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はじまり

身体が、重い。

冷たい空気に急激に体温が奪われていくのを感じた。だんだんと意識が朦朧としてくる。視界は常に真っ暗闇で、目を開けているのか閉じているのかも分からない。


―——あぁ、死ぬんだな。


ふと感じた死の気配に不思議と心は騒がない。諦めのような感情のおかげだろうか。

しかしその反面、どうしようもなく激しい憎悪が心に渦巻く。

もしこの先にまた人生があるのなら。


————復讐してやる。


それは、綺麗な満月の夜のこと。


一人の少女が静かにこの世を去った。



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