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[完結]侯爵家の三男だけど能力板には大盗賊って出ちゃいました。  作者: 安ころもっち
第三章 アレスの新たなる力

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27 段々と腹立ってきちゃたんだよ

「しっかしアレスくん強いのね!素手の攻撃えぐかったけど…実は武闘家?」

「盗賊ですよ?」

ローラさんが僕の返事に笑っている。


「あの3人はどうなるんですか?」

「とりあえず約束通り冒険者カードは剥奪。それと、治療費に多分金貨20枚づつ?絶対払えないから奴隷行きかな?暫くは静かになりそうよ」

チャンスとばかりに厄介払いをさせられた気分だ。


それにしても奴隷落ちがかかってるのに、金貨20枚程度も払えないなんて…


「それにしても、珍しくアレスがちょっと怒ってるように見えましたよ」

「そうそう!最後のはちょっとえぐかった。スッキリはしたけどねー」

そう言いながらも2人は笑顔だ。


「いやだって、考えてみたら一方的に絡まれて、気付けば3対1だったしさ、正面から突いた時に外殻も削れちゃって…段々と腹立ってきちゃたんだよ」

「ふふ。それはそうですよね」

「確かに!」


そんなことを話していたら、ローラさんが僕に近づき耳元で囁いた。


「ねえ、あれってかなり手加減した?」

「いや、まあ…そうですね」

ドキドキしながらもそう応えておく。


「ちょっと!ローラさんくっつきすぎです!」

「そうそう!ダメだよ!」

2人だローラさんを引っ張っている。そこまでムキにならなくても良いと思う。どうせ揶揄ってるだけだしね。


「ふふふ。愛されてるねアレスくん」

それには苦笑いするしかなかった。


その後、3人がギルドにやってきた衛兵に連行されていった。やはり治療費が払えず犯罪奴隷となるようだ。


暫くして素材の査定が終わり、カウンターの上にはワイバーンのお肉を80cm角ぐらいの塊でひとつドカンと置かれた。その他、中サイズの魔石を念のためいくつか残したにも関わらず、買取価格は全部で金貨90枚となった。


もちろん3等分で分けておく。


「そしてアレスくんには追加で90枚っと」

「追加ってなんのですか?」

「決闘であの三馬鹿は全財産置いてけって言ってたでしょ?だから対価として徴収しようとしたんだけど…これだけしか持ってなかったわ!」

「えっ?ってことは、本当は治療費はあったのに全部没収されたのが原因で奴隷落ちしたのでは?」

「まあそうなるわね」

良い笑顔でそう答えるローラさんを見て、やっぱりギルドに乗せられたんだと感じた。まあ思いがけない大金も舞い込んできたし…魔法のバッグ買っちゃおうかな?


そう思うと自然と頬も緩む。


「ねえ、アレスくんって強かったんだね」

「負けるとは思ってなかったけど、カッコ良かったよ!」

急に僕に近づいてきたたまに見かけた女性冒険者2人に、そう言われ手を握られ戸惑う。


「今度私たちと一緒に迷宮いかない?」

「森の奥でもいいよ?お姉さんたちと深いとこ行っちゃわない?」

「うわっ、ちょっと、待ってください」

戸惑いもあるが嬉しくもある。


今まではステータスが可哀そうだけど頑張ってるやつという評価だったようだけど、決闘で見直されたようではあるが、急にグイグイこられても反応に困ってしまう。何より僕には2人が…


「ちょっと!アレスが困ってる!」

「そうです。離れてもらえませんか?」

そのリーゼとクラウが僕の前に立ちお姉さんの手を引きはがしていた。


「あらあら。アレスくんはやっぱりその2人とできちゃってたの?」

「ち、違います!」

クラウが真っ赤になって否定している。


「ざーんねん。でも、たまには羽目を外して遊びまくるのも良いものよ?」

「そうそう。強い男は女を侍らして押し倒すものよ?」

「アレス!もう行こう!」

そう言ってクラウが、すでに許容範囲を超えて思考停止してしまったリーゼと、僕の手をつかんでギルドから連れ出された。


ブツブツと文句を言いながら歩くクラウに手を引かれ、魔法のバックを目当てに辿り着いたいつもの武器屋。だが結局バッグは王都に行ってからという事になった。

なんせ魔法のバッグを買うともなれば、通常は対物と対魔の付与されたローブなどの裏に装着したり、それらが付与されたタイプのお高目なものを買う必要があったからである。

中古でも対物・対魔付きのも1つあったが、それでも金貨100枚と少しと言うので、王都に行く前に手持ちが寂しいのは心配だった。


その分を対物・対魔の下着の上に付けるインナーを上下2セットを金貨80枚で購入した。上下セットで40枚というそれを、リーゼたちが羨ましそうにしてたので、2人へのプレゼントとして購入した。


驚く二人に「僕はいざとなれば岩の盾があるからね」と伝えると、納得はしてくれたようで喜んでくれた。そしてその後、心なしかボディータッチが増えた気がする。好感度が上がったようだ。

余った分で当日の朝は3人分の食料を、と思ったがそれは2人に止められ、いつもの様に3等分で買うことが決まった。


そして2人と別れ宿屋に戻ると、お湯を貰って体を拭いて、明日に備えて早めの夕食を済ませ寝てしまった。


翌日、2人には休みと伝えていたけれど、結局迷宮前で遭遇。

11階層以降で小銭を稼いておくのだとか。


検証も兼ねて僕は13階層で、クラウとリーゼは11階層で軽めに狩ることを決め転移の召喚陣から休憩ポイントへ出発した。


久々のソロでの狩りを黙々とこなす。

[突く]や[カマイタチ]で軽々と倒しつつ、階段まで戻って魔力を回復させるため休憩を挟む。2つほどスキル玉が出たのでつんしておいた。そして脳内アナウンスにより3つのスキル玉と、1つの能力玉の獲得を知る。

やはり離れていても大盗賊の力は効果があるようだ。


また、[竜巻]については放った後にある程度操作できるため、一定のダメージを与えるまでは複数に対して追尾させたりして、かなり便利なスキルではあった。魔力消費が10なので連発はできないのが残念だ。


そして夜には合流して一緒にリーゼの食堂にお呼ばれ。夕食として昨日はばたついたため食べれなかったワイバーン肉を提供し、居合わせた人にも振舞うと宴が始まってしまった。

ローラさんやニーナさん、サーシャさんまで来てさらに盛り上がっていたが、2人は僕に抱き着くローラさんを引きはがすのが大変そうだった。いやーモテる男はつらいなーなんちゃって。


こうして、クールビレの最後の夜が終わった。


結局、リーゼの実家の宿屋の一室で目覚めた僕は、食堂で朝食を頂き、2人とも合流。遂に乗合馬車により王都まで向かうことになった。


――――――

アレス クラス:大盗賊 Lv44

体力140 魔力180 外殻120

力37 硬15 速10 魔21

――――――

Up [睨む/Lv4+1/恐怖を与える威圧の瞳]

Up [毒耐性/Lv4+1/毒に対し一定の耐性]

Up [毒棘/Lv4/毒棘を飛ばす]

――――――


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対物・対魔インナー(軽)

上下セットで40枚の軽い対物・対魔が付与されたインナー。上は長袖、下も足首まで覆うタイプで伸縮性のある素材でできている。サイズは大中小と一般的なサイズで売っているが、その以外のサイズならオーダーになるだろう。装備の下、下着の上に着ることで、剣や攻撃魔法をある程度軽減する。剣先なども軽くであれば刺さらない程度のもの。打撃にはあまり効果なし。

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