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徒然ラーメン談  作者: 芥見 塵
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あるラーメン屋での出来事

あるラーメン屋での出来事


これはラーメン屋での出来事だ。

私が食券を渡し、注文を終えた後、しばらくして向かいの席に客が座った。

私が座った席は、顔の辺りに仕切りがされていて顔は見えないものの手元は見える形になっていた。

私が注文したラーメン等が運ばれてきて少し後、向かいの席にもラーメンが運ばれて来た。

スープの色味から醤油ラーメンを注文したのかと想像出来た。

私がラーメンに箸を伸ばし食べようとした所で向かいの席の客が仕切り下の調味料に手を掛けた。

始めに薄茶色の破片が入った小瓶を手に取りラーメンに振りかける。恐らくニンニクチップだと思う。

「少しパンチを効かしたいのかしら」と思いながら私は見ていた。

それで終わりかと思っていると次に塩コショウの瓶を取り勢いよく、一振り、二振りとその客はラーメンに振りかけた。

「ラーメンに塩コショウか、よくコンビニとかでも付いてくるもんな。普通、普通......」と自分に言い聞かせ見ていた。

これでようやく食べだすのかと観察していると最後にその横にある黒い液体の入った瓶に手を掛け、「いーち、にーい」とぐるりとラーメンに回しかけた。私はその光景を驚愕しながら眺めた。それから、そのラーメンを掻き混ぜた後、再度「さーん」と大きく一周黒い液体を掛けてそのラーメンを啜り始める。定期的にスープを飲むのも忘れずに。そして、完食、スープを完飲したのだった。

私は、再度、驚愕しその光景を今度は凝視しながら心の中で「えっ」を連発した。

衝撃映像を見終えてから、我に返って少し考えた。実は黒い液体は黒酢なのではないかと。

世には酸辣湯麵と言う食べ物がある。酸味と辛味の効いたラーメンだ。向かいの客は、即席の酸辣湯麵を作ったのだ。そう考えた私は、直ぐに目の前にある黒い液体の入った瓶を取り少し垂らし小指を使い舐めた。……醬油だった。

衝撃があまりに大きかったのか、食券式だったにもかかわらず「勘定はどうすればよいか」と聞いてしまった。恥ずかしかった。

これは私がラーメン屋で衝撃を受けた出来事だ。


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