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[完結]侯爵家の三男だけど能力板には大盗賊って出ちゃいました。  作者: 安ころもっち
第二章 アレスと新たなパーティ

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12 才能、かな?

迷宮を目指して3人でのんびり歩く。


僕は昨日の夜の事を考えていた。

昨日は宿に戻ると、かなり苦労して計算しながら票をまとめた。

そしてこのまま何も無ければ、Lv34で力に違いが出るはずだということがやっとわかった。あの能力玉が直接+4されるなら16のまま。基礎値に+1なら17になる。

2人との迷宮も楽しみであったが、この結果が出る事も楽しみ過ぎて昨日はあまり寝られず、朝もまだ暗い内に目が覚めてしまい眠気と戦うことになった。


仕方なくギルドでの待ち合わせ中にギルド内の売店で、ニックさんが愛用していた眠気ざましの丸薬を購入した。銀貨1枚で目がぱっちりというにっがい奴だ。

それを口に含んで百面相をしていたら、丁度やってきたリーゼに笑われ、クラウにもこっそりだが笑ってしまった。


そんなことを思い出している間に、何時もの森の手前に到着する。そして目の前には迷宮の入り口が見えた。


「モレノの迷宮とか、モレノの森とか…モレノって何なのでしょうか?」

「神様?」

「どうだろ」

僕もリーゼもクラウの問いには答えられない。


大きく口を開けている迷宮の入り口を抜けると一瞬だが何とも言えない不快な感覚を感じる。


「うわっ!」

「なにこれ!」

初体験の2人は声をあげ戸惑っていた。


「迷宮に入るとそうなるんだよ。この中は異世界みたいなものなのかもね」

「アレスは入ったことあったの?」

「うん。前に別のパーティとね」

「ほへー」

リーゼのその目は尊敬の眼差しって事でいいんだよね?


迷宮の中はまずは広い空間があり、そこにはいくつかのパーティが休憩や立ち話をしているようだった。


「あそこから進めばいいの?」

「そうだね」

広場の奥にある5m四方ぐらいの横穴を指差すリーゼにそうだと答えておく。


「じゃあ行こうよ!」

うずうずしている様子のリーゼ。


僕はクラウを見ると、うなずいてくれたので「そうだね」と言ってその横穴へ向かって歩き出した。


「暫くは真っすぐだよ」

「アレス、それって地図?」

「うん。ギルドで売ってるよ」

僕はギルドで銀貨5枚で購入できる地図の束をクラウに見せた。そして値段を聞かれ私たちの分も払うと言われたが、それは大丈夫と言っておいた。


「僕1人では迷宮探索は無理だからね。2人がいるからここに来れた。それだけで本当に助かるんだよ?」

「そうなの?まあそう言うことにしておきますね」

あまり納得していないようだが了承したクラウ。


「この、レンガのような茶色い壁の迷路は5階層まで続くよ。所々に魔物だまりって魔物の集まる場所があるから警戒はしていてね」

そう言いながらギルドから購入した地図を頼りに移動する。


ここで出現するのはゴブリン、スライム、オーク、コボルトの4種類。オーク以外は初なので、初回特典に何が出るか楽しみでもある。


まずはゴブリン3匹と遭遇した。

手には粗末なナイフを持った緑色の小鬼。意外と臭くはないがまだ距離が離れているからだろう。まだ始まったばかりという事でクラウには[火炎]を一発だけはなってもらうと、3匹まとめて倒してしまった。


「なんだか拍子抜けだね」

攻撃した本人もびっくりの様子だった。


「まあ1階層だから…次は2人で行こうか?」

「そうだね!私も早く戦いたい!」

リーゼがぶんぶん両手を振っている。


次はスライムが壁にへばりついているのが見えた。単体か?僕が行こうと思ったが、リーゼが行きたそうにしてたので譲った。剣で見えている魔石をパンと払うと簡単に溶けるように地面に落ち、消えて行った。


これは、僕にも行けるのでは?そう思って剣を出しておく。

早速次のスライムを発見して[疾風]からのバシーンって…


「痛たた…」

スライムは狩れたが同時に壁も一緒に殴った為、痛みで剣を落としてしまう。まさかの外殻全損。勢いつけ過ぎた。


「大丈夫?」

リーゼが剣を拾って心配してくれている。クラウは…背中を向けていても肩が揺れてるけど?


