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第6章第14節

お待たせしました。第14節投稿しました。

 武技園に人々のざわめきが響いている。

 数多の目がこの武技園の中央で対峙する2人に注がれていた。

 その得物も、その体躯も、その評判もまったく正反対な2人。

 ジハード・ラウンデルとノゾム・バウンティス。

 両者は互いに相手から目を離さず、その場に佇んでいる。

 そんな両者をフィールドの外から眺めている3学年生達。彼らもまた、予想外の対戦に動揺を隠しきれていなかった。


「どういう事だよこれ?」


 首を捻る1階級の生徒に反応したのはケヴィンだった。

 彼は不愉快そうな表情を隠すことなく、吐き捨てるように言い放つ。


「へっ、時間の無駄だぜこんなの。ジハードに一撃で沈められるのが落ちだ」


「そうだよ。何であいつからなんだ? せっかくジハード先生に手合わせしてもらえると思っていたのに……」


「まあ、いいんじゃないか? ケヴィンの言うとおり、どうせ数秒で落とされるさ」



 周りにいた3学年の生徒達もまた、ケヴィンの言葉に頷き、口々に不満の声を上げていた。

 彼らからすれば、ジハードと手合せできるこの瞬間は、自らを高める為のまたとない機会なのだ。

 そんなチャンスを自分達の前から掻っ攫った存在に、彼らが好意的になれるはずもない。ましてや、自分達よりも遥かに弱く、恋人であった人を捨てるような奴だと思っている相手なら尚更だ。

 そんな中、彼らの言葉に口を挟んだのはノゾムと同じ10階級のマルスだった。


「どうかな? ジハードの奴は自分の剣を使わないようだが……」


 先程聞こえてきた嘲笑が気に食わなかったのだろう。マルスの表情は厳しくいつ爆発してもおかしくないような怒気を放っている。

 事実、彼は今にもキレそうなのだろう。硬く握りしめた彼の拳は小刻みに震えていた。


「それがなんのハンデになる? お前達は知らないようだが、ジハードが俺達の相手をする時はいつもあの得物を使っているのさ」


 マルスの言葉に対して、小馬鹿にするような口調で言い返すケヴィン。

 その言葉にマルスは眉を顰めた。


「……本当なのか、アイリスディーナ」


「……ああ。悔しいが、私自身、あの人が私達相手に“顎落とし”を使っているところを見たことはない」


 マルスは隣にいたアイリスディーナに確かめるが、どうやら本当にジハードはあの巨剣を彼女達に使った事はないらしい。

 まあ、確かに持ち主の身の丈を上回るような巨剣だ。そんな剣を使って手加減しろと言う方が難しいのかもしれない。

 だが、そこまで考えてマルスは首を振った。


「いや、それだけアイツが化け物じみているのか……」


 マルスの脳裏に甦ったのは、かつて自分が相対したSランクの吸血鬼だった。

 一人で同時に10の魔法を操るとか、とんでもない事を平然とやって来るし、おまけに吸血鬼特有の異能もある。

 アイリスディーナ、ティマ、そして自分が同時に相手をして、時間稼ぎしか出来なかったことを考えれば、ジハードが自分の愛剣を使わないようにしている事も当然なのかもしれない。

 そう考えると、今自分の隣で煩い奴が、こんな風に考えてしまうのも当然かもしれないとマルスは思えてきた。


「俺やアイリスディーナですらジハードを本気にさせることが出来ないんだ。あの最底辺じゃ打ち合うことすら無理だな」


 鼻を鳴らしているケヴィンを横目で眺めながら、マルスは先程まで腸が煮えくり返りそうな程の怒りが治まっていることに気付いた。

 ケヴィンよりノゾムの事をたくさん知っている故に冷静になれているのかもしれない。

 そんな事を考えながら、マルスは反対隣りにいたアイリスディーナやシーナ、ティマ達に目を向ける。

 アイリスディーナもシーナもケヴィン達の言葉はさほど気にしていないのか、その眼はずっとアリーナの中央にいる2人に向けられていた。

 ティマは先程まで爆発しそうだったマルスを心配していたのか、やや表情は硬かったものの、今ではホッとして肩の力を抜いている。

 マルスは今一度、自分を落ち着けるように瞑目すると、ゆっくりと口を開いた。


「……さて、どうかな」


 肩をすくめながら、自分の考えを独白するマルス。

 確かに相手は強大だ。能力抑圧によって接近戦しか活路を見いだせないノゾムが、あの力を使わずにジハードに勝てる可能性はほとんどないだろう。

 だがそれでも、マルスには何かアイツならやらかすんじゃないかという予感があった。

 自分の持つ技量が周囲とどれだけ隔絶しているかに全く気付いていないノゾムの事だ。少なくともあいつが未だに最底辺だと見くびっている奴らの度肝を抜くぐらいはやってくれるだろう。そう考えると、思わず頬が吊り上がる。

