眺めしはなは 彼岸花③
現代短歌なので、小難しいことは抜きにして。
感じたままを詠んでみました。
お気楽に味わってみてください。
あきらめてくすぶる熱を静めても
面差し浮かぶはあなたひとりで
叶わぬと秋の夜長の月わらふ
眺めし彼岸花は恋の残り火
彼岸花という花は、なぜか端に咲いているイメージがあります。しかも一群となって。
もちろんそうでないこともありますよ。あくまでもイメージですが、花壇の真ん中にドーンといるのではなくて、道端とか、田んぼのあぜ道とか、お墓の周りとか。そんなところで見かけるでしょう。
ならばわき役なのかといえば、それはそうでもないような。
だってあのあでやかさ、鮮やかさは、一目見たら目に焼き付くほどの美しさでしょう。
毒性のある花ということもあり、なんだか悪役令嬢みたいですね。
赤い彼岸花の花言葉を眺めていたら、こんな一首が浮かびました。
燃える炎のような赤い花びらから「情熱」「独立」といった華やかで力強い花言葉がつけられています。しかし、開花時期が短く別れを連想させることから「諦め」「悲しい思い出」という寂しさを感じさせる花言葉や、「再会」といった花言葉もあるんです。
見る人の心情によって、赤い花の印象はずいぶんと異なってくるようです。
「なろう」を探せば、こんな情熱的な恋をしているヒロイン、たくさんいそうですね。
ご来訪、ありがとうございます。
今回は珍しく恋愛歌。って失恋していますが(涙)
余談ではありますが、夏のシリーズで取り上げたアガパンサスというお花。あれもヒガンバナ科のお花です。ちょっと印象が違うのは、あちらはアガパンサス属だからでしょうか。別名「アフリカンリリー」「紫君子蘭」。どちらも肉厚で剣みたいな形のスッキリとした葉っぱが生えているのですが、葉っぱと花が同時期に存在するアガパンサスと違って、彼岸花は先に花が咲き花の時期が終わってから葉っぱが生えてくるという不思議な生態をしています。