それでも目の前に浮かぶスキル玉を見てニンマリしてしまった。

剣を受け取りつつ壁際に落ちたスライムの魔石を拾い、そしてスキル玉を見る。リーゼは何も気にしていないように僕を見ていたので、どうやらスキル玉は他の人には見え無いようだ。


安心してつんする。


―――スキル[物理耐性]を覚えました。


思わずガッツポーズしそうになった。

確認すると能力値には特に影響を与えないようだった。


[物理耐性]を使おうと念じてみるが、魔力は減っていない。という事は常時耐性が上がっているパッシブスキルの様だと考えた。


「ねえ、あまり手ごたえ無いからどんどん進んでいかない?」

「そうですね。私も魔法使うの勿体ないです」

「僕もそう思うけど…じゃあ、最短の道を行きながら、後は手ごたえが出るまで僕が全部狩ってても良い?」

そんなちょっと不思議な提案をした僕に、2人は首をかしげながらも了承してくれた。スキル玉を集めるチャンスだからね。でも2人が休みたい日にはソロで篭ってもいいかな?


結局、5階層まではサクサク進んだ。


スライムも含め[疾風]すら使うことも無く狩りが出来ていた。


スライムからは追加で2つもスキル玉が出てLv2+1になった。もう一つ取ってLv3にしておきたかったけどまたの機会だ。

オークは森のよりかなり弱く、スキルなしで倒せたので少しびっくり。それなりに倒したが何も出なかった。森のオークと同じ種類という扱いなのだろう。にしてもいくつか出てもいいのになと思った。


ゴブリンからは[臭気耐性]が4つ出てLv3に。パッシブで匂いに強くなった。ゴブリンの嗅いでも臭く無ーい。無駄スキルかもしれない。

コボルトからは[剣術]が2つ出たのでLv2になっている。コボルト積極的に狩りたい。[疾風]を使ってもスライムを魔石だけパーンができるようになった。正直Lv2になっただけで段違いに剣を扱いやすい。


その動きにリーゼが「なんかだめっちゃ剣の扱いうまくなってない?」と不思議がっていた。「才能、かな?」と返したら「へー」と軽く返された。

そして6階への階段を上がってゆく。


――――――

アレス クラス:大盗賊 Lv32

体力40 魔力32(40) 外殻30

力16 硬4 速4 魔4

スキル [突く/Lv4][疾風/Lv3][物理耐性/Lv2+1][臭気耐性/Lv3][剣術/Lv2]

――――――

New [物理耐性/Lv2+1/殴られてもへこたれない]

New [臭気耐性/Lv3/もう匂わない]

New [剣術/Lv2/剣の扱いがうまくなる]


------------------------------------------------------------

モレノの迷宮/1~5階層

レンガのような茶色い壁の迷路が続く。道幅は広く所々魔物だまりがある。


ゴブリン

手には粗末なナイフを持った緑色の小鬼。意外と臭くはないがそれなりには臭い。そして弱いが集団になると恐れを抱かず突っ込んでくるのでちょっと怖い。

固有スキルは[臭気耐性]。消費魔力は無しのパッシブスキル。


スライム

壁にへばりついている半透明で小さな魔石を叩くと溶ける。時折触手のように体を伸ばしてくるので注意が必要。それに当たると捕食されているようでひりひりする。

固有スキルは[物理耐性]。消費魔力は無しのパッシブスキル。


コボルト

犬顔で2足歩行の魔物。ゴブリンと動揺、朽ちかけたナイフを持っているがナイフの扱いはうまいので注意。

固有スキルは[剣術]。消費魔力は無しのパッシブスキル。

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