 そんなマルスの表情にケヴィンが顔を顰めていた。

 再びケヴィンが何かを言おうと口を開いた時、凛とした声が辺りに響く。


「どちらにしろ、すぐに分かるさ……。もっとも、純粋な戦いだけならノゾムが簡単に負ける姿は想像できないが」


「戦いは常に何が起こるか分からないわ。それは、貴方もあの特総演習で気付いているはずよ」


 声の主は彼らのすぐ傍にいた黒髪の少女と妖精族の少女だった。彼女達はよく通る、凛とした声を響かせ、ざわついていた周囲を黙らせる。

 アイリスディーナとシーナの言葉にケヴィンもまた言葉に詰まった。

 確かにあの時、演習場の只中に突如として出現した屍竜の存在は記憶に新しい。

 圧倒的な体躯と死してるが故に痛みを感じない身体。そして飢餓感に突き動かされるまま暴れまわった暴力の化身。

 あの存在は3学年の生徒達にとって、久し振りに感じられた死と言う存在そのものだった。

 もしジハードが救援に駆けつけていなかったら、死者が出てもおかしくなかった事態だったのだ。

 その事実を知るがゆえに、その場にいた誰もがアイリスディーナ達の言葉を鼻で笑う事はなく、重い静寂がその場を支配した。

 アイリスディーナとシーナは押し黙った周囲を一瞥すると、チラリと横目で近くにいる紅髪の少女を眺めた。

 彼女達は今、フィールドの中央に立つ彼をただ黙って見つめている。

 一見無表情に見えるその顔。だがノゾムがジハードに名を呼ばれ、フィールドの中央に立った瞬間、彼女の瞳の奥が揺らめいたのをアイリスディーナ達は見逃さなかった。

 それはノゾムの身を案じているのか、それとも他の理由なのか。

 隣にいたカミラが何か話しかけているようだが、あいにくと距離があるので何を話しているのかは分からない。

 ただ、よく見ると、彼女の肩が僅かに震えていた。









 そんな重苦しい会話が交わされているとは露知らず、ノゾムは目の前に立つジハードに踏み込む機会を必死に探っていた。

 自分自身に問題はない。腰に刺した刀も、気量も、体調も万全だ。

 だが踏み込もうにも踏み込めない。

 腰を落として構えているノゾムに対し、ジハードは佇んだままで構えすらしていない。

 ジハードが右手に持つ大剣は切っ先をだらりと地面に向け、左手のタワーシールドはその圧倒的な威容をノゾムに向けることはなく、大剣と同じように脇に退けられている。

 相手の視線、表情、得物、立ち姿、重心の位置。

 どれも一見すると隙だらけだが、その身が適度な緊張感を保ち、すぐさま動き出せることがノゾムには分かった。


“下手に踏み込んだら即殺される!”


