いとおしさとさつい
雨は激しく降っていた
窓に当たり音がする
彼女は僕を見上げる
僕の方が背が高い
爪先立ちのキス
彼女は僕を受け入れた
僕も彼女を受け入れた
感情の洪水
愛おしさ
狂おしさ
若干の虚しさ
それは静寂をつれてくる
好きだった
初めて愛せた人
僕は指先に力を込めて
彼女の首を絞めた
なぜか涙は出ない
彼女は微笑みながら
僕に謝った
目を閉じて
涙を流す彼女の力が抜ける
僕はさらに力を込めた
愛した人よ
愛した人よ
愛おしさと殺意よ
彼女と僕は一つになった。