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第4章第4節

お待たせしました。今回はアイリスディーナ視点のお話です。

それではどうぞ。

3月16日修正しました。

「それでリサ君、私に用事というのは何なんだい?」


 私とティマは昼休み、リサ君に呼び出されて屋上で彼女と向き合っていた。

 屋上に人影はなく、春の暖かい風が頬を撫で、鳥のさえずりと昼休みでハシャぐ生徒達の声だけが聞こえてくる。


 「ごめんなさい。いきなり呼び出して。…………アイリスディーナさん達、最近あいつとよく一緒にいるって聞くけど、本当なの?」


 リサ君が聞いてきたのは、やはり彼の事だった。


 彼女のことは私も知っている。

 リサ・ハウンズ

 燃えるような赤髪を頭の後ろで纏め、悪戯っぽい瞳が印象的な女性。

 同性の私から見ても魅力的な女の子で、確かに他の男の子が放って置かないだろうと言えるほど美少女だ。

 3学年で5人しかいないAランクに到達した生徒であり、抜群の身体能力と長短2本のサーベルを巧みに操り、実技の授業でも、私と互角に戦える数少ない生徒のうちの一人。

 今現在、同じ学年でAランクのケン・ノーティスと付き合っていることは周知の事実で、それに他の女の子が何人涙をのんだことか……。

 

 彼女は真剣な面持ちでこちらを見つめてくる。彼女の悪戯っぽい瞳は鳴りを潜め、その眼には言い知れない強い感情が渦巻いているように見えた。


「ああ、彼らは友人だからね。別に不思議なことではないだろう?」


 私が彼を友人と言った瞬間、彼女の顔がまるで苦虫を噛み潰したように歪んだ。

 普段の彼女らしくない憎悪に溢れた表情。それだけで彼女がどれだけノゾムを憎み、嫌悪のしているのかが分かる。


「…………アイリスディーナさん、あいつと一緒にいない方がいいわ」


 彼女がいきなり言い放った言葉に、私の眉がぴくりと動き、ティマは驚きの表情を浮かべている。

 ティマとしても、ここまで人に憎悪を向けた彼女を見たことがないのだろう。私もこんな表情の彼女は初めて見る。

 リサ君は学年でも5指に入る実力者だが、その実力を鼻にかけることはなく、誰に対しても平等に接することができる人だ。


 以前、私がアンリ先生の頼みで授業に使う道具を運ぶのを手伝っていた時、窓の下で同学年の低クラスの女子生徒が上級生に絡まれていた。

 その後、絡まれていた女子生徒に話を聞いたところ、その上級生はギルドの斡旋所にあった仕事で、森に入るメンバーを探していたが見つからず、森に入ることを許可されていない生徒を無理矢理連れて行こうとしていたらしい。

 その時、私はアンリ先生に一言断りを入れて直ぐにその現場に向かったが、上の階にいたので少し時間が掛かってしまった。

 だが、私が現場にたどり着くと、すでに駆けつけていたリサ君が場を治めてしまっていた。

彼女は上級生と絡まれていた同級生の間に割って入り、彼女は上級生相手に一歩も引かずにやり合っていたらしい。


「あ、あのリサさん……」

 

 割って入った彼女を心配したのか、女子生徒がつい彼女の名前を洩らしてしまったらしく、リサ君の名前を聞いた上級生は、先ほどの女子生徒を無視して彼女を誘おうとした。

 しかし彼女はその上級生の誘いを一蹴。激高した上級生は剣を抜こうとしたが、上級生が剣に手を掛けた瞬間、リサ君が彼の喉元にサーベルの刃を突き付けていたらしい。

 結局その上級生は彼女の剣幕と、その実力に圧倒され、ほうほうの体で逃げ出したそうだ。

 たとえ相手が上級生だとしても、間違ったことには正面から向き合うし、向き合える女性。

 少なくともそれが彼女に対して、私が感じたことだった。




「アイリスディーナさん達も知っているでしょう。あいつが何をしたか。悪いことは言わないわ。彼と一緒にいるのはすぐにやめた方がいい」


 あの時、毅然とした態度で上級生と向き合った彼女とは思えない言葉でノゾムとの関係を解消するように言ってくるリサ君。

 私はリサ君のノゾムに対する言葉を聞き、どうしても心の中で消えなかった疑問を彼女に聞いてみた。

 


