ヒロイン達
アイリスディーナ・フランシルト
フォルスィーナ国の重鎮、フランシルト家の令嬢で、次期当主が確実視されている少女。
艶のある黒髪と、整った容貌等から、学園だけではなく貴族界でも名が通っている。
令嬢としてのたおやかさだけではなく、次期当主としての凛とした顔を併せ持つ。
幼いころから貴族の社交場に出ていただけあり、人を見る目に長けている。
また、そのおかげで他者の欲望や害意というものに敏感で、幼いころから色々な意味で大人びてしまった。
家族の事を何よりも大切だと感じ、特に血の繋がった妹を溺愛している。
おおよそ欠点というものが見当たらない少女だが、妹や家族のことになるとかなり取り乱す場面が多い。
妹を通じてノゾムと出会い、その後、最愛の妹を助けてくれたことから、交友が始まる。
権力などに固執していないノゾムに対して、初めはよい友人という感覚であったが、徐々に惹かれていく。
その気持ちは日に日に高まり、森でノゾムが暴走した際には、大勢の仲間の前で“傍にいてくれ!”と告白じみた言葉まで言い放っている。
今では、完全に自分の恋心を自覚しており、数奇な運命を背負うことになった彼の隣に立てるよう、努力を続けている。
ただ、今まで恋というものを経験してこなかったので、ノゾムと契約を結んでいるシーナに劣等感を感じたり、ノゾムとリサとの約束に嫉妬心を抱いたりするなど、年相応の初々しさも見せるようになっている。
アゼル襲撃の際、暴走したノゾムを止めようと魔力を過剰使用したせいで、髪の毛が白く脱色してしまった。
好きな動物は犬。
アビリティ 即時展開
魔法の詠唱を省略し、思考するだけで即座に魔法を使用することができるアビリティ。
このアビリティによる魔法展開効率は、本人の思考力に依存する。
基本的にこのアビリティで展開した魔法の威力は、詠唱式や陣式に劣ってしまうのが一般的である。
しかし、アイリスディーナは詠唱式や陣式とほぼ変わらぬ威力で魔法を行使することができる。
シーナ・ユリエル
三学年二階級に属する、エルフの少女。十年前の大侵攻で故郷と両親、姉を失う。
その後、故郷であるフォスキーアの森の奪還と、家族への復讐をするためにアルカザムに赴く。
エルフは精霊魔法と呼ばれる強力な魔法を使いこなせるが、大侵攻で故郷を失って以降、精霊と契約することができなくなっていた。
それでも、己の目的の為に、卓越した弓術などでソルミナティ学園に入学する。
学園に入学以降は、トムとミムルという友人もできたが、幼いころから傍にいた精霊達との契約は、相変わらずできないままだった。
ノゾムとの出会いは、彼が心無い学園生に絡まれているところを助けた事から。
しかし、彼女は集団暴行という愚行を止めただけであり、ノゾムに対してはどうしようもない悪人という認識だった。
その後、森の中で故郷を滅ぼした元凶であるアビスグリーフと遭遇。復讐心から暴走し、窮地に陥ってしまう。
その際にノゾムが割って入り、無事逃げ延びることができたものの、彼女を庇ったトムが負傷。結果、ミムルと衝突してしまう。
復讐心で我を意失った自責の念から、彼女は一人でアビスグリーフを倒そうとするも、精霊魔法が使えない彼女では手も足も出なかった。
その際に助けに来たノゾムに諭され、後を追ってきたミムル達とも仲直りをする。さらに今まで出来なくなっていた精霊との契約を再び果たすことができた。
精霊の力を借りてアビスグリーフを撃退した後は、ノゾムに恩返しをしようと心に決める。
屍竜の一件でノゾムとマルスが衝突した際は、ノゾムの相談に乗り、二人が仲直りするきっかけを作った。
また、ノゾムと契約でつないだ魔力路を維持しており、ティアマットに干渉を受け続けているノゾムを影から支えてもいた。