 そんなイヤな予感がノゾムの頭から離れない。首筋にピリピリとした痛みを感じる。

 自らの師匠やアイリスディーナの屋敷でルガトと対峙したときと同じ威圧感。

 それを前にして、容易に相手の間合いに踏み込めるとはノゾムは思えなかった。 


「ふむ、簡単には踏み込んではこないか。なら……」


「っ!」


 次の瞬間、ジハードの足元の地面が轟音とともに吹き飛ばされる。

 2メートル近い巨漢が一気に加速し、その体躯からは想像もできない速度でノゾムめがけて突っ込んできた。


「は、速っ……!」


「ぬん!」


 ジハードの大剣がノゾムめがけて打ち下ろされる。常軌を逸した速度で振るわれた大剣。だが、ノゾムの眼にはその軌跡がしっかりと見えていた。


「ふっ!」


 ノゾムはジハードの剣筋を一瞬で見切り、すり足で半歩後ろに下がる。

 唸りをあげてノゾムに迫るジハードの轟剣。だがその軌道では、紙一重の距離でノゾムの鼻先を通りすぎる。そしてノゾムの刀に比べて、ジハードの大剣は取り回しも悪い。

 今なら踏み込める。そう判断したノゾムが刀の鯉口を切る。

 大剣が通過した瞬間、ノゾムは一気にジハードめがけて踏み込もうとするが、その瞬間、ノゾムの眼に隆起したジハードの腕の筋肉が映った。


「っ! まず……!」


「むん!」


 ノゾムは慌てて体を捻って身を逸らす。

 次の瞬間、振り下ろされていたはずのジハードの剣が突きに変わり、軌道を変えながらノゾムに迫ってきた。


「ぐっ……!」


 ノゾムの胸板を掠めるようにジハードの大剣が通過する。服のボタンが弾け飛び、シャツに一筋の裂け目が刻まれた。

 ノゾムの頬に冷や汗が流れる。正直、あそこまで加速した大剣の軌道を片手で変えてくるとは思わなかったのだ。


「だけど……!」


 ノゾムは刀を納めたままの鞘を、ジハードの大剣の下から打ち上げるように叩きつけた。

 伸びきったジハードの腕では打ち上げてくるノゾムの打撃に抗することは出来ない。

 気を全開にして体を強化し、相手の剣を上に逸らしながら、叩きつけた鞘を基点に体を回転させる。


「せい!」


 ノゾムはそのまま踏み込みつつ抜刀。がら空きになったジハードの脇腹めがけて刀を振り抜こうとする。

 だが、ノゾムの斬撃は甲高い音とともに弾かれてしまった。

 ノゾムの刀を弾き返したのはジハードのタワーシールド。

 自らの突きをノゾムに逸らされたジハードだが、剣を上に持ち上げられた勢いを逆利用して体を捻り、左手に持ったタワーシールドでノゾムの刀を下から弾いていたのだ。


「っ……」


 あまりに強い力で弾かれたために、ノゾムの上体が浮いてしまう。

 体勢を崩されたノゾムの目に、突き入れた大剣を戻して腰だめに構えるジハードの姿が映った。今度はジハードのターンである。


「ぬううん!」


 ジハードが大剣の刃を返し、そのまま横なぎに振り払う。ノゾムが体勢を立て直したときには、彼はもうジハードの剣撃を避ける事は出来なくなっていた。


「くっ……!」


 刀を掲げてジハードの剣撃を逸らそうとするノゾム。

 しっかりと両足で地面を捉え、相手の剣の軌道に刀を沿わせようとする。

 迫り来る大剣がノゾムの刀に触れそうになる瞬間、ノゾムは脇に力を入れ、迫り来る衝撃に備える。


「がっ!!」


 だが、実際にノゾムの腕にかかった力は彼の想定よりも遥かに大きかった。

 かつて相対したキクロプスの打撃と同等の衝撃が腕に走る。

 ノゾムの身体が宙に流れ、受け流しきれなかった衝撃でたたらを踏む。だが、ジハードの攻勢はそれだけでは終わらなかった。

 迫りくる巨大な影。

 次の瞬間、ノゾムはジハードの盾で思いっきり殴り飛ばされていた。


「ぐがっ……!」


 吹き飛ばされ、転がるノゾムの身体。

 地面に叩きつけられる衝撃で視界がゆがむ中、ノゾムは必死に体を動かして跳ね飛ぶようにその場から飛び退いた。

 刹那の後にノゾムが倒れていた地面にジハードの大剣が突き刺さる。

 吹き飛ばしたノゾムにすぐさま追撃をかけていたジハードだが、ノゾムは間一髪、ジハードが追撃をかけるよりも早く回避に成功していた。

 ノゾムは一旦ジハードから距離を取る。ジハードも追撃はせず、再びその場に佇んだ。


「よく避けたな」


「はあ、はあ……。吹き飛ばされたことは何度もあるので」


 淡々とした口調のジハードに対して、ノゾムの息はやはり荒い。

 緊張感から心臓が早鐘に様に鼓動を刻んでいるが、ノゾムの口調は何処となく懐かしさを思わせるものだった。

 ノゾムの脳裏には師との鍛錬の日々が蘇える。

 殴られたり、投げ飛ばされたり、斬られたりと生傷が絶えなかったが、その日々はしっかりとノゾムの血肉となって体に染みついていた。

 先ほど吹き飛ばされた時にノゾムが即座に回避に転じたのも、師との手合わせの際にそうしなければ即座に失神させられる事を体に叩き込まれているからだ。

 距離をあけ、睨みあう両者。

 ノゾムは全身を土塗れにされながらも、真っ直ぐにジハードを見据えている。

 その時、ふとジハードが頬を緩めた。


「いい眼をしている。戦いの流れを読み取る感も悪くない。なるほど、アンリ女史が一目置き、あの魔獣から逃げ延びたのは偶然ではないようだ」


「どうも……」