「…………それは……君とノゾムとの間に起こった事が原因か?」 



 彼と彼女の間に何があったのかは私もティマも知らない。ノゾムが彼女を裏切ったことで彼女に捨てられたと言うのが噂の内容だったが、実際に会った時の彼は、噂で聞く彼とはあまり違っていた。

 ノゾムと出会ってからずっと感じていた疑問。噂で聞く彼と、実際に見て、話し、触れあった時の彼との違い。

 聞いていた事実と実際の真実との乖離。その根幹である、リサ君とノゾムとの間に起こったこと。

それを聞いた瞬間、彼女の顔がさらに歪んだ。

 リサ君は己の内で渦巻く感情を必死に隠そうとしているが、隠しきれていない。拳を固く握りしめ、歯を食いしばっているように見える。


「いい機会だから聞きたいのだけど、彼は具体的に君に何をしたんだ?」

「私達、ここしばらく彼と一緒にいたけど噂で聞くようなことをする人には見えなかったよ?」



「…………どうでもいいでしょう。とにかく忠告はしたわ。ひどい目に遭わないうちにあいつとは縁を切った方がいいわよ……」


 そう言い捨てると、彼女は踵を返して屋上から出て行く。

 足早に立ち去るその背中が“これ以上話すことはない”と如実に物語っていたし、“これ以上聞かれたくない”とも言っているようだった。







「あっ、来た」

「遅かったな」


 アイリスディーナとティマは屋上でリサとの会話の後、ノゾム達のいる保健室にやって来ていた。

 遅くなってしまったが、ノゾム達の弁当はまだ開けられておらず、どうやら二人が来るまで待っていてくれたようだ。


「あ、ああ。遅くなってすまない」


「ご、ごめんね2人とも……」


「別にいいよ。たぶんいきなりの用事だったんだと思うし。昼休みも残り少ないし、早く食べよう」


「それじゃあ~、いただきま~~す!」


 ノゾムがそう言うと、アンリが“待っていました!”と言わんばかりに自分の弁当を広げて食べ始めた。

 ノゾムに促された2人も椅子に腰かけると、自分達の弁当を食べ始める。

 みんな、しばらくは自分の食事に専念していたが、アイリスディーナはノゾムの事が気になるのか、チラチラと横目でノゾムを覗き見ていた。

 ノゾムもアイリスディーナの視線に気づいて彼女に問いかけてみる。



「ん、アイリス、何か用?」


「い、いやなんでもないよ……」


「???」


 普段のアイリスディーナとは違う歯切れの悪さに、ノゾムが首を傾げるが彼女が自分の食事に戻った事から、ノゾムも自分の食事を再開する。



「……なあ、アイリスディーナの奴、なんか変じゃないか?」


 マルスがノゾム達に聞こえないように小声でティマに話しかける。

ティマはマルスの一言にビクリと体を震わせると、マルスと同じように小声で答えてきた。



「そ、そう思う?」


「ああ、ノゾムも何かおかしいって感じていたみたいだし、何かあったのか?」


「う、うん」



 ティマは先程の親友とクラスメートのやり取りを思い出す。自分はリサの剣呑な雰囲気に完全に腰が引けてしまっていたが、あの出来事はやはり衝撃的であった。

 同時に彼女は“マルスなら何か知っているかもしれない”と思い、ある話を持ちかける。

 


