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第47話 因果応報、なんじゃないかい?

<さて、じゃあ旦那さまのお友達に伝えるべきことはここまでで大体伝えられたかな。それじゃ、これからがんばった旦那さまへのご褒美にウチらは夫婦の幸せな営みをするから。それじゃあ、ばいばーい♡>



 ボンテージ女がそう言い放った後、動画は一時真っ暗になり、すぐに別の画面から再開した。


「......あれ、まだ終わってない?」



 映像の角度はさっきまでと変わらないままだけど、そこに写ってる女の姿はさっきまでとは違っていて。


 黒のSMっぽいボンテージの装いはなく、バスタオルで身体をくるんでる。

 露出度合いで言えばさっきまでの方が激しかったくらい。


 だけど、艶やかさで言えば、さっきまでよりも女の色気が漏れ出てるような気がする姿。


 お為ごかしはやめよう。タオルから出た太もも部分には白い液体が垂れていて、画面の奥の方で眠ってる知火牙(ちかげ)は色々絞り出した後って感じで安らかな寝息を立てている。

 子作りしたのだろうことは明白。


 他の3人はまだ泡を吹いて倒れたまま。

 知火牙が奪われた証拠映像を繰り返し見せつけられてボクも限界が近い。


 けど、いつもいつもハーレムとかいうわけわかんない関係を楯にしてボク以外の女との睦み合いは見せられてきた。

 だから、今更他の女との情事を見せつけられたからって、発狂するほどじゃない。


 精々、目から血が出そうになるほど悔しくて、手のひらも血まみれになるほど握りしめてしまうくらいなだけ。

 こんなの、知火牙のハジメテが奪われてたって知ったときに比べたらまだまだだ。


 けど、動画はさっきの話で十分に落ちただろうに、なんでまだ続いてる......?

 桃郷凛夏(もものさとりんか)はこの期に及んで、一体何を伝えてくる?


<さて、旦那さまは疲れて眠ってしまったようだ。ちょうどいいし、このあたりで最後に君たちにウチから一言伝えておこうか。旦那さまに聞かれると面倒だしね>



 さっきまでは知火牙が起きていて、動画を見るはずのボクたちは『お友達』っていうテイだったから。

 きっと桃郷凛夏は、記憶を失ってる今の知火牙に、『ハーレムメンバー』がいたもしくは『桃郷凛夏以外の彼女がいた』って事実を隠したいんじゃないかな。

 だから知火牙が眠った状態で、『ボクたち』宛に、本音のメッセージを残して終わるつもりか。


 ボクのその推察通り、桃郷凛夏は白い液体が付着した太ももを画面に近づけて小さめの音声で、ボクたちを煽るように続ける。


<ほら、ここを見ればわかるだろう? ウチら夫婦はこんな感じで毎日愛し合ってるんだ。ウチが1回堕胎したくらいじゃ、旦那さまは種付けを辞めてはくれないらしい。ま、求めてくれてるんだからウチは嬉しいんだけどね。ともかくウチらは今、とても幸せなんだ。絶対に邪魔しないでおくれよ?>



 はんっ、そんなことを言い残すためにわざわざ後付けの動画を撮ったのか?

 意味ないし性格悪いね、まったく。


 こんな性格の悪い女、知火牙には絶対相応しくない。

 ボクの方が全然相応しいよ。桃郷凛夏、知火牙にお前は釣り合わない。


<あぁ、そうだ。君たちは、もしかしたら、どうして自分が旦那さまのお嫁さんじゃないのかって、ウチが旦那さまを奪ったのが悪いんだって悔しく思ってるかもしれないけど、それは違うよ>



 は? 何こいつ。責任逃れをしたいっていうのか?

 わざわざこんなこと言ってきて、ボクたちが知火牙の捜索を諦めるとでも思ってる?


<もちろん、ちかちゃんに一番相応しいのはウチだし、キミたちよりも正しい関係に収まった。けどそれ以上に、キミたちは間違ったんだ。ウチのせいじゃあ、断じてない>



 何いってんだよ。全部全部。全部全部全部全部全部お前のせいじゃないか。

 ボクが知火牙の初体験をもらえなかったのも、ハーレムなんて馬鹿げたものを作ることになってるのも。


 責任を他人になすりつけるなよ。


<すべてはハーレムなんて馬鹿げたお遊びでぬるま湯に満足して足掻かなかったキミたちの自業自得ってもんだ。旦那さまを失ったことは悔しいかい? けど、他の女とシェアできちゃう程度にしか好きじゃない男なら、ウチがもらっちゃっても、問題ないと思うんだ。ウチから幸せを奪い取ったくせにその体たらく。あはは。これこそが、因果応報ってやつだとは思わないかい? うん。ウチにとってはまさに臥薪嘗胆って感じの数年間だったからね。今の幸せは、さしずめウチ自身の努力の成果って感じかな?>



 ............ハーレムも含めて全部お前のせいだろ。


<ま、そういうことだから、恨むんならウチじゃなくて、キミたち自身を恨んで、コロしあってくれたらいいと思うよ。それじゃあ、さようなら。永遠にね>








 そこで動画は終わっていた。

 同時に、PCの前にいた4人も、オワっていた。


 4人中3人は泡を吹いて倒れてて、最後まで意識を保っていた衣莉守(いりす)も脱力して呆然としている。


 いくら衣莉守が「折れない」と誓ってはいても、多大なショックを受けたことに変わりはない。

 衣莉守とて、知火牙の唯一の嫁になることを目標にこれまで努力を続けてきたわけだ。


 藍朱を沈めた指輪の話も含めて、知火牙と桃郷凛夏の婚姻の事実が与えたダメージは大きかった。


 なんなら初体験を奪われたこと以上のダメージ。

 恋人であるくらいならいくらでも破局させられる。だけど婚姻は国が認めた契約。破棄することは容易ではない。

 特に桃郷凛夏はおそらくこの街で入籍したと思われる。


 他の街に比べて、この街での婚姻契約は軽くない。命をかけた契約をするが故に、解消に至ることはほとんどない。

 ある意味取り返しのつかない状況だからこその大ダメージだった。


 それでも、動画が進む中でわずかに冷静さを取り戻し、大きな心労を抱える程度の状態で済んでいる。

 それ故の『呆然としている』状態だ。



 それから20分ほど泡吹き3人娘を放置してから..................。














「おらぁ! みんないつまで寝てんだ! さっさとそのメス臭い身体を洗い流して知火牙を取り返しに行くぞ!!!!!」


「「「ぼへぇっ!」」」



 衣莉守は自分を奮い立たせるように、3人の頬を殴り飛ばして檄を飛ばした。

 3人は改めて気を失った。

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