 いきなり賞賛されたことにノゾムは戸惑いながらも少し気恥ずかしさを覚えた。

 返す言葉も緊張からか、何処か腑抜けたものになってしまう。


「だが、まだ足りないな。もう少し、見せてもらおう」


 いきなり妙な言葉を掛けられて所為で気が抜けたノゾムだが、次の瞬間、ジハードの身体から迸った戦意を前にして、一気に緊張感を取り戻していた。


「いくぞ」


「っ!!」


 その言葉を合図にしたかのように、ジハードの気が一気に高まる。そして、信じられないほど膨大な気がジハードの足元に集約された。

 響き渡る炸裂音。再び瞬脚を発動させたジハードが、再びノゾムめがけて突進してくる。


「ぜい!」


 袈裟掛けに大剣が振りぬかれた。ノゾムは身を捻って体剣の軌道から己の身を逸らす。

 だがジハードはすぐさま剣の軌道を変え、横薙ぎへと繋げてきた。

 ノゾムはしゃがんでジハードの剣撃をやり過ごすが、ジハードの剣舞は途切れることなくノゾムに襲いかかってくる。

 右薙ぎからの逆胴、切り上げからの打ちおろし、袈裟掛けから突きの連携。

 それは積み上げられた経験と確かな技術の上に成り立つものだった。

 恵まれた体躯が持つ膂力とキクロプスが持っていなかった剣技の調和が、ノゾムを一気に追い詰めていく。


「くそ!」


 ノゾムは必死にジハードと彼が振るう刃に意識を集中させる。

 相手の目線や全身の筋肉の動きから相手の動作を予測し、相手の攻撃から体の軸をそらしてひたすら回避に専念する。

 だが、まるで嵐のようなジハードの連撃の渦の中で、一撃も受けずに回避しきることは不可能だ。

 ノゾムはやむを得ず、後方に跳んで相手の間合いから離脱する。一旦この場を仕切り直しにするつもりだった

だが、それすらもジハードの罠だった。

 ノゾムの背中に何かが当たり、衝撃が走る。


「なっ!?」


 ノゾムが驚きの声を漏らしながら後ろを覗くと、彼の視界に光る魔法障壁が飛び込んできた。いつの間にかフィールドの端に追いやられていたのだ。


「しまっ……!」


 あわててその場から離脱しようとするノゾム。

 だが次の瞬間、彼の眼に飛び込んできたのは視界いっぱいに迫ってきたジハードのタワーシールドだった。


「がっ……!」


 盾を掲げたまま突進してきたジハードは、そのままノゾムの身体を障壁に叩きつける。

 タワーシールと魔法障壁に挟まれ、ノゾムの口から苦悶の声が漏れた。

 全身に走る衝撃と圧迫感。ジハードは動けないノゾムの襟首をつかみ上げると、そのまま彼の体を勢い良く放り投げた。

 ノゾムの体はまるで木端のように投げ飛ばされていく。

 地面に叩きつけられ、転がっていくノゾムはフィールドの中央近くでようやくその動きを止めた。


「がっ、ぐう……!」


 荒い息を吐きながら、ノゾムは両腕に力を入れて何とか上体を起こす。

 投げ飛ばされるときに頭を打ったのだろうか、ノゾムは地面に付いている自分の両手が霞んで見えていた。


「く、くそ……」


 しっかりしろと自分に言い聞かせるように、ノゾムは頭を振って前を見据える。

 ぼやける視界の奥からは、壮年の剣士がゆっくりとした足取りでこちらに近づいてきていた。

 武技園の観客席を背にしたまま、こちらに歩み寄ってくるジハード。

 その姿を見た瞬間、ノゾムの視界に閃光が奔った。


「な、何だ……?」


 彼の目に瞬きのように映ったのは白く輝く武技園の中ではなく、鬱蒼と茂る森の中で、自分と同じ様に一振りの刀を携えた女性。

 もう二度と会うことの出来なくなったが、それでも沢山の大切なことを教えてくれた人。

 それはノゾムが誰よりもよく知る、大事な女性の姿だった。


「師匠……?」


 師とジハードの姿は重なりながら、まるで星の瞬きのように入れ替わり続けている。

 その光景に、ノゾムは思わず声を漏らした。


「ん?」

 

 ノゾムの言葉に首を傾げるジハード。だが誰よりもその言葉に驚いていたのは、今しがたその言葉を発したノゾム自身だった。

 どうして自分はそんな言葉を口走っていたのだろうか?

 訳が分からないままノゾムが混乱していた時、良く知る親友の声がアリーナ中に響き渡った。


「こらー! ノゾム、何で本気出さねえんだ!」


「マ、マルス!?」


 突然響いたマルスの声に驚いたノゾムが慌てて声のする方に目を向けると、フィールドの端にいたマルスが身を乗り出していた。


「お前、さっさと技使えよ! さっきから隣にいる白髪頭の犬がキャンキャン煩いんだ。この犬黙らせるためにもさっさと本気出せ!!」


 白髪頭……。隣にいるケヴィンの事だろうか? よく見ると今し方犬扱いされた獣人族の青年がマルスに突っかかっている。

 マルスの代わりに身を乗り出してきたのはアイリスディーナとシーナだった。


「ノゾム、心配するな。君が手合せしているのはジハード殿だ! 目の前の相手のことをよく思い出せ!」


「相手の事?」


 アイリスディーナの言葉に促され、ノゾムは今一度目の前の剣士に目を向ける。

 彼はいつの間にかその歩みを止め、ノゾムから10メートルほど手前で佇んでいた。

 ジハード・ラウンデル。

 10年前の大侵攻時、その手に持つ巨剣で押し寄せる魔獣達を切り裂き、兵士達の精神的支柱となった剣士の一人。

 そして、ノゾムの師匠、シノと同格の実力者。

 

