第8章第41節
第8章第41節を投下。やっとここまで書けたよ……。
砕いた鏡と共に開いた、アルカザムへの道。
白光の中に穿たれた穴に飛び込んだノゾムの目に映ったのは、眼下に広がる数百に及ぶ屋根。そして、巨大な南門とアルカザム市街地へと続く二本の街道。
彼はアルカザム南門の上空、数十メートルほどに飛び出していた。
「これは、着地をミスったら死ぬ……」
タイミングを見計らい、連続で刀を振るう。
気術“扇帆蓮”
生み出される気の膜を足場にして衝撃を殺しながら、ノゾムは地面に降り立つ。
着地した場所では、マルスやフェオが驚きの表情でノゾムを見つめていた。
「お前、突然空から登場って、いったい何があったんだ?」
「まあ、ちょっと色々とあってね。ごめん、今は……」
「時間がない、だろ。どうにかなるのか?」
深刻そうなマルスの言葉にノゾムは顔をしかめながらも、足を前に進める。
向かう先は当然、親友に呼びかけられても全く反応を示さないシーナの所だ。
「ノゾム、シーナが……」
「あとは任せて」
涙を浮かべるミムルをそっとティマに預けると、ノゾムはシーナの前に立つ。
ぼうっと虚空を見つめる彼女の表情に、ノゾムは胸の内から憤りが湧き上がるのを感じた。
「離れろ、災厄の元凶! ワシの曾孫に触れるな!」
シーナの精神を封印したトリフォリウムが、事の元凶の出現に声を荒げる。
ラウルスによって精霊魔法を封じられ、シーナから引き離された老エルフだが、それでも曾孫を想う気持ちは変わらない。
同時に、曾孫をここまで変えた元凶に対しては、これ以上ない程怒気を露わにしている。
大事だといいながら、心を封じて無理矢理連れ帰ろうとするその行為。そんな行動を取った老エルフの怒気が、尚の事、ノゾムの憤りを刺激する。
「ふう……」
理性を押し流そうとしてくる怒りを、一度深呼吸することで落ち着ける。
今大事なのは、老人に自分の怒りをぶつけることではない。心を封じられたシーナの檻を解くこと。そして、グールになりかけているアイリスディーナを助けることだった。
改めてノゾムは、シーナの瞳を見つめる。虚ろで何も映していない瞳の奥が、僅かに揺れたような気がした。
シーナを取り巻く精霊に意識を集中させる。
彼女に取りついて心を封じている精霊たちの繋がりは強固で、ノゾムにはまるで硬い木のツルが彼女の全身に巻き付き、包み込んでいるように感じられた。
(これほど強固な契約を結んだ精霊を引き剥がすには……)
ノゾムは精霊を感じ取ることは出来ても、肝心の意思疎通が行えない。素養が、絶望的に足りていないからだ。
ならば、打てる手は一つだけ。ノゾムは意を決して、己を縛る鎖に手をかける。
ティアマットが持つ源素。憎悪に染まった異質かつ異端の力に精霊達は恐怖していた。この力なら、シーナの心を封じている精霊を散らすことが出来るかもしれない。
だが同時に、それは、今まで隠し通してきたノゾムの正体が完全に露見する行為だった。
周囲にはまだ、無関係な民間人や何も知らない衛兵達がいる。
でも、彼には府魂の縛鎖の解除以外にこの少女を助ける術が思い浮かばなかった。
シーナはノゾムに、このような行為はして欲しくなかったかもしれない。それでも、ノゾムは迷うことはなかった。
「今まで、君には何度も助けられた。だから今度は……俺が助ける番だ」
思いっきり、封魂の縛鎖を引き千切る。
バリン! を鎖が砕ける音が響き、同時に膨大な量の源素がノゾムの体から噴き出し始めた。
“っ!?”
