そして女神は討伐された魔王を復活させる。
今回ちょっと短いです。
「いやーけっこうな災難だったねー。」
そう言いながら微笑んでいるのは、クズで無能な女神、アメリオだ。
「けっこうどころじゃねーよ!俺、死ぬの初めてだったんだぞ?」
「ごめんごめん。でも相手が初心者ちゃんたちでよかったじゃない。そうじゃなかったら涼真、もっと痛い目にあってたわよ?」
アメリオは笑いながらそう言う。
「俺んちに上級者なんかが来るか。知ってるくせに。」
「……まあいいわ。ところで、もちろん生き返るでしょ?涼真。」
あたりまえだ。まだ死にたくはない。
「あぁ。ミラも待ってるし。」
「あの義妹ちゃんね。かわいいわよね彼女。」
「まあな。それより早く復活させてくれよ。」
俺はアメリオをせかす。
「いいけどちゃんと連絡よこしなさいよ?せっかく連絡先渡したんだから。」
アメリオが唇を尖らせる。
「わかったよ。」
俺は一応そう返事をした。
アメリオがパチンと指を鳴らす。
「ほら、あのドアよ。」
「さんきゅ。じゃあまた、討伐されたら来るから。」
俺は苦笑いしながら一応礼を言う。
「あぁ、そういえば言い忘れてたけど、」
何だろうと思い、俺はドアノブにかけた手を止める。
「あの世界にはお休みのキスなんて習慣無いわよ?」
……顔を見なくてもわかる。どうせまたアメリオはニヤニヤと笑っているに違いない。
「……いってらっしゃい、涼真。」
「いってきます、アメリオ。」
……そして俺は我が家に帰ってきた。
「おかえりなさい。遅かったわね。もうあの子たち帰っちゃったわよ?」
玄関で俺を出迎えた義妹がそう言った。
「あ、あぁ。騒がしい奴らだったな。」
俺は目を逸らす。
「えぇ。また遊びに来るって言ってたわ。ていうかちゃんと目を見て話しなさいよ。」
義妹はまっすぐ俺のことを見ている。
「ご、ごめん。」
さっきのアメリオの話を聞いたから義妹と目を合わせにくい。
そして俺は今日の夜も眠れなそうだ。
ありがとうございました。
次回は新キャラ登場はさせず日常編という形にしたいと思います。