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[完結]侯爵家の三男だけど能力板には大盗賊って出ちゃいました。  作者: 安ころもっち
第三章 アレスの新たなる力

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31 あまり寝れなかった、かも…

次の日、なんとか寝付いた僕が目を開けると、僕の隣に2人は居なかった。


バスルームから音がするので2人で朝の準備をしているのだろう。

ベッドの上のヘッドボードに置いた古ぼけた時計を見ると、まだ朝早い時間だが、そろそろ起きても良いのかもと思い伸びをする。


「おっはよーアレスー!」

「おはようございますアレス。昨日はよく眠れましたか?」


支度を終えた2人がそう声を掛けてくるので苦笑いする。


「2人が、その、気になっちゃって、あまり寝れなかった、かも…」

「そう、でしたか」

クレアがそう言って顔を赤くする。リーゼも同じように赤くして下を向いている。


「今夜は、あまりくっつき過ぎないようにしますね」

「します」

そう言う2人に「僕も支度してきちゃうね!」と言ってバスルームに向かって早足で逃げ込んだ。朝からドキドキで幸せ過ぎで辛い!


ほどなくして、昨日と同じように下のレストランで軽食を食べると、再び冒険者ギルドへ向かう。

明日のオークションはあれどその前に少し懐を温かくしておきたい。オークションでのお金は即金ではなく、ギルド経由で1週間はかかるらしいから…


それに、考えたら昨日はクラウに宿代を出してもらっていた。

懐具合を考えて2部屋1泊で伝えたらまさかの1部屋6泊分の先払いという行動に、びっくりしすぎて忘れていたが、確認するとリーゼと割り勘にしたというので、早く稼いで次は僕の方で出せるようにしておきたい。


まずは王都の狩場なんかについて、リオールさんに相談しよう。そう思ってギルドへと急いだ。

そして僕は、そこで嬉しい人たちに出会った。


「あれ?アレス?」

リオールさんを見つけて、比較的すいている列だったためそのまま3人で並んでいたところに、そう聞きなれた声かけられる。


「ニックさん!」

「やっぱりアレスだ!」

僕の前までくるとそのまま抱き上げられた。


「あっ、ちょっと!ニックさん!恥ずかしい!」

ニックさんはその言葉で僕を慌てて下ろしてくれる。


「ははは。いっちょ前に照れやがって。王都にはいつ来たんだ?」

「昨日ついたところです。オークションを見たくて…」

「そうかそうか」

ニックさんが笑顔を見せている。そして僕も笑顔に、と思っていたら、後ろから抱きしめられ背中に柔らかいものが…これは…


「アレスくん!」

「レ、レイリアさん!」

柔らかさで分かる僕もなんだが、振り向くと今度はレイリアさんに抱きかかえられてしまう。やめてー!2人が見てるー!


「ちょっ、待って、待ってよレイリアさん!ほんと、恥ずかしいんですから!」

「ふふふ。いいじゃない。久しぶりなんだし」

頬を摺り寄せてくる。相変わらず柔らかくて良い匂いがする。


「ようアレス!逞しくなったように見えるが、まだまだだな。もっと飯を食え!」

「ザックさんも!お久しぶりです!できれば、もう下ろしてくれれば…」


ザックさんにも会う頃ができたが、本当に恥ずかしいので早く降ろしてほしい。そう思っていたらザックさんが「アレスにも男のプライドって奴があるんだ。降ろしてやれ」とありがたいお言葉。

それに対してレイリアさんが「もう!いいじゃない!」と言いつつも降ろしてくれた。そして目の前にはリーゼとクラウの冷たい目線が…


「あ!あの!紹介します!僕の、今のパーティ!大切な人です!」

「ひゃっ!」

「ふわっ!」

戸惑いすぎた僕の紹介に2人が変な声を出しうつむいている。


「ア、アレスとパーティを組んでます。クラウディアと言います。よろしくお願いいたします」

「リーゼロッテ、です。よろしくお願いします」

そんな緊張した挨拶の後、3人でクールビレの迷宮を踏破したり、ブロンズ級となったことを話した。


話の途中で「ここじゃなんだから」というニックさんの提案で談話室という部屋を借りる。10人程度が座れる部屋が金貨2枚で1時間借りられるようだ。ニックさんがさらりと金貨4枚を出してくれる。

中にはドリンクが出てくる魔道自販機があるので、好き放題飲んで良いらしい。ちなみに、それを魔法の袋に仕舞うと警報が鳴るようだ。どんなシステムになっているか気になってしまう。


目の前にはザックさんとニックさん。僕の両脇にはリーゼとクラウ。

僕はレイリアさんに抱きしめられて座ってる。もうやだ!恥ずかしい!それに対抗するように2人が腕にしがみついてくるのでもうどうしたら良いのか…


その後、話が進まないということで渋々ザックさんの横に移動するレイリアさん。

ザックさん達『風の旅団』は、Cランク・シルバー級から、無事念願のBランク・ゴールド級になることができたようだ。さらにAランクを目指して王都の中心地に位置する大迷宮に潜っているとか…


「えー!今回の目玉、噂の白魔石ってアレスくんたちの出品だったの!」

「マジかよ…」

「あの迷宮にいるとは話には聞いてたがな、白スライムなんて俺たち一度も見たことすらないぞ…やったなアレス!」


3人の驚き様に少し気分が高揚する。


その後、武具のお店や日用品の店、王都内の大迷宮や近くの遺跡、平原にあるという塔や魔の森についての情報をもらい、まだ見ぬ魔物に興奮していたりしていた。

リーゼとクラウもそれなりに打ち解けてくれたようだ。


宿については同じユルレイパレスに一人部屋をそれぞれが借りているらしいが、知り合った他のパーティとクランを作り、もしかしたらクランハウスに移るかもしれないと言っていた。


そんな話をしていると、2時間はあっという間に過ぎ時間もお昼時となった為、食堂に移動してお腹を満たした後、今日は休みだというザックさん達と別れ、大迷宮へと足を運んだ。


そして僕たちは冒険者ギルドの裏手にある広い通路から奥へ進む。

頑丈な扉に守られた閉鎖空間にある王都のユルレイヒル大迷宮の前に立ち、その巨大な岩に空いた大穴の前で身震いするほどの興奮をしていた。


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この世界の時間について

大体24時間程度で一日を繰り返す。季節により差もあるが微々たるもの。時計も一般的で金貨1枚程度から購入が可能。

上から右に一回りで一日をカウントし、上下左右には目印がついている。上から夜刻、始まり時などとも言う。右の印が朝刻、目覚めの時とも言う。早い人なら朝食を終わらせ活動開始している人も…下の印は昼刻、お昼時とも言うお昼ご飯に丁度良い時間帯だ。左の印は夕刻、静む時とも言う。そろそろ夕食を、という時間帯だ。


王都の大迷宮・ユルレイヒル大迷宮

王都の冒険者ギルドの裏手にある広い通路から奥へにある頑丈な扉に守られた閉鎖空間。まだ未攻略の為、魔物暴走(スタンピード)の可能性があるので万が一のためにその強固な壁に守られている。20mほどの巨大な岩に5mほどの大穴が開いており、その中の異空間から、上へと伸びている。現在の最高到達階層は、Sランク冒険者、剣聖・ウイルソンのパーティである『双剣の調べ』の86階層だと言う。

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