表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
57/105

第57話 アイアンクロウ

 森の奥へ行ったところ、鳥のモンスターが飛び立った。


「カァカァ」


 色はブラックメタリックの羽を広げたら2メートルはあるカラスだな。


「アイアンクロウか」


 ホバーリング体勢から、金属の羽が撃ち出された。

 もちろん鉄パイプで払いのける


 弥衣(やえ)達も手で羽を捌いていた。

 シロガネは器用に避けている。


 反撃とばかりにボウガンを撃つが翼に当たっても跳ね返された。

 空中じゃ弱点には当たらないよな。

 必中スキルにもっと仕事してほしい。


 手が出ない。

 羽を撃たれる一方だ。


【対空兵器を持って来ないとな】

【ベテランの冒険者ならどうする?】

【ボーラとかあるな。ただ慣れるのに時間が掛かる】


「クロウに苦労する。撤退だ」


【ダジャレで終りか】

【鳥のモンスターは強敵だ。馬鹿にできない】


 帰ってからボーラから調べる。

 ふーん、子供の頃トンボを獲るのに使ってた奴か。

 トンボ用のはパチンコ玉が重りだったけど。

 1メートルのカラスじゃ鉄アレイでもロープに結ばないと。

 これを当てる自信はない。

 必中スキルを使っても難しいだろう。

 トンボは餌と勘違いして向かって来るから楽だったけど、カラスじゃそうもいかないな。


 総理大臣に署名を渡す日が決まった。

 4日後だ。

 スーツ仕立てないといけない。

 吊るしでもいいかな。

 どうせ良いスーツ着てってもそんなに印象は変わらない。


「ご就職ですか?」


 紳士服の店員にそう聞かれた。


「まあそんなところ」


 総理大臣と会うんだよとは言えない。


「でしたら、この製品ではどうでしょうか」

「一番高いのにしてくれ。ネクタイも一番高いのでいい」

「ありがとうございます」


 買ってはみたものの、困った。

 ネクタイが結べない。


 ネットで検索して結び方をみる。

 カメラを頭から外して机の上に置く。


「うがぁ、難しい。サラリーマン凄い」


【ネクタイで苦戦するの草】

【普段してないと難しい。慣れると体が覚えている。ほとんど見ないで結べるようになる】

【おっ、ヤエちゃん登場】


「もう、言ってくれたらいいのに。お姉さんに貸してごらんなさい」

「おう、悪いな」


【まるで新婚のサラリーマンだ】

【羨ましい】

【耳掃除とか憧れるな】

【そういうサービスの店に行くんだな】


「結んでもらったぞ、ついでに膝枕で耳掃除も頼む」

「喜んで」


 ソファーに弥衣(やえ)が座る。

 俺は膝枕して貰った。

 そして優しく耳かきしてもらう。


 手に持ったスマホを見る。


【うらやまけしからん】

【耳かきなら私もしてあげたい】

【俺はコボルトとケットシーにしてやりたいな】

【ケモナーがいるな】


 耳かきが終わり、そう言えばアイアンクロウの羽を採ったなと思いだした。

 売りに行かないと。

 買取場で20センチはある黒光りする羽を取り出した。


「ミスリルが含まれているな」


 自信ありげな買取場のおっちゃん。


「分かるのか?」

「樹にミスリルが含まれているのなら羽にも含まれているだろう。小学生でも分かるぞ」

「なるほど」


 しばらく待たされて、おっちゃんが出てきた。


「待たせたな。酸化ミスリルだった。加工できないからクズだな。今の技術じゃ、酸化ミスリルをミスリルに戻すことは出来ない」

「でもやたら硬いけど」

「炉で溶けないし硬いんだよ。そういう性質だから仕方ない」


【フェザーアーマーとか作れるんじゃないかな】

【軽くて盾の材料とかに良さそう】


「貼り付けて防具に出来ないかな」

「それしかないだろう。不格好だから安いがな。羽一つ千円が良いところだな」

「しょっぱいね」

「悪く思うなよ、商売だからな」


【アルバイトなら羽一つ千円は美味しい】

【他のモンスターと比べると見劣りがする】

【還元できない金属があったとはな】

【酸化ミスリルのイオン色は黒か】

【そういうことだな】


 アイアンクロウってよく考えたらプロレス技と一緒だ。

 どうでも良いが。

 本当はミスリルクロウと呼ぶべきなんだが、旨味のない奴には鉄で十分だ。


「考えてみたら、酸化ミスリルの方が性能が良いな。高温に耐え、ミスリルより硬い。どういうことをしたらミスリルを酸化させられるのか」

「それな。世界中の学者が頭を捻っている。見つけたらノーベル賞かもな」

「難しいことは学者に任せるさ」


【ミスリルって言えば錆びないが代名詞だものな】

【カラスモンスターを解剖してみたら何か分かるかもな】

【なら倒さないと】


 結局倒さないといけないようだ。

 死骸に高値が付くと良いんだが。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