1. 拾い猫
『ワンワン』
犬の鳴く声が聞こえてくる。僕はもう朝なのかと思った。僕の犬は毎朝僕のことを起こしてくれるお陰で僕は寝坊することはないし犬好きな僕からしたら至福の時間と言っても過言ではない。
僕は犬を3匹買っている。柴犬、ゴールデンレトリバー、ダックスフンドだ。元々は柴犬とゴールデンレトリバーを飼っていたが散歩の途中に拾ったのがダックスフンドだ。最初は馴染めないようだったけど、今ではとても仲良く見える。そんなこんな考えながらもベッドから降りた。7時30分だ。それでも僕はまったく焦ることはない。何故なら毎日これで学校に間に合っているからだ。
「おはよう真九郎、和隼、清人。今日もいい朝だな。」
と、言っても真九郎も和隼も清人も犬だから喋らないかと思いつつ昨日朝ごはんに買ったサラダを冷蔵庫から出しつつ完食したところで愛犬達にも朝ごはんだ。やはり家に1人しかいないと犬にも話しかけてしまうものなのか。そろそろ学校に行く準備をしなければな。僕には家に迎えに来てくれる幼馴染はいないが僕を起こしてくれる愛犬達はいる。まぁそんなこと思いつつ学校に出発する僕だった。
通学路は寂しい。僕には一緒に行く友達はいない。早く家に帰りたい。そんな僕だが学校での成績は優秀だ。学年で10位以内に入れるほどの学力を持っているし運動も毎日犬3匹と散歩しているから体力はある方だ。でも友達いないんだよなー。
早く帰りたいなー。
学校が終わって待望の下校時間だ。嬉しくて仕方ない。早く家に帰って癒されたい。
「うわっ」って思わず声が出てしまった。というのも道の端の方に段ボールがあってそこには『拾ってください』と書かれた猫がいた。僕は犬派か猫派かと尋ねられれば間違えなく『犬派だ』と答えるがそれは僕が犬が好きってのもあるが猫が苦手って言うのもあるんだ。
だが、そんな僕でも目の前に捨てられている猫がいるとつい家に持ち帰ってしまう。苦手だと知りながらどうしてかと自分でも思う。
家に帰ると毎日真九郎が迎えてくれる。そして気まぐれで清人が稀に迎えてくれる。和隼はこの時間帯は寝ている。かわいい。
そんなことよりこの猫だ。犬の育て方ならわかるけど猫の育て方なんて知らないぞ。そもそも犬と猫は仲良くなれるのか?
そんな不安もありつつこの猫の種類を調べていたらどうやら三毛猫のようだった。
とりあえず真九郎達の散歩へ出掛けよう。三毛猫はどうしたものかと考えつつ撫でていたらいつの間にか眠っていた。寝ている姿を見ていると猫も案外かわいいものだ。今のうちに散歩へ出掛けよう。ルートは日替わりだがちゃんと全部公園を通るルートだから遊ぶことができる。まぁいいや。ここからは癒しの時間だ。
公園に着いた。散歩をするときは毎回この公園に寄ると決めている。この公園は多分市内で1番というくらい広いからということもあるが他にも子どもが多いということからだ。
和隼は特にだが、子どもと遊ぶのがとても好きな奴なんだ。噛まないように仕付けているから子どもも怖がらずに遊んでくれる。
これを毎日繰り返している。
よし散歩終了だ。家に入るとなにやら物音が聞こえる。たしかに家には三毛猫が一匹いるがとりあえず気になったから物音のする方向に行ってみた。
「うわー、うまーい。なにこれ?」
猫耳の生えた変な奴の姿がそこにはあった。
食べ物をあさっている謎の生物は一体なんなのか
そしてそれは三毛猫なのか
主人公は今後どうなるのか
( ☆∀☆)次回もよろしく