第1話
守和泉です。2作目です。
ダンジョン。
そこは、人類の居住地であり、戦場であり、遺産である。
太古の昔、十二対の翼を持つ神、ザルトスによってダンジョンは創造された。
内部は白いレンガで形作られ、決して壊れることがないのだという。
場所によっては黒いレンガで形成されているところもあり、そこには多くの魔物が現れる。
神は、魔物を狩って食料を得るように言われたそうだ。
人類はダンジョンに存在する建物を用いて、日々を過ごしている。
そして、魔物を狩る者を、人々は尊敬の念を込めて、狩人と呼ぶのである。
「よし、先週はここまでやったな。次はダンジョンはどのようなものなのか、ということについて教えよう」
教師役のアレタが次に語っているのは、ダンジョンについてだ。
語られたことはしっかり覚えている。
俺――テラット――は狩人になりたいからだ。
狩人にとって、ダンジョンのことを知っているのは当然のことであり、またとても大切なことだ。
まあとりあえず、アレタの話を聞こう。
「知っていると思うが、ダンジョンは24枚の翼を持つ神、ザルトス様によって造られた。ダンジョンは決して壊れることがないし、黒い壁の辺りにしか現れない魔物を狩ることで、俺たちは食料を得ている。全てザルトス様の御恵みだ。俺達はそれに感謝しなければならないんだ」
アレタは語っていく。
アレタは族長の息子であり、強く、優しく、物知りだ。もちろん狩人である。
そんな彼を慕う人は多く、また、怪我をしてしまっていたため、臨時で教師役に選ばれたのだ。
「……今日はここまでだな。じゃあ、男は訓練に行くぞ。女は家に戻れよ」
そして、男は狩人訓練に、女はそれぞれの家に戻っていく。
男の俺は、アレタについて訓練に向かう。
アレタの後ろには、俺の他に15人の男がいる。
「今日も頑張ろうぜ!」
特に仲が良いルクソが話しかけてきた。
「そうだな。もうそろそろ、奥地に行った兄さん達も帰ってくるはずだし、それまでに強くならなきゃならねーな!」
優しく、とても強いアレタが怪我をしてしまったのは、この村から離れた奥地に獲物を取りに行った時に、大量の魔物と遭遇し、アレタを含めた3人の狩人で戦った結果、3人とも怪我をするもなんとか村に帰ってきた。
村長は、魔物達がこの村を襲うことを考え、テラットの兄や、普段、テラット達の教師務めている男を含めた大勢の狩人で、先にこちらから攻勢をかけることにしたのだ。
彼らは、1週間でケリがつくとみていた。
ちょうど明日で1週間なのだ。
それまで自分を鍛えて、兄に褒めてもらうのだ。
そうして、テラット達は今日も訓練を始めた。
趣味で書いているので更新はゆっくりですが、読んでくださると嬉しいです。
7/15
一部改稿しました。