白い部屋
部屋の中には、一つの丸いテーブルに10脚の椅子が並べられている。
家具、壁は全部白で統一されている。
扉には1から99までの数字が書かれており、
100枚目だけは数字ではなく天使の絵が描かれている。
机の真ん中には画面があり、映像が飛び出す仕組みになっている。
映像はまるい球体がまわっているだけで変化はない。
「君も気がついたらここに?」
知らない男が声をかけて来た。
多分自分と同い年位だ。
「ああ。君は?」
「僕は高校三年生の宮川 愁」
愁はにこりと頬えんだ。
愁が名乗ったので自分も自己紹介をする。
とりあえず、ずっと独りでいるよりは落ち着くので知り合いが出来て良かった。
突然映像が切り替わった。
音楽も流れたので皆が反応する。
勿論俺も映像を見た。
映像には顔を白く化粧した人間が映っている。
顔の大きさなどからして、多分男だ。
『おはようございます。
皆様お目覚めになられたようですね』
部屋にいる人達が悲鳴をあげた。
声は機会で変えられている為、本当の声は不明。
テレビで女性の声を変えた時のような声だ。
『早速ここに来て頂いた主旨をお話しますね。
【人間】とは理性を保てる生物です。
ですが、それを保てなくなった時、
それらはどのような行動をとるのでしょう』
「意味不明だ!
早くここから出せよ!
仕事に遅れてるんだ!」
俺も同じく理解が追いつかない。
『私は実験をしてみようと思い、皆様を招待しました。
勿論、実験料金は支払います。
しかし貴方達を閉じ込めるだけでは意味を成しません。
そこで私は考えました』
俺達は実験台ということなのだろうか。
話しを聞くにつれて訳が分からなくなってくる。
固まって声を発せない。
隣にいる愁も固まって映像を見つめている。
『ゲーム。
皆様にはそれに参加していただきます。
拒否権はありません』
ゲーム?
理性を失うようなゲーム。
そんなものは存在するのか?
『では、ルールを説明します』