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[完結]侯爵家の三男だけど能力板には大盗賊って出ちゃいました。  作者: 安ころもっち
第二章 アレスと新たなパーティ

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19 行けるとこまで行くってことで

翌朝、2人に揺り起こされ目を覚ます。


体が固まっているので伸びをしてほぐしながら、魔法の袋から朝食を取り出す。朝食もサンドイッチだ。一応、魔法の袋の中は時間経過は緩やかだけど、1日経っているからすでにパサパサだ。

それでも干し肉などの携帯食よりはましだ。何日も泊まり込んでいる冒険者たちは凄いなと改めて思う。


「今日も行けるとこまで行くってことで良いよね?」

「そうですね。今日は行けるところまで行って、夕方になったら一旦帰りませんか?」

リーゼもクラウもうなずくが、クラウからはそう提案があった。


「一気にボスまで行かないの?」

リーゼが眠そうに眼を擦りながらクラウに確認している。


「素材もそれなりに貯まりましたし、私の杖やリーゼの剣も買い替えたいと思いまして、どうでしょうか?」

「そう言えばそうだね」

「なーるほど」


思えば昨日短剣を購入しただけだったので、2人の装備は弱いままだ。それにかなりの効率でオーガなんかを倒していたから、前回より確実に素材がある。帰還札を使ったとしてもおつりがくるだろう。


「じゃあ、今日は限界まで狩ったら帰還札使っちゃおうか」

「そうですね。そうしましょう」

これで今日の予定も決まった。


少し休憩してお腹を休めてから階段を上る。これで16階層だ。


16階層からは岩場のエリアで若干暑い。

所々に小山ができて岩から枯れ木のような葉の少ない木が突き出ている。


出現するのは岩蜥蜴、岩猿、闇カラス。

後は何か所かにハイゴブリンをトップとした集落があるらしい。


ギルドからの地図には17階層と19階層にあるようだ。


17階層の階段を目指し足を進めると、遠目で見える枯れ木の上に黒い物体が…闇カラスかな?結構数が多い。


「うーんと、木の影に蜥蜴もいるかも」

リーゼの言葉に緊張する僕とクラウ。カラスなら[カマイタチ]で何とかなるかな?蜥蜴は…固そうだけど、リーゼがなんとかしてくれるだろう。


「警戒しながら行こう!」

僕の言葉に2人がうなずき、なるべく音を立てないように近づくが、すぐに闇カラスの1羽が木から飛び立ち、僕らに一直線で飛んできた。


思ったより早いなと思いながら、それは飛び出したリーゼに切り伏せられた。羽毛も使えるようなので魔法の袋にそのまま押し込める。


「来たよ!」

リーゼの声でさっきの枯れ木を見ると、闇カラスたちが一斉に飛び立ってきた。


向かってくる闇カラス、僕が[カマイタチ]を、クラウが[風牙]を放っていた。

朝一だから数発飛ばす。闇カラスのスキルなのか[カマイタチ]が当たったはずなのにするりとすり抜け、その闇カラスが消えるとすぐ隣にまた出現した。それでも打ち漏らした分はリーゼが何とか切り伏せている。


狩り終わり一息つく。


「あのスキルは何なんでしょう。幻影のような…あっ!アレスはスキル玉、出ましたか?」

「そうだよ!出た?出たよね?」

興奮した2人に急かされ見渡すと、能力玉がひとつ浮かんでいるのが見えた。


「能力玉が一つ出た」

「本当ですか!何が出たのか、やはり『速』でしょうか?」

「スキルじゃないんだ」


僕も緊張しながらいつものようにつんしてみる。


―――能力値『魔』を奪いました。


「やった!『魔』だった!」

喜びの声をあげながら2人にも見えるように能力板(スキルボード)を出して確認する。


――――――

アレス クラス:大盗賊 Lv37

体力40 魔力80(32) 外殻30

力27 硬4 速9 魔9

――――――


「魔力…倍になってますね」

「ほんとだ!すっご!」

これは嬉しい。そうか、魔力は『魔』に依存して、体力と外殻は『硬』に依存するのだと聞いたことがある。


「それでもクラウどころかリーゼにも負けてるけどね」

「そうですけど…これからどんどん強くなるのは決定事項ですよね。羨ましいです」

「うんうん。羨ましい」


以前魔力の話になって、クラウは800、リーゼでさえ100を超えていると言っていた。僕はやっと80だ。でもこれで1時間で16回復するようになった。嬉しい限りだ。ぜひ闇カラスを狩りつくそうと思う。


