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欲に呑まれないように  作者: crisis
2/4

始まり

「お父さん、なんでいつも帰りが遅いの?」

「お父さんは頑張ってるんだよ。みんなを守る、ヒーローだからね」

「そーなんだね」


「~、星空見に行こっか」


「~はね、宇宙みたいな雄大な人になるんだよ」


でも絶対にお父さんみたいに~を犠牲にしたら駄目だからね。


優羅は勢いよく体を起こした。よく分からない夢に優羅は強く不快感を覚えた。ここはどこなんだ。優羅はキョロキョロとあたりを見渡した。白、白、白と全面白だ。そしてこの少しツンとくるこの独特な匂い。病院か保健室か。優羅がそんなことを考えているとカーテンから顔が出てきた。


「うお!!!」


優羅が声を上げた。すると顔は無表情のままカーテンを開いた。若いな。


「起きましたか。ならばさっそく説明を始めましょう」


そういって若い人が淡々と話し始めた。


「まず僕は魔術習得学校の教師をしている神速 柊斗です。そしてここはその魔術習得学校の保健室ですね。そしてあなたはここに入学してもらいます」

「はい?強制ですか?」

「当たり前ですよ。もうあなたは元の生活はできなくなってしまったので。では僕がここで」


そう言って神速さんはカーテンを閉めて出て行った。なんなんだ。あの人は。


「嵐かよ」


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