「師匠と同じ……」


 その言葉を口にした瞬間、ノゾムの脳裏に再び師との鍛錬の日々が蘇る。

 自分が学んだ技と気術。その全てをつぎ込んでも、最後の一戦以外まったく届かなかった人物の姿。


「そうか、いいんだよな。使っても……」


 目の前の剣士が自らの師と同じクラスの実力者なら、能力抑圧を解放していない今の自分が、殺すつもりで技を叩き込んでも通用するか甚だ怪しい。

 思い出すのは幻無を幻無で相殺するなんで化け物じみた事を、平然とやらかしてきた師匠。その後、彼女に“幻無-回帰-”で袈裟懸けにぶった切られたことはよく覚えている。

 自分も全く同じ事を仕返したとか、そんなことはノゾムの頭からすっかり抜けているが……。


「っていうか、……使わないと俺の命がヤバい?」


 実は今自分は凄まじく危ない事に巻き込まれているんではないのだろうか? 

 そんなイヤな思考がノゾムの頭に浮かび始める。

 もちろんそれは彼の考えすぎというものなのだが、こと師との鍛練の話となると思考が変な方向に行ってしまうノゾムはその事に気付かない。

 変な思考に陥って勝手に脂汗を流していたノゾムだが、突然聞こえてきたソミアの声で我に返った。


「ノゾムさ~~ん! がんばって~~!」


 ふと彼が顔を上げると、観客席から身を乗り出して大きく手を振っているソミアの姿が見えた。


「ソミアちゃん?」


 いつも日向のように明るく、朗らかな天使がノゾムに声援を送っていた。

 よく見ると彼女と同じように手を降ってくるエルドル達の姿も見える。


「ノゾム! 本気でいけよ! 手加減なんかする必要ないからな!」


「ノゾム、いいか! ジハード先生の剣戟に怯むな! 怯めば一気に押し潰されるぞ!」


「貴方の技量はジハード先生に決して劣らないわ! 自信を持って!」


「ノゾム君! 思いっきりやっちゃって!」


 マルスやアイリスディーナ、そしてシーナや同じ10階級のクラスメート達も大きな声でノゾムに声援を送っていた。

 今まで決して向けられなかった声援。独りきりだった時には感じることのなかった熱い何かが、胸の奥から込み上げてくる。


「みんな……」


 じんわりと熱を帯びていく自分の身体。まるで皆から力を分けてもらっているような感覚。


「ふう……」


 ノゾムは目を閉じ、全身の力を抜いた。

 まだ模擬戦は続いているのだ。本来なら無謀な行為以外の何物でもないが、ノゾムは今なら目を閉じようが、寝転がろうが、別にいいかもしれないと思えるようになっていた。

 軽い気持ちで刀を一振りしてみる。

 ヒュッ! と小気味いい音がノゾムの耳に響いた。

 決して速くはない剣筋。だが、今ならそれだけで鋼鉄すら両断できそうな気がする。

 軽く手を握ってみて、自分の状態を確かめてみる。


「うん。大丈夫だ」


 体の痺れはもうない。全身に張る力は力強く、駆け出したらどこまででも行けそうだ。

 そして気力は今までにないほど充実している。


「いいのか?」


「ええ、大丈夫です」


 佇んでいたジハードがノゾムに声を掛ける。

 ジハードの言葉に頷くノゾム。彼の声は決して大声ではなかったが、不思議とアリーナ中の人達の耳に響く声だった。


「そうか。では、続けよう」


 ジハードがタワーシールドを掲げ、ノゾムが腰を落とす。

 ノゾムの目の前に立つのは彼の人生の中でも1、2を争うほどの猛者。

 それでも気負いなど、今のノゾムには微塵もなかった。


「ふっ!」


 瞬間的に気を高め、両足に叩き込んで爆発させる。

 気術“瞬脚”で加速したノゾムは一直線にジハードめがけて駆け出していく。

 ノゾムの突進にあわせて、ジハードが右手に持った大剣を振りかぶった。

 本来両手持ちが前提の大剣をジハードは軽々と振り上げ、ノゾムの肩口めがけて袈裟懸けに振り抜く。

 自身の突進の速度もあり、ジハードの大剣は一瞬でノゾムの眼前に到達した。

 普通に考えれば、加速しきっているノゾムはもう止まることは出来ず、このままジハードに切り倒されてしまうだろう。


「しっ!」


 だが、現実にはそうならない。