少し興奮気味の3人であったが、気を取り直して先ほど闇カラスが止まっていた枯れ木まで進む。岩蜥蜴は2匹、こちらにはまだ気づいていないようで目を瞑り動いていない。


「また新しいのだね」

「そうですね。じゃあここはリーゼに先行してもらって、後からアレスが止めをということで良いでしょうか?」

「そうだね。ちょっと固そうだから、リーゼ、様子見よろしくね」

「はーい」

リーゼが軽く手を上げて剣を構え走り出す。


「よいしょっと!」

掛け声と共に蜥蜴の尻尾を一刀両断。なんだかいつも以上の斬撃に見えるのだけど…


尻尾を絶たれた岩蜥蜴がのたうち回っている。

僕もその個体に[疾風]からの短刀で首筋に一撃。


予想はしていたけど岩のように固い表皮に、短剣が入って行かなかった。仕方なく鉄槍に持ち替え首筋を[突く]とあっけなく突き刺さり、湧き出るスキル玉を確認できた。

その間に、もう1匹の首をリーゼがまたバスンと叩き切っていた。


「固すぎでしょ。[カマイタチ]なら狩れるかな?」

「どうだろね。私も固いだろうなって思って[斬]使っちゃった」

「えっ?[斬]って剣術スキル?」

いつの間にか覚えていたらしい、新たなスキルについてリーゼに確認する。


「うん。昨日覚えたんだけど、そう言えば言ってないよね」

「そうなんだ。どんな感じ?」

「うーん、斬るのに力を入れなくて良いから楽?魔力は10消費されたから、今は連発は無理かな?」

「そうなんだ」


そんな笑顔のリーゼと話をしていると、背中をトントンとつつかれる。

背後にクラウが少しむくれている。


「ねえ。岩蜥蜴からは何か出てないのかな?」

少し語尾が強い。


「あっ忘れてた。スキル玉みたいだよ」

そう言いながら岩蜥蜴の亡骸の上に浮かぶ玉をつんする。


―――スキル[物理耐性]がレベルアップしました。


「あっ[物理耐性]か。丁度レベルが上がってLv3になったよ」

「それってスライムと同じ?」

「そうみたいだね。でも3でどれぐらいの効果があるのか、よく分からないんだよね。今でもたまに自爆ダメージで外殻けずれるし…」


もっと上げていけば物理無効みたいにならないだろうか?


「じゃああまり優先しなくても良いかもしれないですね」

クラウが残念そうに言うが、僕もそう思っている。


「そうだね。今すぐ上げなきゃってこともなさそうだし、今は先に他のを優先かな?やっぱり闇カラスとかいっぱい狩っときたい」

「そうですよね」

やはり優先すべきは魔力だ。


「じゃあ、適度にばらして収納しちゃおうか。一応皮と肉も素材になるんだよね。固そうだけど短刀で切れるかな?」

「固そうですよね。大変ですが、解体よろしくお願いします」

「おねがいしまーす」


また汗だくになるのを覚悟しつつ短刀を這わせると、意外とすんなり短刀が入ってゆく。やはり魔力が抜けると柔らかくなる様で安堵する。

さて、残りは岩猿か…


それなりの量の素材を確保し、また17階層を目指して歩き始める3人だった。


------------------------------------------------------------


――――――

リーゼロッテ クラス:剣士 Lv28

体力280 魔力140 外殻560

力92 硬37 速55 魔18

スキル [剣術/Lv2][物理耐性/Lv1][斬/Lv1]

――――――

New [剣術/Lv2/剣の扱いがうまくなる]

New [物理耐性/Lv1/殴られてもへこたれない]

New [斬/Lv1/一刀両断の斬撃]

――――――

[斬]消費魔力は10。


――――――

クラウディア クラス:魔法使い Lv26

体力260 魔力910 外殻260

力35 硬17 速52 魔122

スキル [火炎/Lv2][風牙/Lv1][魔力防壁/Lv1]

――――――

New [火炎/Lv2/炎の矢を飛ばす]

New [風牙[/Lv1/風の刃を飛ばす]

New [魔力防壁/Lv1/魔法攻撃に対する耐性を上げる]

――――――

[火炎][風牙]共に消費魔力は5。


※2人の外殻の計算式はアレスとは違います。というよりアレスは外殻が極端に少なくなるようで、2人の方が一般的な外殻となります。

現時点だとオーガなどの攻撃が直撃すると300とかの平気で削れます。が、アレスは物理耐性持ちなのでそれほど削れませんが、実はオーガなどの攻撃力の高い魔物に直撃を受けると死にかけます。なのでアレスについては現時点では回避が最重要です。

以上、補足でした。

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