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第87話 ソードリザード

 トカゲの楽園の5階層。

 出てきたのは背中に剣を生やしたトカゲ。

 いや、強そうなのは分かるよ。

 恐竜にもこんなのがいたな。

 でもその剣なんの役に立つ。


 見せかけのハッタリか。


【ソードリザード。けっこう強敵】

【ここでやられる奴は結構いる】


 ええと強敵なのか。

 たしかに背中に乗ってキャメルクラッチは出来ないけども。

 その時、ソードリザードが背中を丸めた。

 そして発射される剣の雨。


 俺は鉄パイプで全て叩き落とした。

 これは、確かに強敵だ。

 弥衣(やえ)達じゃきついかもな。


【おっさん強い】

【直線的に飛んで来るなら叩き落とすのは容易いかもな】

【馬鹿言うな、Aランクぐらいじゃないと出来ないだろう】

【この誘拐監禁野郎】

【おっ、アンチ登場】


 さて、どう攻略しよう。

 シロガネなら剣を避けるか、当たっても大したダメージにはならなさそう。

 盾の陰に隠れながら、攻撃するのが正解なのかも知れない。

 俺に思いつくのはそれだけだ。


 弥衣(やえ)達がソードリザードにボウガンの矢を放った。

 背中の剣が抜けたソードリザードはあっけなく死んだ。

 剣を全て発射させちまえば、ザコのようだ。

 アイアンタイガーの砲弾を受け止めた盾を、アイテム鞄から出して弥衣(やえ)達に装備させる。


【盾装備が正攻法】

【相手の射程外から攻撃ってのもあるがな】

【犯罪者は配信を辞めろ】

【誘拐監禁を認めた動画見て、ここに辿り着いた。犯罪者は自首すべき】

【過去動画見て勉強するんだな。おっさんは『俺は札束と健康の檻で誘拐監禁してる』と言ったんだ】

【そうそう、お金と健康で離れられなくしていると言っている】

【いや、犯罪者だ】


 コメントが凄い勢いで流れていく。

 炎上は止まらないようだ。

 もっとも警察が動いている気配はない。

 俺の所に話を聞きにも来ない。


 さて、討伐に集中。

 ソードリザードは射程距離に入ると容赦なく剣を撃ってきた。

 飛んで来る剣を叩き落とすのはゲームみたいで楽しい。

 剣の雨が終わると、俺はソードリザードの背中に跨り、キャメルクラッチ。


 うん、少し強いがザコだな。

 それから時たま、とどめを弥衣(やえ)達に譲ったりして、進んだ。


 ボス部屋までは簡単に辿り着けた。

 ボスは、でかいソードリザードだった。


【グレートソードリザードだな】

【おっさん氏ね】

【アンチが凄いな】


 俺は討伐に集中した。

 グレートソードリザードは背中を丸めると剣を発射してきた。

 俺はその剣を叩き落とす。

 剣がやんで、こちらの攻撃タイムと思いきや、グレートソードリザードの背中には新しい剣が生えてきた。

 おい、順番守れよ。


 叩き落としながら、近づくしかないか。

 俺は、鉄パイプを振るいながら前進した。

 攻撃がやんだので、一気に近づく。

 グレートソードリザードは丸まって剣のボールになった。

 そして転がってきた。

 俺は鉄パイプ一閃。

 剣ごとはじき返した。


 丸まりが解けて腹を見せるグレートソードリザード。

 俺は腹に向かってジャンプ、鉄パイプを打ち込んだ。

 腹は柔らかいらしい。

 グレートソードリザードは口から血を吐いて死んだ。


【アンチ消えろ】

【アンチウザい】

【犯罪者が野放しなのがいけない】

【いいかげんおっさんの炎上商法だって気づけよ】

【犯罪者はいなくなれ】

【犯罪者は腐り果てて氏ね】

【許せん。即刻自首しろ】

【ああ、もう】

【しばらくコメント表示オフにするかな】


 良い具合に炎上してるな。

 こいつら叩けるものがあれば叩くんだな。

 滑稽なことだ。

 そんなことに労力を使わなくてもいいのにな。

 もっとも炎上はちょっと気持ちいい。

 馬鹿な奴らを見ていると、馬鹿な俺が利口に思えてくる。


 今までの討伐で溜まっていたボスから出た、要らないアイテムを売りさばく。

 そして、慈善団体に全て寄付した。

 その額1億を超えた。

 その様子をアップ。


【そんなことしたって逮捕はまぬがれないのにな】

【今更いいひとぶっても遅い】

【拉致監禁している人を解放するのが先だろ】

【やらない偽善よりやる偽善だよ】

【犯罪者がたまに良いことすると、何でもてはやすんだろうな】

【こんなのしても変わらない】



 アンチコメが多い。


「悔しかったらお前らも真似してみろ」


 そう言って配信を終えた。

 俺は俺のやりたいようにやる。

 それが俺の生きる意味だ。

 やりたいようにやれないなら死んだも同然。

 みっともない姿をコボルトとケットシーには見せられない。

 俺を貫くとしよう。


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