 ノゾムはすぐさま“瞬脚-曲舞-”を発動。迫り来る大剣の軌道から己の身をそらしつつ、駆け抜けざまに刀を振り抜く。

 次の瞬間、ギャリリ!という耳障りな音がノゾムの耳に響いた。

 金属と金属がぶつかり、削り取るような音。ノゾムが振り抜いた刀はジハードの盾にしっかりと阻まれていた。

 ノゾムの刀はジハードの体を捕らえることなく空しく火花を舞い散らせるのみ。

 だが、ノゾムは動きを止めない。そんな攻撃は防がれるのが当たり前だと確信していたからだ。

 少なくとも、そんな単純な攻撃が師匠に通じたことは一度もない。下手に動揺して動きを止めれば即座に潰されてしまう事を、彼は身を以って知っていた。

 瞬脚-曲舞-でジハードの背後に回り込んだノゾムは、振り向きざまに彼の背中めがけて刀を振るおうとする。

 しかし次の瞬間、ジハードがノゾムと同じように、振り向きざまに大剣を薙ぎ払ってきた。


「ちっ!」


 ノゾムは即座に刀の軌道を変え、大剣を迎撃しようとする。

 先ほどの打ち合いの結果を見れば、ノゾムにはジハードの轟剣を受けることは不可能だと誰もが思うだろう。

 事実、2人の膂力には差がありすぎた。

 2人の体格差がもたらす筋力差、能力抑圧の影響による気術効果の減退。正面からの打ち合いにおいて、ノゾムには不利な要素しか見当たらない。

 彼らの戦いを離れて眺めていた生徒達もまた、ノゾムが吹き飛ばされる未来しか予想できなかった。


「むっ!?」


 しかし、現実は彼らの予想通りにはならなかった。

 周囲の予想を裏切り、ジハードの大剣はノゾムの体を捕らえることなく空を切っていたのだ。

 初めてジハードの表情が変わる。

 彼の目には振り抜いた刀を切り返し、三度振り抜こうとしているノゾムの姿が見える。


「むん!」


 しかし、数多の戦いを潜り抜けてきたジハードは冷静だった。相手が一撃いなした程度で動きを止めたりはしない。

 すぐさま同じように大剣を返し、逆袈裟に打ち下ろした。


「はああ!!」


 だが、その一撃もまたノゾムに逸らされる。

 3度、4度とジハードが大剣を振るうたびに、ノゾムもまた5度、6度とジハードの剣撃を迎撃した。その全てにおいて、ジハードの剣はノゾムの体を捉えることが出来ていない。

 ことごとく逸らされる自分の剣を見て、ジハードはこれが偶然ではないことを悟る。

 ノゾムの目はしっかりと自分の大剣の軌道を見据え、迷いなく振り抜かれる刀は的確に両者の斬撃が釣り合う均衡点を捉える。

 幾度となくぶつかり合う剣撃の嵐の中で、壮年の剣士の双瞳は、なぜ膂力で圧倒的に劣るノゾムが自分の剣を受けられるのかを見抜き始めていた。


(なるほど、先ほどの奇妙な瞬脚と原理は同じか……)


 彼の目が捉えたのは、ノゾムが刀を振るうたびに彼の足元の土が抉られていく光景だった。それは全身のひねりが足先まで伝わっていることの証左だ。


(それに、打ち合うたびに彼の体が私の剣筋から外れていく。なるほど、私の剣撃の勢いすら回避に使っているのか……)


 瞬脚-曲舞-は、本来直線にしか動けない瞬脚に、腰や肩のひねりによる回転運動を連動させることで複雑な曲線移動を可能とした気術だ。

 それと同じように、今のノゾムは一撃一撃を放つ度に、爪先から手首までの全身の回転運動を連動させて刀を振るっている。

 さらに、自分の力では相手の剣撃をいなしきれないと悟ったノゾムは攻撃を逸らすために相手の力すら利用していた。

 受けに回って受け流せないなら、攻撃的に受け流す。

 それが、ノゾムが出したジハードと打ち合うための手段だった。


「ぜい!!」


 打ち込んだ自分の刀とジハードの剣がぶつかり合う瞬間、押し込んでくる相手の剣に合わせて自分の体をずらし、同時に刀特有の反りと全身の筋肉を柔軟に使って相手の攻撃を僅かでも逸らす。

 受け流しと回避を同時に行うことで、ジハードと真正面から打ち合うノゾム。

 普通なら絶対に不可能とも思えるこの妙技を可能としたのは、均整の取れた全身の筋肉とバランス感覚。そして、剣撃がぶつかる刹那の瞬間と刀にかかる僅かな力の変化を見逃さない集中力だった。

