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[完結]侯爵家の三男だけど能力板には大盗賊って出ちゃいました。  作者: 安ころもっち
第二章 アレスと新たなパーティ

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13 レベルアップしたから、ついね

「そろそろ魔石ぐらいは集めてもよさそうかな?」

「どうでしょうか?」

「そろそろいいかも」


5階層までは魔石をいくつか拾ったものの、やはり屑魔石であったので結局捨ててきた。ほとんど金にならないが開化の儀の前の子供でも狩れるので、子供のお小遣い稼ぎになっているのが現状の様だ。

集めて貧困層では燃料にしていると聞いていた。


ここからは急に強くなるとは聞いていたので、少し気を引き締めて3人で狩ることを決めた。


5階層からは基本的に森が点在するエリアが続く。

地図を頼りに先へと進む。


基本的には森の切れた草地部分を進み、風巻栗鼠(かぜまきねずみ)、迷宮ウルフと戦う。風巻栗鼠(かぜまきねずみ)は膝ぐらいの大きさの茶色い鼠だが、草原の岩の影などからいきなり飛び出してくる。

どうやら岩の影に穴を掘って巣を作るようだ。


最初の遭遇の時には、3匹がいきなり飛び出してきてびっくりしている間に、風の刃のような攻撃を放ってくるのでもろに喰らってしまった。


それでも傷に耐えつつ[疾風]を使いながら剣で切り付けたが、力が足りず少し傷を付ける程度であった。

直前に先行したリーゼがあまり苦労しない感じで倒していたので、恥ずかしくなった僕は、すぐに鉄槍を取り出し[突く]で倒していた。


そして青っぽい能力玉が出現した。


―――能力値『速』を奪いました。


きたっ!思わず叫びそうになった。

すぐに確認して速が8に上がっていたので、これも率先して狩ろうと拳に力を籠めた。


迷宮ウルフの方は群れを作り連携攻撃を繰り出すので、かなり大変ではあったが、クラウを守りながら2人で1匹ずつ倒していった。

僕も5匹ほど[突く]で倒したが、最初の1匹ではスキル玉が出ず、5匹目で[疾風]のスキル玉が出たので、森ウルフと同じ種類ということになるのかもしれない。体毛は少し茶色っぽい毛並みに見えるんだけどね。

肉と魔石を丁寧に解体して取り出しておく。


基本草地を歩いて進んでいたが時折森を突っ切った方が良い場所もあり、そんな場合は斑蜘蛛と戦うはめになるが、精神的にちょっとキツイのであまり戦いたくはない。それに毒持ちだし…


木の低い場所に巣を作る斑蜘蛛。大きさは1mぐらい?正直見るのもキツイ…多眼は怖いよね。それでも警戒しつつ進んではクラウが[風牙]で倒してゆく。リーゼもどちらかと言うと近づきたくないようだ。

それでも何匹かは倒さなきゃと、クラウが撃ち漏らした個体や、まだ息のある個体を[疾風]からの[突く]で一気に倒す。体液が飛び散りそのまま気絶するかと思った。


そして出現するスキル玉。


―――スキル[毒耐性]を覚えました。


予想はしていた。

正直もういいかな?と思っていたが、もう一つぐらいならあげといても良いかな?と思う。どうせ10階層までそれなりに狩らなくてはならないのだから。そう思い体に着いた体液を魔法の袋から取り出した布でふき取る。

後で川かなんかがあれば洗おうかな?と思ったが、そう言った地形は11階層までは無いようだ。地図をペラペラと捲りながらため息をつく。


そんな多少の苦労もありつつも順調に進んだ僕たちだが、7階層で僕が止めを刺した風巻栗鼠(かぜまきねずみ)から、スキル玉が出たので戸惑った。


風巻栗鼠(かぜまきねずみ)は速の能力玉ではないの?そう思ったが、どう見てもそれはスキル玉らしく透き通っている。

少し緊張しつつもつんしてみる。


―――スキル[カマイタチ]を覚えました。


遠距離攻撃来た!ついにガッツポースが出てしまった。


「どしたの?」

リーゼの言葉に慌てて手を引っ込める。


「いや、レベルアップしたから、ついね」

「そうなんだ。いくつ?」

取り繕うように言った言い訳に合わせ、「33」と実は少し前に上がったレベルを答えておいた。


「わお」

「おめでとうございます。やっぱり私たちより高いんですね」

リーゼが驚き、クラウは手を叩いて祝ってくれているようだ。


能力板(スキルボード)を出して確認すると、しっかりと[カマイタチ/Lv1]となっていた。後でこっそり使ってみようかな?まだ自分の能力のことを伝える勇気は出なかった。


それでも順調に先へ進んでゆく。


次の8階層では、中央には大きな森。その真ん中には広間があるようなので、そこを突き切る形で進むことになった。必然的に斑蜘蛛が多数生息する場所を通ることになる。


頑張れクラウ。

おこぼれを何度か狩っておく。


風巻栗鼠(かぜまきねずみ)にも何度か遭遇するが、中々混戦になって大変だった。魔力の消費がやばいかもしれない。

なんとか中央まで抜けることができたので、ここで遅い昼食を取り1~2時間程休もうという話になった。クラウも魔力が厳しいようだった。

僕は22(40)と半分以上はあるが、僕の場合は囲まれたら終わりってところもある。2時間休めば12回復するので後半戦も大丈夫だろう。


食事を終え腹ごなしを終わった。

8階層の後半戦のスタートだ。


森エリアに近づくと斑蜘蛛がうじゃうじゃいる。


「手薄なところを探さない?」

「僕もその方が良いと思う」

「私も賛成ですね。私も魔力がそこまで回復はしていないので…」


手分けして左右を確認し、リーゼが「ここはどう?」と少し蜘蛛が少なく見える部分を探し出したので、3人でそこにすることを決めた。

早速クラウに頑張ってもらおう。


クラウが[風牙]で斑蜘蛛を蹴散らし、僕が顔を曇らせつつも魔石を抜き取る。リーゼは本当に苦手なようで謝りながらも僕に任せていた。クラウにはその間は休んでもらおう。

本当は毒袋も採取すると少しお金になるが、採取用の手袋がないと毒が回ることもあるので今回は諦めている。本当は[毒耐性]があるから大丈夫っぽいけどね。


それは内緒だし。


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モレノの迷宮/5~10階層

森と草原のエリア。エリアごとに木々に特徴がある、


風巻栗鼠(かぜまきねずみ)

膝ぐらいの大きさの茶色い鼠だが、岩や木の陰などに穴掘って巣を作りいきなり飛び出してくる。風の刃[カマイタチ]を放ってくるので要注意。素材は魔石のみ。

固有スキルは[カマイタチ]。消費魔力は未確認。


迷宮ウルフ

見た目森ウルフと変わらないが、毛並みは少し茶色っぽい。群れで統率した攻撃を繰り出す。

固有スキルは森ウルフ同様に[疾風]。というか同種扱いで初回ボーナスは無し。消費魔力は2。素材は少量の肉と魔石。


斑蜘蛛

木の低い位置に巣を張り、噛みつかれると毒に…1mほどの大きさで見た目がグロい。

固有スキルは[毒耐性]。消費魔力は無しのパッシブスキル。素材は魔石と毒袋だが毒袋は採取用の手袋がないと毒が回ることもあり危険を伴う。

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