「…………マルス君、今日の放課後話せるかな?」


「……ああ、ノゾムの奴、今日は用事があるって言っていたし、大丈夫だぜ。場所は牛頭亭でいいか?」



 ティマの真剣な雰囲気を察したマルスは、表情を引き締めてティマの問いに答える。

彼もアイリスディーナの雰囲気から、ノゾムについての事だが、本人にはまだ聞きづらいことなのだろうと感じていた。



「うん、お願い。こっちも後でアイに話しておくから……」



 ノゾム達に気付かれないようにそんな約束をする2人。その2人をアンリとノルンは見守るように見つめていた。





 ノゾム達が始業の鐘をきいて教室に戻った後、保健室に残っていたアンリとノルンは先程マルス達について話していた。


「……いいのかい? 話さなくて」


「?なにが~~?」


「ノゾム君の事だよ、分かってるだろう。1年の時、あの噂を流せる人間は一人しかいない。そしてそれが誰であるかも」


「……まだ話すべきじゃないと思うわ~。ノゾム君、良くなってきたと思うけどまだ一杯一杯みたいだし~~」



 アンリは以前、街でノゾムを見かけた時の事を思い出していた。フラフラとまるで幽霊のように心有らずのノゾムの姿。

 少なくとも今のノゾムに、このことを話しても彼がさらに辛くなるだけだ。

 多分ノゾム自身、無意識のうちに考えないようにしている部分もあるのだろう。


「……ノゾム君が抱えたことは多分多すぎるんだわ~。まだ彼も自分の中での整理できていない。でもそれはアイリスディーナさん達も同じ。このままノゾム君に話を聞きに行ってもノゾム君は何も話せないと思うわ~~」



 アイリスディーナ達に話して、ノゾムの力になってもらうのが一番いいのだが、今は彼女達にも少し焦りがある。その焦りはさらにノゾムを追い詰めてしまうかもしれない。



「しかし、いつまでもこのままではないぞ。アイリスディーナ君達も今はまだ気付いていないが、本来のノゾムの人柄を知ったのならいずれ気付くだろう」


「そうね~~。アイリスディーナさんならすぐに気付くと思うわ~~。それはノゾム君も同じ。」


 以前の殻に籠っていたノゾムならともかく、今の彼の世界は広がってきている。そうなれば彼も真実に気付くだろう。もしかしたらもう気付いているのかもしれない。



「なら尚更「でも私たちは教師よ~。見守ることも必要でしょう~~」……まあそうだな。いざとなれば私たちが間に入るか……」


 

 アンリは微笑んでノルンに“まだ見守る時だ”と言い放つ。

 アイリスディーナ達が先走り過ぎるのも心配ではあるが、今はまだそこまで事態は悪くない。

 ならば自分達は彼らを信じよう。自分達が出て行くのは彼らがどうしようもなくなった時だ。

 ノルンもまたアンリの意見を聞き、肩をすくめる。

 自分達は教師。この学園の主役はあくまで彼らなのだ。

 アンリは少し寂しさも感じていたが、同時にノゾムの事をこんなに心配してくれる友達が出来たのは嬉しかった。

 


(ノゾム君、頑張ってね~。君にはこんなに心配してくれる友達がいるんだよ~~。何が君を縛り付けているのか分からないけど…………負けないでね)







 放課後、マルスとアイリスディーナ達は牛頭亭で落ち合っていた。アイリスディーナの傍には途中で合流したのだろう、エクロスの制服を着たソミアもいる。

 