突如として吹き荒れ始め、渦を巻きながら天へと昇るティアマットの源素。
あまりにも強大な力の発露に、シーナを包み込んでいた精霊達は一斉に恐慌に陥り、一目散に逃げだしていった。
「あっ……」
虚ろだったシーナの瞳に、光が戻っていく。閉じ込めていた檻が解けそれに伴って、封じられていた心もまた解き放たれていく。
瞳に光が戻っていく中、彼女の頬も朱に染まっていった。
「良かった……」
「馬鹿……」
「ああ、そうだね。でも、知っているだろ?」
ズルい人だという言葉を口の中で転がしながらも、シーナの心臓はトクントクン、と早鐘を討ち、顔は熱を帯びていく。
戻って来た、求めていた人。逢いたい、逢いたいとずっと焦がれていた、愛しい人の顔。
あれだけ覚悟を決めていたのに、こうして目の前にするだけで、シーナが抱いていた悲壮な覚悟や決意は遠くへ消えてしまう。
そして彼女は思う、やっぱりズルい人だと。
「……力を」
「大丈夫、分かってるわ。行きましょう」
協力してほしい。彼のその言葉を途中で遮りながら、シーナは微笑む。
封魂の縛鎖が解かれた今、血約の儀で繋がった彼の心を知るのに、言葉は必要ない。
いや、そんなものがなくても、彼女にはこの後、彼がどのような行動を取るかわかっている。
「マルス、後は頼んだ」
「頼んだって、おい!」
マルスが返答する間もなく、ノゾムはシーナを抱えると、そのまま両足に力を込めて駆け出した。
衝撃で地面を吹き飛ばしながら、南門から商業区へと続く道を爆走する。
そして、市街地へ差し掛かったと同時に跳躍。市街地に軒を連ねる家々の屋根を足場にしながら、一路フランシルト邸を目指す。
衝撃波と轟音を響かせながら疾走するノゾムに、街の人々が一体何事かと驚きながら空を見上げる。
そして、膨大な源素をまき散らしながら疾駆するノゾムの姿を見て、絶句していた。
これで、完全にノゾムの正体がバレた事になるが、彼としてはそんな事は毛筋ほども気にならない。
「……知っちゃった?」
ノゾムの腕に抱かれていたシーナが、ボソリと呟く。その言葉が血約の儀の意味を指しているのは明白だった。
「ああ、その……」
「いいの。私がしたかっただけだから……」
実際、あの儀式を行ったのはノゾムの為でもあったが、同時にシーナが望んだ事でもあった。
一方的と言えば、一方的な契約。それでも、彼女の中の熱と想いが、血約の儀で彼と繋がることを望んだのだ。
だが、その一方的な状況が、彼女の中でシコリとなっていた。
「それでも言わせてくれ。ありがとう……」
「……うん」
その残っていた最後のわだかまりを、ノゾムの言葉が優しく拭っていく。
ようやく全てを吐き出せたエルフの少女は、満面の笑みを浮かべ、ノゾムの胸に体を預ける。
まるで、己の全てを彼に委ねるように。
「ふっ!」
アルカザムを爆走するノゾムは、瞬く間に商業区を駆け抜け、中央公園に到達。時間にして、わずか数十秒の事だった。
だが、解放したティアマットの力は、確実にノゾムの体の奥にダメージを蓄積している。
早急にフランシルト邸にたどり着かなければならない。
その時、疾走するノゾムの正面から、無数の魔力弾が襲い掛かってきた。
「っ!」
咄嗟に横に跳び、魔力弾の嵐の軌道から離脱する。
驟雨のごとく降り注いできた魔力弾が石床を破砕し、瓦礫をまき散らす。
「な、なに!?」
「これは多分……」
「お久しぶりです。ノゾム殿」
「やはりあなたですか、ルガトさん」
姿を現したのは、片眼鏡の老執事。かつて霊園の炉をソミアの魂ごと回収しようとした、ヴィトーラの腹心、ルガトだった。
パリッとした執事服に身を包んだ吸血鬼の執事は、ちょうど中央公園から行政区に差し掛かるところの建物の屋上で待ち構えていた。
おそらく、ヴィトーラからノゾムの足止めを命じられたのだろう。
建物の上から見下ろすように佇むルガトに、ノゾムは眉を顰めた。
時間がない。こうしている間にも、アイリスディーナの命の時間は確実に削られているし、ノゾムの体もティアマットの力に蝕まれている。
だが、この老人を突破するのも至難である。
吸血鬼としての強大な魔力と、両手の指で十の魔法を同時に操る力量を誇る強敵。
かつて彼と戦った経験があるだけに、ノゾムはルガトの実力を文字通りその身に刻まれた人間だ。
ルガトが両手を掲げ、魔力を高めた。
広げられた指がまるで熟練したピアニストのように繊細に、正確に動き、瞬く間に空中に複数の魔法陣を形成する。
来る!
