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[完結]侯爵家の三男だけど能力板には大盗賊って出ちゃいました。  作者: 安ころもっち
第四章 アレス、王都での楽しき日々

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36 でも、一回ぐらい狩ってみたいですね

エルクの群れを狩り、持ちきれないお肉に埋もれていた僕たち3人は、遠くから近づいてくる5人の冒険者たちに警戒していた。


「ガキかと思ったら、結構やるんだな…昨日はすまんかった。正直侮っていた」

「いえ、そちらから見たらガキなのは本当なので」

昨日、入り口で一応助けてくれた人だったので警戒を解いてそう返しておく。どうやら悪い人ではなさそうだ。


「持ちきれなくなったのか?」

「そう、ですね」

その男の言葉に素直に返す。


「じゃあ、交換でもするか?こっちはまだかなり余裕がある」

そう言って自分の持っているバッグを指差す男。


その袋から中サイズの魔石を3つほど取り出した。


「そこに転がる肉と角、それをこの魔石と交換でどうだ?」


僕は「ちょっと待ってくださいね」と言いながらクラウに視線を送るとうなずいてくれたので、交換に応じた。

その際に魔石をしまうためワイルドボアの肉をいくつか出すと、男は一応「貰っても?」と断りを入れてからバッグへ収納していた。


それから男たちのパーティと自己紹介を交わす。

男たちは僕たちと同じブロンズ級の冒険者だという。僕たちがブロンズ級だと言うととても驚いていた。


男はガリウスと名乗っていた。『竜の双牙』という冒険者パーティのリーダーとのこと。剣士クラスのガリウスともう1人が同じく剣士、他に魔導士と神官、そして盗賊の5人パーティだという。


ガリウスと握手を交わすと5人と一旦は分かれたが、その後も順調に狩り進み20階層から続く休憩スポットでまた再開することになる。


「おお、やっぱり難なく到着できたか」

「はい。あの後もそれほど狩らずに登ってきたので、何とか素材も捨てることなく来ることができました」

そう言いつつも、入りきらずにリュックに詰めたほかに、僕の肩には紙に包まれた肉を紐にしばっていくつか引っかけている。


ガイアスさんたちと別れ、一度21階層も見てみよう。ついでに魔石も確保して転移用に残しておこうと思い21階層への階段へ歩く。


「おいガキども!ここからはさらに強くなるぞ!どうだ、俺たちが守ってやろうか?」

そう言いながら昨日絡んできた3人組の男たちが、ニヤつきながらこっちを見ている。


少し疲れもあってかイラっとしてしまい、咄嗟に[睨む]を発動する。

さすがLv4のスキルだ。男たちは硬直状態となり固まっていた。3人組を咎めようと近くまで寄ってきていたガイアスさんたちも、[睨む]の余波でぎょっとした顔で硬直していた。


一応お詫びを籠めて頭を下げておくと、軽く手を上げさらに苦笑いをしていたからどうやら大丈夫なのだろう。


そして階段を上り新たなエリアに心躍らせた。


「21階層からはこの迷路が続きます」

見渡す限りレンガのような茶色い壁、幅の広い道が続いているようだ。


「出現するのはストーンゴーレム、マジックパペット、ブラッドゾンビ、レイスです。稀にリッチが徘徊していますが、攻撃はしない方が良いとのことです。スケルトンを召喚して消えるので極力放置で…でも、一回ぐらい狩ってみたいですね」

いつもの様に階層の説明をしてくれるクラウ。


でもクラウの言う通りリッチは一度狩ってみたいな。それより…


「クラウ、前の階層もだけど、詳しすぎない?」

「昨夜ですが『王都の大迷宮を攻略せよ!大迷宮解体新書』を丁度、読み終わりましたから」

その言葉に苦笑いする。昨日は何か読んでるなと思ってたけど、いつのまに買っていたのだろう?


そんな情報を頼りにとりあえず21階層を少し回ってみる。本当に持てる余裕が無いので3つ魔石を取れたら帰ろうと決めて巡回する。

それなりに冒険者とも遭遇するので時間もかかってしまったが、ストーンゴーレムの3体に遭遇してそれをそれぞれが撃破した。素材となる魔石を取り出すと、各自が手に持った。

中サイズなので転移には十分だろう。考えたらガイアスさんと交換した魔石も同サイズだからそれで良かったかな?とも思ったが、ストーンゴーレムからは『硬』の能力玉が出たので成果としては十分だろう。


そして休憩ポイントに戻ると召喚陣で入り口へと戻った。


「はあ。やっぱり外の空気は美味しいね」

「そうですね。迷宮内も同じような空気なんですが、やっぱり少し息がつまると言いますか、何とも言えない感じですよね」

「うんうん」

迷宮などにこもると大体感じる空気の美味しさに共感される。


そして冒険者ギルドの解体所へ直行するが、受付横を通り過ぎる時には荷物を抱えたその姿に、リオールさんたちが苦笑いしていた。


「すっごいのねー。これならすぐにCランクに上がれるんじゃない?」

「そうだと良いですけど」

そう言いながら買い取ってもらった金貨20枚を受け取る。ゴールデンエルクの肉全部とエルクのお肉1塊、魔石をいくつかは残しておいた。


低階層にしてはそれなりに稼ぐことができたと思う。

共有財産として食事代と宿代にしよう。


その事を話していると、リオールさんから「パーティ口座でも作ったら?」と言うので、詳しく話しを聞いてみる。

冒険者カードにパーティとしての口座を別に紐付けることができるようで、個人の口座と金額が別になるので分かりやすいと言う。さらにパーティメンバーとも連携できるので、どの冒険者カードからでも引き出せるようだ。


どのカードを使って出し入れしたかも履歴として残るというので、便利なので作ってそこに今回の10枚を入れておいた。残り10枚は今日の晩御飯に使おうと思っている。


僕たちはまたあの焼肉店へと足を運んだ。


――――――

アレス クラス:大盗賊 Lv46

体力230 魔力190 外殻220

力38 硬27 速11 魔22

――――――

Up [毒耐性/Lv4+3/毒に対し一定の耐性]

Up [突進/Lv3+1/強烈な突進攻撃]

Up [突く/Max+1/強烈な一撃]

New [統率/Lv1/仲間の力を底上げする強いリーダーシップ]

――――――


------------------------------------------------------------

ガリウス

Cランク・ブロンズ級の冒険者パーティ『竜の双牙』のリーダー。剣士クラスでパーティメンバーはもう一人の剣士に加え、魔導士に神官、そして盗賊での5人パーティ。


パーティ口座

冒険者カードにパーティとしての口座を別に紐付けることができる。さらにパーティメンバーとも連携できるので、どの冒険者カードからでも引き出せる。どのカードを使って出し入れしたかも履歴として残る。

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