「遅くなったね」


「いや、気にすんな。こっちも帰ってきたばかりだ」


「では、こちらのテーブルにどうぞ」


 エナが3人を案内したのは、店の中でも奥の方のテーブル。ちょうど陰になっていて、外からでは見えない位置になっている。


「それで、聞きたいって何だ?」


「あ、ああ。マルス君はノゾムの噂について知っているだろう。」


「ああ、というか学園であの噂知らない奴なんていないんじゃないか?」


「だろうね。実はそのことなんだけど……」



 アイリスディーナは昼休み、屋上での出来事についてマルスに話し始める。

 リサに呼び出された事、リサにノゾムと縁を切った方がいいと言われた事、噂の大本であるノゾムとの間に起こった出来事を聞いた事、その時の彼女の様子。

 マルスも真剣な面持ちで、アイリディーナの話を聞いていた。

 やがてアイリスディーナが話し終えると、マルスはおもむろに口を開いた。



「…………聞きたいことって言うのは、そのことか?」


「ああ、私たちはあの噂が的外れであるということはもう分かってる。だがどうしてあんなことになったのかが分からない」


「……そうだな。俺としても気になっていたが……悪い、俺も知らないんだ」


 マルスも当時、ノゾムに何があったのかは知らない。当人に聞くのが一番早いのだろうが……。



「…………そうか……」


 マルスの言葉にアイリスディーナは落胆したような声を漏らした。


(でも妙だ、何かが引っ掛かっている。彼の噂と真実の彼。一体何があったのか……ダメだ、情報が少なすぎる!)


 彼女の胸の中では、リサとの立ち会いの時からよく分からない焦りが渦巻いている。


 


“自分はノゾムのことを何も知らない”



 その事実が彼女の心の中を徐々に蝕んでいく。

 それはマルスも同じだ。彼としてもノゾムは初めて出来た心を許せる友人だ。

 本人に自覚はないが、彼がノゾムを今まで決して取り巻き達を近づけなかった牛頭亭に招いたことからも、マルスがノゾムを信頼していることが分かる。



(…………やっぱり聞こう。そしてノゾム君の学園での疑いを晴らすべきだ)



 アイリスディーナはノゾムが学園の中でこのままでいいとは思えない。先日、ノゾムと昼食に誘った時から周囲の人間は、生徒はおろか教師さえもアイリスディーナに諫言を述べてきた。



“あの最底辺と一緒にいない方が良いよ”

“あんな奴、アイリスディーナさんには相応しくない”

“アイリスディーナさんの事を思えばこそ言っているのです。悪いことは言いません。あの劣等生に関わるのはおやめなさい”



 その言葉を聞くたびに胸が締め付けられるようだった。

“そうじゃない! 彼はそんな人ではない!!”と声高に叫びたかった。

 でもその度にノゾムの顔がチラついた。

 彼女は聡明な女の子だ。今この場で自分が“そうではない”と言ったところで、その事を周りが信用しない事はすぐに分かった。彼らの目を見た時、彼らは完全にあの噂を信じており、そのことに全く疑いを持っていなかったことはすぐに分かった。

 彼の評価は完全に定着してしまっていて、自分一人が何を言ったところでどうにもならない。

 アイリスディーナ自身、そのことがさらに彼女の胸を抉った。

言いようのないイラつきと無力感。

胸の中で猛り狂う激情を沈めたくて、アイリスディーナは直接ノゾムに聞くことを提案した。



「……やっぱり、本人に直接聞こう」


「そうだな。じゃあ明日の朝、ノゾムの寮に行くか。おそらくあいつは明日の朝にならないと帰ってこないだろうし」


 アイリスディーナの言葉にマルスも同意する。2人は目を合わせて頷くと、立ち上がろうとするが………。



「…………ま、待って2人とも」


 その2人にティマが待ったをかけた。



「なんだいティマ」「まだ何かあるのか?」


「…………ノゾム君に聞くのは……まだ待った方がいいと思う」


 その一言を聞いたアイリスディーナとマルスは、驚いたようにティマを見つめる。



「だけどティマ……」


 ティマの一言にアイリスディーナが口を挟もうとするが、2人にさらに待ったをかけてきたのは、2人の妹達だった。


「姉様には悪いけど……私もティマちゃんの意見に賛成です」

「私もそう思います」


「ソミアまで……」

「何でだよ?」


 アイリスディーナとマルスとしては当然の疑問だろう。少なくとも当時、ノゾムとリサの間に何があったのか分からなければ、どうしようもないは確かだ。


「たぶん、ノゾム君が話せるなら話していると思うし……それにノゾム君、今までそのことでずっと一人だったんだよ?」


「だからこそ……」

「焦っちゃダメだよ……アイもマルス君も、ノゾム君にとってとてもつらいことを話してくれって言っているんだよ? 2人とも、いきなり友達にそんな事話せる? 少なくとも私達は当事者じゃないんだよ。ノゾム君が話してくれるまで待つべきだよ」