 そして、ノゾムが持つ得物の影響も大きい。

 いかに折れず曲がらずの刀でも、これほどの轟剣だ。並の刀で下手に受ければ一撃でへし折られてしまう。

 だが、ノゾムの刀は師から受け継いだ業物。とある名匠によって作られたその刀は、無茶なノゾムの要求にしっかりと応えてくれる。

 優れた武器と、それを活かしきる技量。その2つを以って、ノゾムはジハードと真正面から打ち合う事を可能としていた。


「はっ!」


「しっ!」


 互いに一歩も引かずに切り結ぶ。気がつけば、20を超える斬撃が両者の間で激突していた。







 アリーナの中央で激突する両者に、誰もが言葉を失っていた。


「なんだよ……。これ……」


 誰かが思わず漏らした声が、周りの空気に溶けていく。

 だがそれは、この場にいた誰もが思っていた事だった。よく見るとあのインダですら絶句している。


「…………」


「あ、ありえない……。ありえない! なんだこれは!」


 カミラも呆然としたまま言葉を失い、ケンにいたってはまるでありえないものを見るような目で、眼前で繰り広げられている戦いを見つめている。

 そんな中、リサもまた目の前のノゾムの姿に目を奪われていた。


「ノゾム……」


 リサの口から思わず出た彼の名。同時に彼女の胸の奥から、言いようのない何かが込み上げてくる。


「ッ……!」


 思わず胸元に手を当てるリサ。

 かき乱される自分の心。頭に響くノゾムとの約束。そしてすべてを失った時の虚脱感。

 思い出すのは幼い頃に自分を助けてくれた彼の後姿。フラッシュバックのように暗明をくり返すその光景が、まるで重なり合うようにジハードと打ち合うノゾムに被さっていく。


「でも、ノゾムは……ううっ!?」


 ガンガンと頭に響く頭痛に顔を顰めるリサ。

 どうしてこんなに頭が割れるような痛みに苛まれ、胸が締め付けられるような思いに駆られるのだろう? アイツは私を裏切った人間のはずなのに……。

 そんな思いが湧き上がるが、同時に胸の奥から染み出してくる暖かい想いも感じていた。

 それはかつて、彼があの約束をした時とよく似た熱。かつて信じられない程の幸せと喜びを感じさせてくれたもの。

 相反する想いの混濁に、只々リサは混乱し続ける。

 そんなリサの動揺を知ってか知らずか、目を向けた先にいる彼はただ真っ直ぐに目の前にいる強敵を見据えている。

 その眼差しがさらに昔の光景を思い出させ、混乱を助長させていく。

 彼女の心の奥から湧き上がる熱と、彼女の心を凍てつかせる氷の矢とせめぎ合い。それはどうしようもないほど彼女を混乱させてしまうだけ。

 アイリスディーナ達がノゾムに声援を送っている。

 彼女達の声を努めて無視するリサ。彼女が出来たことは、ただ黙って目の前の戦いを見続けることだけだった。






 周囲が目の前で繰り広げられる戦いに目を奪われている中、ノゾムとジハードは刃を交え続けていた。


「確かに異常な技量だ。だが……時間の問題だな」


「くっ!」


 ジハードの言葉にノゾムの顔が歪む。

 確かに今、ノゾムは正面からジハードと打ち合っている。だが、彼はジハードの剣撃の嵐を突破できていない。

 いや、むしろノゾムは彼の剣撃を逸らすのに手一杯だった。何とかして切り込みたいのだが、その隙がない。

 この均衡も長くは続かない。その場合、先に綻びが生じるのは持久力で劣るノゾムだ。彼自身、その事は十分理解している。


「だが、十分見せてもらった。君の実力は疑いようがない。この私と、ここまで打ち合える人間はこの学園でも多くないのだから」


 低く、落ち着きのある声。だが、その声色にはノゾムに対する純粋な賛辞があった。

 その賛辞を聞いた時、ノゾムが感じたのは胸の奥から湧き上がるような喜び。

 別に今までこの学園に残っていたのは、褒めて欲しかったわけじゃない。誰かに感謝されたかったわけでもない。

 約束を守ろうと思い、そしてその約束に背を向けて逃げていただけだったからだ。

 シノの無茶苦茶な鍛練に耐えられたのも、その根幹にあるものは逃避だった。

 褒められるような理由じゃない事は十分に理解している。

 それでも、この学園で最も権威があり、尊敬を集めている人物からの素直な賞賛はノゾムの胸を打った。

 心に満ちていく充足感。しかし、ノゾムはまだ終わりじゃないと言う様に首を振った。


「……いや、まだですよ」

 

 そう、まだ終わりではない。何より自分はまだ打てる手をすべて打っていない。そうである以上これで終わりには出来なかった。

 ノゾムが全力で刀を振り抜き、迫りくる大剣を迎撃する。

 再び刃を返そうとジハードが大剣を振りかぶった時、彼の目に黒い影が迫っていた。

 