ノゾムが身構え、ルガト組出した魔法陣が光を放った瞬間……老執事の横合いから豪風が襲い掛かった。
「むっ!」
螺旋状に渦巻く風は、建物の上部を抉り取りながらその顎を広げ、ルガトを飲み込む。
豪風の牙に飲まれ、吹き飛んだ瓦礫は瞬く間に粉みじんに粉砕されていく。
それは、かつてノゾムも目の当たりにしたことのある技。
「まったく、話も聞かずに行くんじゃねえよ。追いかけるのが手間だったじゃねえか」
「マルス、お前、どうやって……」
嘆息と共に聞こえてきたマルスの声にノゾムが振り向けば、そこには南門に残して来たはずのマルスの姿があった。
ありえない。そもそも、今のノゾムは封魂の縛鎖を解放している状態だ。
その身体能力の異常さは、Sランクの中でも隔絶している。
「まあ、ちょっと秘密があってな。ほら、時間がないんだろ。あの爺は任せて、さっさと行けよ」
プラプラと手を振り、ノゾムに先に言うよう促すマルス。
聞きたいことはいっぱいあったが、今は時間が一秒でも惜しいのも事実。喉元にこみ上げてくる疑問を飲み込みながら、ノゾムはフランシルト邸を目指して駆け出した。
「させません」
「こっちのセリフだ」
先を目指そうとするノゾムを遮ろうと五つの魔力弾を放ったルガトだが、その魔力弾は射線上にマルスが割り込んできた。
左手一本で振るわれた大剣は風の刃を纏い、唸りを上げながら、ルガトの魔力弾を一太刀ですべて粉砕する。
「っ!」
かつて自分を一方的に追い詰めた少年と同等の身体能力を発現させているマルスに、普段は超然としているルガトの表情が一気に険しくなった。
「その力、以前の貴方にはなかったもの。一体何が……」
「成長しているのは、ノゾムだけじゃねえってことさ」
マルスはおもむろに、右手を固定していた布を取り払う。
見えたのは肩から上腕にかけて刻まれた刺青。大気を渦巻く風を模した陣であり、魔気併用術によって荒れ狂う魔気を制御するためのもの。
それは、かつてトムがマルスの手甲に刻んだ術式を、ティマと協力してさらに発展させたものだった。
「これは、魔法と気術を融合させて……」
「いくぞ、以前は散々やられたからな。リベンジマッチだ」
マルスの弛まぬ鍛練と、ティマとトムの制御術式により、完全に制御された魔気併用術が発動する。
魔法と気術、双方の身体強化が発動され、その効果を劇的に高める。
かつて自分を降したノゾム・バウンティスにも匹敵する覇気を纏うマルスに、ルガトは一切の加減を捨て、最速で己の魔法を叩き付けた。
ヴィトーラに血を注がれたアイリスディーナは、首筋に走る、体の内側を虫が這い回るような痛みに、必死に耐えていた。
しかし、ミシミシと軋みを上げながら体内を浸食してくるヴィトーラの力は、アイリスディーナの抵抗をまるで漂う落ち葉のように押し流し、彼女の体を浸食していく。
「ぐうううう!」
苦悶の声を漏らしながらも、アイリスディーナは唇を噛み締め、自分の意識を保とうとする。
グールになる条件は、親となる吸血鬼が送り込んだ魔力に、送り込まれた人間が屈してしまうことだ。
つまりアイリスディーナが気を失った瞬間が、彼女の魂がヴィトーラの力に敗れた時であり、彼女がグールへと落ちてしまう瞬間でもある。
「姉様!」
アイリスディーナの傍にいたソミアが手を掲げ、魔力をアイリスディーナの体に流し込む。少しでもヴィトーラの魔力の寝食を抑えようとしているのだろう。
だが、ソミアの注ぐ魔力も、ヴィトーラの血からは瞬く間に塗りつぶしていく。
「無駄だ。私の力は魔力だけでなく、源素も含まれている。そもそも、そんな蜻蛉のような魔力で、止められるはずもない」
(母様……!)
