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仮契約の答え

「良いですよ?」


 満面の笑みで小娘は、私の申し出に了承する。この娘、詐欺に合わぬか心配だぞ……私だったから良かったものの、この小娘はとても運が良いな。

「私との契約は仮のものであり、お主の願いが叶った時にその契約は終わる。

本来なら名を縛るのが契約なのだが、私から申し出たことなのだが……理不尽なことに君は契約の代償を払わなければならないのだ。すまないな」

 と私はそう言葉にした。……私は多くは望まない、敢えて言うならば人の思いや温かさが籠ったものならば、代償はなんだって構わない。

 私の場合、仮契約する上での代償はただの建前だ。提供されたものをただ、何も言わず受けとるだけ。ただそれだけのことよ。


「理不尽ではありませんよ〜。私が望んだのですから、代償を払うのは当たり前のことなのです。猫さんが気にする必要なんてないですよ〜」

 と小娘は言い、ポケットから何個かの鈴を取り出して私にこう聞いた。

 どれが良いですか? と、私に聞くのだから本当にこの小娘は面白い。

 私は自分の名と同じ、椿柄の鈴を選ぶと小娘は器用にミサンガに鈴を通し、私の首につけてくれた。


「では、小娘よ。貴女は私に何を望む?」

 と私の問いに、彼女は満面の笑みで……嬉々とした声でこう言った。

「もう一度、あの人に会う機会を作って……それが私の望みです、猫さん」

 その言葉に私は、

「了解した。……契約成立、だな」

 とそう言って、私は小娘から姿を消す。


 さて、久々の仮契約だ。少しだけ本気を出すとしようかね……?



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