「むっ!?」


 迫りくる影を、ジハードは盾を掲げて受け止める。それはノゾムが腰に差していた鞘だった。

 突き入れられた鞘尻が、甲高い音を上げてジハードのタワーシールドに難なく防がれる。

 だがそれは想定済みの事。元々これは防がれることを目的にした一手なのだから。

 ノゾムが刀を振り上げて気を送り込むと、全力でその刃を突き入れる。目標は今し方、自分が叩き込んだ鞘の鯉口。


 気術“破振打ち”


 挿し込まれた刀の衝撃と、気の爆発が重なり、ジハードの盾に伝搬する。


「ぬう!?」


 盾に走った衝撃にジハードは目を見開いた。盾だけではなく、腕の芯から響くような痺れが走る。

 本来、浸透剄に分類される破振打ちは、例え防いだとしても相手の内部に深刻な破壊をもたらす。だが、ジハードは咄嗟に気を盾に流し込み、その衝撃の大半を相殺していた。

 それでも、腕に残った痺れは数秒の間、彼の動きを鈍らせる。ノゾムにはそれで十分だった。


「はあああ!」


 ノゾムは、打ち込んだ破震打ちの勢いを利用し、刀を鞘に納めたまま独楽のように体を回転させる。

 再び刀身に気を送り込んで極限まで研ぎ澄ませたノゾムは、納刀した刀の鯉口を切り、回転の勢いを殺さずに一歩踏み込む。

 ジハードは盾を掲げたまま、先程以上の気をタワーシールドに送り込んだ。

 盾を掲げたジハードの姿は、来るなら来てみろ! と言う彼の意思を雄弁に語っている。

 ノゾムの刃が抜き放たれ、光の軌跡を伴いながら一直線にジハードめがけて疾走していく。


 気術“幻無”


 ノゾムの最も信頼する気術が放たれた。

 極圧縮された気刃を付された刃がタワーシールドに一筋の傷を刻む。

 

「むっ!?」


 ジハードが眉を顰めた。

 確かに先程、腕に走った衝撃には瞠目した。だが、盾にはAランクの攻撃を防ぐには十分すぎるだけの気を送り込んだのだ。

 その盾に傷を入れられた。

 その事実はジハードを驚嘆させるには十分だった。


「せええい!」


 さらにノゾムが刃を返す。袈裟懸けに振るわれた極刃が再び盾に傷を切り刻んだ。

 舞い散る火花と共に、掲げたタワーシールドが悲鳴を上げるのを見届けながら、ジハードは右手に持った大剣を掲げた。

 このままいけば彼の刃は自分の盾を断ち切るだろう。だが、それも後数撃を必要とする。そしてジハードにとって、それだけの余裕があれば目の前の強敵を倒すには十分だった。

 盾の利点は攻防を瞬時に入れ替えることが出来る点だ。

 次の一撃を凌ぎ切り、相手が刃を振り抜いた瞬間に大剣を叩き込む。いくらノゾムでも刀を振り抜いた直後は無防備になってしまうのだから、避けようがない。

 タワーシールドを掲げ、ノゾムの斬撃に備えるジハード。しかし次の瞬間、盾の向こうで膨れ上がった剣気にジハードは今度こそ驚きの声を漏らした。


「な、なんだと!?」


 盾の陰からジハードが見たのは、刀の切っ先をこちらに向け、まるで弩弓を構えるようにその身を引き絞っているノゾムの姿だった。

 鋭い眼光がタワーシールドの向こうにいるジハードを捉え、必殺の意思を己の気に込めて刀身に叩き込んでいる。

 ジハードの背中にざわつくような悪寒が走る。この学園に来てからは感じる事のなかった、しかし10年前には日常のように感じていた感覚。

 それは生物が身の危険が迫った時に感じる防衛本能だった。

 

「くっ!」


 まるで攻城弓のように引き絞られた刃が解き放たれる。

 一直線にタワーシールドめがけて迫りくる刃。

 ジハードは咄嗟に盾をノゾムめがけて放り投げ、突き入れられるノゾムの刀の軌道に割り込ませるように大剣を掲げた。

 突き入れられたノゾムの刃が十字に刻まれた傷の中心を捉え、同時に極限まで研ぎ澄まされた刃が解放される。


 気術“芯穿ち”


 解放された気刃が一瞬で盾を貫き、同時に無数の刃となって炸裂する。

 宙に浮いた盾に大穴を穿ち、無数の金属片を舞い散らせながら、炸裂したノゾムの気刃がまっすぐにジハードめがけて襲いかかった。

 



今回はジハード戦前半でした。

一説に纏めようかとも思いましたが、長くなりそうだったので分けることにしました。

その分早く投稿できましたが。

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