ソミアは心の中で、亡き母の名を呼ぶ。
守られてばっかりだった自分。だからこそ、ずっと守ってくれていた姉を、今度は自分が助けたい。
自分の内側に語り掛ける彼女の言葉に呼応するように、魔力とは違う純白に輝く光が、彼女の体から溢れだしてきた。
「ほう……」
ソミアの体から溢れてきたのは、真っ白な源素の輝き。純粋な魂の力。
かつて彼女の母親が、死産となりそうだった末娘の為、己の魂を捧げるために使った魔道具の力。そして、この一件のそもそもの元凶。
ソミアはかつて母親の命と引き換えに自分の命を救った魔道具の力を、姉を救うために使い始めていたのだ
「そういえば、お前は霊炎の炉と同化していたな。なるほど、それならば、魂の力たる源素をつかえる事も納得できる」
無意識に己と同化した魔道具の力を使い始めたソミアの姿に、ヴィトーラはスラリとした顎を撫でながら、愉快そうに眺めている。
「とはいえ、まだ足りんがな」
だが、それでもヴィトーラの力を押し返すには足りない。
アイリスディーナの首筋から広がる葉脈を思わせる黒い筋は、僅かにその速度を落としはしたものの、変わらずに彼女の首から顔、そして体へと広がっていく。
そして、浸食してくる魔力の影響か、真っ白だったアイリスディーナの髪が、少しずつ銀色へと変化していく。まるで、親であるヴィトーラの姿を写していくかのように。
「姉様、頑張って!」
「く、ううううう!」
ソミアの鼓舞にアイリスディーナも必死に抗う。しかし思いとは裏腹に、彼女の意思は徐々に薄らいでいった。視界が端から黒色に塗りつぶされ、耳が遠くなっていく。
そしてついに、針で突いたような穴だけを残し、視界は真っ黒に染まり切ってしまった。
アイリスディーナに脳裏に諦めが浮かぶ。
完全にグールとなってしまったら、最初に犠牲になるのは、ソミアだ。
自裁。その言葉が脳裏に浮かび、アイリスディーナは腰に携えた愛剣に手をかけた。
目の前の妹と父、母同然だった従者。そしてノゾムに心の奥で詫びながら、細剣を引き抜こうとする。
「本当、しょうがないわね」
その時、この緊迫した場には妙に場違いな、あきれたような声が響いた。
吹き荒れていた嵐が治まり、紅の微風が凪ぐ。
「リサ、君……」
ほんの僅かに残ったアイリスディーナの視界が、紅髪の少女の姿を捉えた。
いつの間にそこにいたのだろうか。リサ・ハウンズは、開いた応接間の扉にもたれかかりながら、アイリスディーナをじっと見つめている。
「……誰だ?」
「ああ、そこの大馬鹿さんの同級生兼、恋敵です」
突然の闖入者に、怪訝な声を漏らすヴィトーラ。一方リサは苦しむアイリスディーナを指さしながら、軽い足取りで応接間の中へと入ってくる。
ヴィトーラの体から溢れる魔力は未だに昂ぶり続け、その勢いは全く衰えていない。吹き荒れる力の奔流は全身に浴びるだけで、気の弱いものなら気絶するだろう。
そんな威圧感を前にしても、不遜な態度を変えないリサの様子が、ヴィトーラの興を刺激する。
「私の事は気にしないでください。正直、フランシルト家とウアジャルと家の問題に首を突っ込む気はないんですよ」
「ほう、じゃあ、なぜ態々ここに来た?」
