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令嬢の嫁入り (もはや童話じゃない)

まだ慣れない時期に間違って連載版として発表した作品があったので、


二話を投稿してみました!


「この婚姻は政略結婚だが‥僕は君を愛せるかどうか分からない」

 結婚式当日、真剣なお顔の旦那様に言われました。



「僕には愛する姫がいる。彼女の眼鏡にかなわなければ、君には別館で暮らしてもらうしかない」



 噂は聞いておりました。


 どうも旦那様には愛人がいて、今まで独身を貫いたのはそのためだとか。

 お見合いをしてもお相手は愛人ににらまれ、結局破談になったそう。



 つまりその方の許可が下りなければ、わたくしは不遇妻の立場を甘んじなければいけないようです。



「そんな、わたくしは伯爵家から嫁いで来た正妻ですのに」

「それは‥すまないと思っている」




 そして馬車は旦那様のお屋敷に到着します。

 わたくしは無情にも旦那様の愛人と対面させられるのです。





 居間にいらしたその方は、確かにとても可愛らしく、まるでお姫様のようでした。


 しかしもちろんわたくしに向けられる冷たい目。

 かけられる厳しいお言葉。



「フッシャアアアア!」



「ああ僕のかわいいキティ! やっぱり彼女もダメなのかい!」


 全身をふくらませて威嚇してくる彼女に、旦那様は涙目です。




 そう、旦那様の愛する方は猫ちゃんでしたの!




 わたくしには今すべて分かりました。


 旦那様の縁談がいくつも破談になった理由。

 わたくしが別館に追いやられるかもしれない理由。



「旦那様‥ キティ様と二人だけでお話してもよろしくて?」


 深く呼吸をしながら、わたくしはお願いしました。




 そして今、この部屋にはわたくしと猫ちゃんの二人きりです。



「初めてお会いいたします、わたくしこの度この家に嫁いで来たマーガレットと申しますの」


 猫ちゃんは尻尾をブンブンさせておりますわ。


(ああかっわいい)



「そのことで一つ、確認がございまして」


 わたくしは静かに膝をおりました。


「わたくしは第二夫人でございます! 正妻はもちろん、あなたさまで!」


 猫ちゃんの尻尾が動きを止めます。



「誠心誠意、あなた様にお仕えいたします! ですので旦那様のお側に侍ること、どうかお許しください!」


 猫ちゃんは、瞳を閉じて下さいました。





「マーガレット、よく引っかかれなかったね~」

 旦那様が感心しております。


「ふふふ、賢い猫ちゃんなら、きっと分かってくれると信じておりましたの」

「でも、今までの候補の令嬢たちは全敗だったんだよ。僕は毎回可愛がってもらうんだよって言い聞かせていたのに」

「あらあら、新妻の前で他の女性のお話はよして下さいな。キティちゃんのお話だけにしましょう」




 わたくし、知っておりますの。

 猫を説得する場合、仲良くしようね、なんて言うのは愚策でしかないことを。

 かわいがってもらう、もダメ。



 媚びを売る方は仲良くさせてもらえませんかと下からお願いしませんと。


 飼い主側が頼むのなら、かわいがらせてあげるんだよ、くらいは必要よね。



 とにかく人間と猫では、「立場は猫が上」なのです。



 このお家でしたら、キティ様 > 旦那様 > わたくし、でしょう。

 序列をまちがえたら怒られるのは当然ですわ。




「キティ様、どうかわたくしめにだっこされていただけませんか?」


 小さいあんよがわたくしの膝に乗ります。


(ああ、至福の時間ですわね!)


 耳の後ろをコチョコチョすると、安心したグルル‥が聞こえます。


 

 我が家は今日も幸せですわ♪


猫つきの家に入る方への参考になれば。


新井福さんの「夫の寵愛を受ける方に会ってはいけない」が面白くて、フォーマットだけパクらせていただきました。

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