「…………お兄ちゃん、私もそう思うよ。……以前ノゾムさんがお店に来た時、そのリサって人と鉢合わせたことがあったの」


 エナは以前、ノゾムが牛頭亭でリサ達と鉢合わせたことを話しはじめた。

 リサと男の人が一緒にお店に入ってきて、ノゾムと相席になったこと。

 リサが叫んで店を出ていき、ノゾムはただ項垂れるように下を向いていたこと。

 自分が何か言おうとする前にお金を置いて出て行ってしまったこと。


「あの時のノゾムさん、とてもつらそうだった。何か声を掛けなきゃって思ったけど……あの顔を見たら何も言えなくなっちゃった……」


(あの時、ノゾムさんは必死に何でもないように振る舞おうとしていた。その後もお店を騒がしたことを謝ってきた。自分はそれどころじゃない事は傍から見ても分かったのに…………)


「今無理にノゾムさんに聞くべきじゃないよ。お兄ちゃん達も、もう少し待った方が良いよ」


 エナの言葉にアイリスディーナとマルスは何も言えなくなる。確かにノゾムが話さない以上、自分達にできることはノゾムが話すまで待つことだ。彼が自分の意志で、自分の口で話すことが一番いい事なのだから。


「…………分かった」


 アイリスディーナが沈んだ表情で了承し、マルスも小さく頷くがその表情はやはり暗い。


 

 



「…………そういえばノゾムはどうしたんだ? 用事があるとは聞いているが……」



「……ああ、あいつの事だからおそらく森に行っているんだろう。あいつ、時々一人で森に入って鍛練するみたいだし……」


「「「「え!!」」」」


 魔獣の闊歩する森に1人で入るなど正気の沙汰ではない。アイリスディーナ達ですら、森に入るときはパーティーを組むことが義務付けられている。

 アイリスディーナ達もまさかノゾムが単身森に入っているとは思わなかった。


「……マルス君、それは本当なのかい?」


「ああ、以前森に入っていくノゾムを見たことがあるからな。まあ、アイツなら大丈夫だろう、1年の時から森に入っているっていうし、学校では散々な言われようだが模擬戦での状況判断は正確で速いし、実戦経験は俺たちの学年の中ではおそらくトップだろうからな」


 その言葉を聞いた時、アイリスディーナの中で今まで感じていた疑問がさらに膨れ上がる。


(なぜその実力を今まで発揮しなかったんだ? ソルミナティは完全な実力主義だ。その力を発揮していれば、今ほどひどくは言われなかっただろうに……)


「……それだけの実力がありながら、何故10階級に彼はいたんだ?」


「……分からん。俺自身アイツの実力に気付いたのは去年末だ。少なくともそれ以前のアイツは陰気な根暗野郎だったな。いつも下を向いていたし、こっちが何言っても背を向けるだけだったし……」


 マルスは改めてノゾムの事を考える。


(そういえばアイツが変わり始めたのも去年末からだ……俺達、あいつの事を何も知らないんだな……)


 自分達が改めてノゾムの事を何も知らないのだという事に気付いたアイリスディーナ達。結局彼女たちは、どうするのか何も決められないまま、時間だけが過ぎて行った。



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噂って誰? やっぱりケンかな、、モテてたっぽいし
[良い点] 友人へのなにげない気遣いの描写がとても心に刺さりました。友人への疑問をストレートに投げかけたくなる一方で、その友人を気遣って投げるのをやめるべきという意見。なんかとても青春していて、ああこ…
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