「先ほど言ったじゃないですが。そこの女は恋敵。でも、それでも死なれると胸糞悪いですし、死んだらアイツが自分を責めます。それはちょっと許容できないんで……」
スタスタと応接間の中央に来たリサは、うずくまるアイリスディーナの前に立つ。
姉に必死で魔力を与えていたソミアもまた、驚きの表情で彼女を見上げていた。
「リサさん……」
「気にしなくていいわよ。これは借りを返すだけだから」
そう言って、リサはソミアと同じように手をかざし、アイリスディーナに魔力を注ぎ始める。
アイリスディーナの体に浮かぶ黒い葉脈の浸食速度が、さらに緩やかなものになった。
「それで、お前程度の魔力でどうにかなると?」
「なるわけないじゃないですか。精々、時間稼ぎが精一杯。はっきり言って、可能性はほとんどない」
アイリスディーナに魔力を与えているリサだが、彼女自身も、ヴィトーラの力を止められるとは思えなかった。
視線を向けられただけで、胸の内からふれだす恐怖心。見た目は人なのに、まるで自然災害と相対しているような圧迫感が、リサの心と体に襲い掛かっている。
それに、多少抑えたとはいえ、リサの目から見ても、アイリスディーナがグール化するのは時間の問題だった。
すでに黒の葉脈は、彼女の全身に及んでいる。遠からず、アイリスディーナは理性を失い、ただ周囲の動くものを襲うだけの化け物に成り果てるだろう。
「でも……アイツは、約束を守る奴なんで」
それでも、信じるものが彼女にはあった。たとえ心折られても、約束を最後まで果たしてくれた幼馴染が。
ズドン!
次の瞬間、巨大な光の円柱が、窓の外に出現する。
立ち上る五色の光。遠目でもハッキリと感じる、桁違いの力の発露。
ヴィトーラの瞳がこれ以上ないほど見開かれ、続いて蠱惑的で凄惨な満面の笑みが浮かぶ。
「ルガト」
「はっ……」
主の呼びかけに、吸血鬼の老執事が頷く。
彼は全身を蝙蝠の群れへと変えると、窓を破り、五色の光が立ち上る方へと飛び去って行った。
キイキイと響く無数の蝙蝠たちの鳴き声を背中に浴びながら、リサは今一度、アイリスディーナを見下ろす。
「ほら、気張りなさい。アンタがあの女に負けたら、問答無用で私が介錯するから」
リサがアイリスディーナに向けるのは、挑発の笑み。
ほらどうした? これが限界なのか? と、釣り上げた口元となじるような視線で、彼女を煽る。
「それから、グールになって醜くなった貴方にこう言ってやるわ。お生憎様、これでノゾムは私のもの!」
「ふざ、けるな……」
叩きつけられる最大級の挑発に、黒一色に塗りつぶされていた視界が一気にクリアになった。
全身に走る激痛も忘れ、白髪の少女は見下ろしてくる紅髪の少女にむかって吼える。
「君に、だけは、絶対に負けない!」
「なら精々気張れ、いい子ちゃん! ノゾムに悲しい顔させたら、私が地獄まで行ってアンタをブッ飛ばしてやるわ!」
次の瞬間、轟音を響かせながら応接間の壁が切り飛ばされ、虹色の光を纏った影が飛び込んできた。
いかがだったでしょうか。色々な事があり、全く手につかなかった第8章、ようやくここまで書けました。
後は走り切るだけ。
書籍版も含め、よろしくお願いします。