ノゾムに対しては恩人という感覚だったが、ミムルやアイリスディーナ達の影響、意識不明となったノゾムの様子、リサの一言等から自分の恋心を自覚。しばらく羞恥に悶えるものの、今では一人の女性としてノゾムを支えることを決めている。
それでも、あからさまに指摘されるとやっぱり恥ずかしい。
特別なアビリティは持たないものの、精霊に対して意思疎通ができ、精霊魔法という極めて強力な魔法を扱うことができる。
弓術の腕も確かで、身のこなしも軽い。ちなみに握力はミムルが悶絶するほど強い。
リサ・ハウンズ
ノゾムとは幼馴染で、かつては恋人だった紅髪の少女。
幼い頃に母親の故郷だったオイレ村に妹と一緒に移り住み、そこでノゾム、そしてケンと出会う。
幼いころから活発で、オイレ村でも子供たちのリーダー的存在であったが、同時に自分がよそ者であるというコンプレックスも持っていた。
同時に父親と一緒に過ごしていた日々から、亡き父に憧れ、それが彼女が冒険者を目指すきっかけとなる。
時を同じくして、同じくガキ大将であったムジルに父親を早くに亡くしている事を揶揄され、その時にノゾムとケンに庇ってもらったことから、彼らに自分の夢を話す。
その時に励ましてもらったことから、冒険者になることを決める。
ムジルから庇ってもらって以降、彼女はノゾムの事を意識し続けるが、ケンの気持ちには気づいていなかった。
ノゾムと恋仲になり、ソルミナティ学園に入学してしばらくは、必死に強くなろうとするノゾムを献身的に支えていた。
しかし、ケンの姦計に嵌り、ノゾムを裏切り者と罵ってしまったことで、彼の孤立を決定付けてしまう。
その後、傷心からケンと付き合い始めるが、ノゾムの存在があまりに大きかったため、恋愛恐怖症ともいえるような状態になり、異性とはキスなどの過度な接触が一切できなくなってしまう。
その後二年間、学園の授業は難なくこなし、実技ではトップクラスの成績を収めるなど成長したように見える彼女だったが、その心はどこまでも内向きで停滞したままだった。
そして、それこそがケンが望んだ事でもある。
ノゾムが逃避を自覚し、過去の清算をしようとリサと接触し始めたことで、ノゾムの姿が以前とまるで変わっていない事を知り、徐々にケンが施した姦計が崩れ始める。
焦ったケンが傷害事件を起こし、その罪をノゾムに擦り付けようとするところを目の当たりにする。
そして、全ての元凶がケンである事。そして彼が、自分の命を言い訳にしてソミアを傷つけようとしていることから、彼を拒絶。
最終的にアビスグリーフに寄生されたケンによって、捕食結界内に閉じ込められ、死にかけるが、ノゾムの献身によって助け出される。
しかし、これが原因で、ノゾムは一時的に意識不明の重体となり、時を同じくして学園生からの評価が一気に反転。心無い言葉をぶつけられるようになり、これがさらに彼女の精神を追い詰めてしまうことになった。
一時は自責の念から自分を暴行しようとする生徒に対しても抵抗する心を失ってしまうほど消耗してしまうが、アイリスディーナやシーナに喝を入れられ、どうにか立ち直る。
それからノゾムと話をしようとするが、そこでアゼルがノゾムを襲撃。
窮地に陥ったノゾムを助けようとアゼルに攻撃を加えるが、逆にアゼルから反撃を受け、重傷を負ってしまう。結果、ノゾムがティアマットとの憎悪と同調し、暴走するきっかけとなってしまった。
その後、ゾンネによって助けられたリサは、アゼルの所為で暴走してしまったノゾム相手に奮闘。紅の長髪をバッサリ切られてしまう結果になったが、結果的にノゾムを正気に戻すことに成功する。
そしてノゾムの気持ちを理解した彼女は、過去を清算し、もう一度夢に向かって歩むために、涙を流しつつもノゾムに別れを告げた。
アビリティ ニベエイの魔手
対応した魔法の効力を倍加させるアビリティ。
本人の身体能力も相まって、抜群の突破力を体現する。