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99の扉  作者: 茉由
3/6

ゲームスタート

泣いている奴、叫んでいる奴。


精神が安定しているのは俺と愁だけだ。


といっても、ギリギリで保っている状態。


 とりあえず落ち着かせるために、俺は状況の整理をはじめることにした。


 ここにいるのは全部で10名。


女が3人、男が7人だ。


 白い男のことはとりあえず【管理人】と呼ぼう。


管理人はゲームの説明をした。


タイムリミットの24時間までにここから出る。


扉のどれか一つが正解の扉。


まだ誰も扉を開けていない。


天使の絵の書かれた扉もまだだ。


天使の扉に入ればタイムリミットをのばす事が出来る。


 しかし扉を間違えれば死が待っている。


何かが引っかかる気がするが、全くわからない。


 信じるか信じないかは今はおいておいて、まずはここから出る事を考えるべきだ。


「だれか携帯持っている人はいませんか?


他にも脱出出来そうなものとか」


 誰も答えない。


答えるとこのゲームを認めることになってしまうからだろうか。


「俺持ってる」


 愁が答えた。


「つながる?」


「ちょっと待って……。


無理だ、つながらない」


 これで警察に連絡するという希望はたたれた。


 このまま黙っていても仕方がない。


しかし、他の奴等は言っても聞かないだろうから俺一人でやるしかない。


 散策しようと思い、その場を動くと、愁が俺の肩を叩いた。


 「蓮、俺も手伝うよ」


「ありがとう」


 あらためてこいつがいてくれて良かったと思う。


 「俺、この前脱出ゲームの映画を見た。


それにしてはこのゲーム、大まかすぎると思う」


 最近近所の奴がはまっていて、一緒に見に行く事になったのだ。


確か、ラストは主人公だけが生き残るって感じだったっけ。


「どうゆうこと?」


「俺が見に行った映画の場合、脱出できる確率はここまで低くなかった」


 このゲームの場合出られる確率は今のところ100分の1。


勘で当るような数字ではない。


 これが引っかかっていたのか。


でもこれだけじゃない気がする。


 「とりあえず散策でもしてみようか」


「そうだな」


 散策をしてみたが部屋には何も置かれていなかった。


「何もないな」


「うん。


……あれって開きそうじゃない?」


 愁が指したほうを見てみると、確かに開きそうだ。


ふたのようになっていて、持ち上げれば開くようになっている。


床ということは地下につながっているということだろうか。


 俺達は慎重にふたを持ち上げた。


結構重たい作りになっているので、女一人では持ち上げられないだろう。


 階段があり、それを降りていくと、そこはやはり地下へとつながっていたが、もとの部屋と同じ白い部屋だった。


そのかわりにいくつかの部屋に別れていて、それぞれ生活最低限のトイレ・洗面所などの部屋だった。


 食料も1週間分くらい置いてあった。


どうやら管理人は俺達を餓死させる気はないようだ。


毒が入っている可能性もあるが、食べないわけにはいかないので、二人で10人分の食料をもって行く事にした。


 「痛っ」


何かにつまずいた。


足元を見るとペンが落ちていた。


近くにはメモもある。


「何か意味があるかもしれないよ。


一応持って行ったら?」


 俺は愁のいうとおり、この二つを持って行くことにした。



   プレイヤー    残り10名

   タイムリミット  残り24時間26分




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