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神様からのお手紙 (起)

作者: 春野天使

これは、「グループ小説」第十二弾、「起承転結」企画です。「グループ小説」で検索すると、他の先生方の作品が読めます。続きで読むとき便利だと思います。

一色翔太いっしきしょうた様、おめでとうございます!

 あなた様は、【神様のお願いを叶えてあげるキャンペーン】に御当選されました!』


 僕がその奇妙な手紙を受け取ったのは、高校一年と二年の間の、ある暇な春休みのことだった。

 真っ白な封筒と便箋。封筒に住所は書かれてなくて、もちろん切手も郵便局の消印もない。封筒のど真ん中に、大きな文字で僕の名前だけが書かれてあった。

──なんだ、これは! きっと誰かの悪戯だな!

 同級生の誰かが僕をからかったに違いない。内気で真面目な僕は、からかいがいがあるんだろう。むかつきながら僕は便箋を破りすてようとした。しかし、その後に続く文章に、思わず目がくぎ付けになる。


『翔太様、神様はあなた様のことを何でもお見通しでございますよ。あなた様はかなりの美男子。ですが、その真面目さと内気さゆえ、未だに彼女が出来ませんね。そこで、お優しい神様は、あなた様にチャンスをお与えになりました。

 あなた様が密かに思いを寄せておられる、水野みずのさつき様、伊集院彩香いじゅういんあやか様、北嶋萌きたじまもえ様、の三人の中の一人を彼女にして差し上げます』


──水野さつき、伊集院彩香、北嶋萌!

 僕は心の中で絶叫する。三人は一年の時のクラスメイト。僕が密かに密かに思い続けている三人だ。


『しかし、翔太様も気が多いのですね。一人ではなく三人同時に愛するとは……』


 ま、まあね……けど、好きなんだよ、三人とも。それぞれ違った魅力があるんだ! 水野さんは、元気で明るくて面白くて太陽のような存在だ。それに面倒見も良くてクラス委員をしていた。伊集院さんは、美人でスタイルが良くて知的なお嬢様なんだ。大人っぽくて落ち着いてて、憧れの的。北嶋さんは、とにかく可愛い。ちっちゃくて華奢で女の子らしい。おっとりしてて、いつも笑顔で癒される。

 そんな三人の中の誰かとつき合えるなんて、夢のような話だ。こんなこと、本当にあり得るのか!? 僕はまだ半信半疑で続きを読む。


『ただし、翔太様、お望みを叶えるには条件がございます。これから三日以内に、三人の女性にそれぞれアピールなさって下さい』


 ア、アピールか……。僕は戸惑う。一年間クラスメイトだった三人だが、僕はほとんど口さえ聞いたことがない。手紙は更に続く。


『あなた様が自己アピールを終え、お一人選ばれた時点で、神様はその女性にお手紙を出されます。あなた様と付き合いたくない場合、彼女はお金を出して阻止することが出来ます。そのお金は自分で支払える金額です。あなた様と付き合いたい場合は、ゼロ円ということになるやもしれません』


 金を支払って阻止……? そんなことされたら、かなりショックだよな……。


『そして、翔太様、あなた様も最終的にお決めになった方と付き合うには、神様にいくらお支払い出来るか金額を決めなければなりません』


 えっ? 金を払う訳? やっぱ、これって新種の詐欺か?


『翔太様、突然このようなお手紙を受け取り、疑っていらっしゃいますね?』


 手紙の主は、まるで僕の心を読んだように語りかけてくる。


『しかし、これは本当の神様からのお手紙でございます。神社で神様にお願いをするときは、お賽銭をあげますでしょう? それと同じでございます。どうか、よくお考えになって三人のうちのお一人をお決めになって下さい。あなた様が書かれた金額が、選ばれた女性が書いた金額より上であれば、めでたくお付き合い出来ることになります。三人へのアピールが終わりましたら、もう一度神様からお手紙が届きます。その便箋にお一人のお名前とお支払い金額を書いてくださいませ。

それでは、ご検討をお祈り致します。    神様の使いの者より』


 手紙はそこで終わっていた。あまりに怪しい手紙だ。こんな神様なんているのか? 狐につままれたような顔で、僕はしばらくその便箋を見つめていた。だがやがて、僕は確信した。その手紙は神様からの手紙に間違いない。何故って、僕がじっと見つめていた文字が、見る見る紙に吸い込まれるように消えてしまったからだ。






 

勢いで書きました。いかがだったでしょうか? 某クイズ番組ヘ○サゴンからヒントを得て思いつきました。^^; この先どうなるか全く予想もつきません。きっと面白く展開していくと思います。バトンは(承一)のよぞさんにお渡しします。宜しくお願いします!(^^)

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― 新着の感想 ―
[一言] どうも、春野さん(^^)面白そうな企画小説ですね!とてもワクワクするストーリーで続きが気になります(^^)人によって作品の表情が変わるのでこの先がどうなるのか楽しみです。私ならどうするかなー…
[一言] こんにちわ!企画読ませてもらってます。 『起』はとにかく特殊な設定が光りますね!春野さん、すっごくいい球投げましたね(笑) 設定だけ作って後は丸投げできるなんて……う、羨ましすぎる! 広げや…
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