彼岸花 ①
現代短歌なので、小難しいことは抜きにして。
感じたままを詠んでみました。
お気楽に味わってみてください。
川べりに群れる彼岸花赤と白
秋の到来静かに燃えて
少しずつ季節は移り替わろうとしているようですが、まだ日中の気温が30℃近くまで上がり、いつまで暑さが続くのだろうかとヘキヘキさせられる日も。
でもでも。風には爽やかさが混じり、少し前までのじっとりとした暑さとは違います。夏のままの服装では、どうかすると涼しさを通り越し寒さを感じることも。
だって、もう10月ですものね。
9月の後半ごろ。地中よりにょきっと生えて来た花茎。
葉がないまま花茎だけがすっと伸びて、その先端に鮮やかな花を咲かせます。花びらは細く反り返り、まるで炎のような独特な形。英名はスパイダーリリー。蜘蛛とは言い得て妙な気もしますね。
最近よく耳にするリコリスという呼び方は学名の属名なのだそうで、 Lycoris(リコリス)は、ギリシャ神話の女神・海の精であるネレイドのひとり、リュコーリアス| (Lycorias) から命名されたのだそうです。
彼岸花は他にもいろいろ別名があって、一番有名なのは「曼殊沙華」でしょうか。仏教の経典に出てくる天上の花の名前で、「天界に咲く赤い花」という意味なんですって。
その一方で、不吉なイメージも付きまといます。それはよく墓地のそばで咲いていたことや、毒性を持つことなども関係しているのかもしれません。あと、その名のとおりお彼岸に咲くというのも一因かな。
墓地に多く植えられている理由は、実は不吉だからではなく、非常に実用的な理由があるのです。
昔は土葬が一般的でしたが、動物が墓を荒らすのを防ぐために、毒のある彼岸花を植えたのです。また、田んぼの畦に植えることで、モグラやネズミなどの害獣を遠ざける効果もありました。
つまり、彼岸花は害獣除けのための益花として植えられていたのです。
夏の終わりから秋のはじめを彩る鮮やかな花。
わたしにとっては、大好きな「秋」の始まりを告げる花なのでした。
写真提供:かぐつち・マナぱ様
ご来訪、ありがとうございます。
季節も少しずつではありますが、秋らしくなってきたので。
秋の短歌を少しずつ詠んでみようかと、シリーズ開始です。冬の北風に縮こまるまでの間、どうかお付き合いいただけましたら幸いです。
彼岸花の学名等につきましては、Wikipediaを参照させていただきました。
2025/10/02 かぐつち・マナぱ様よりいただいたお写真を貼らせていただきました。