隷生活に苦しむあなたを平和な世界に異世界転生させてあげたおかげですからね!えっへん!


ちなみに、オマケで「文字が読めるスキル」もあなたに付与しておきました!


転生前の世界でよく言ってましたよね?「もしも魔王の支配が終わったら、上流階級の人間のように文字を読めるようになりたい。そして貴族だけに許された小説という娯楽を楽しんでみたい」って。


前の世界ではごく一部の高等教育を受けた人間しか文字を読めませんでしたが、今のあなたならほとんど気力を使わなくても自然に文字が読めるようになっているはずです!


その証拠に…ほら!今あなたの目の前にあるこの魔力板!


この魔力板を動かすと、次から次へと小説を発見できるんですよ!


しかもなんと…いくら小説を読んでもタダ!行商人に金貨を積まなくてもいいんです!


いやー!さすがにサービスしすぎちゃいましたかね?でもまあいいですよね?これまで散々ひどい目に逢わされてきたあなたへのご褒美だと思えば。


お礼なんていいんですよ。


ただ、時々でいいから命の恩人である私のことを思い出してくださいね。

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