《第三封の手紙》
《第三封の手紙》
部屋の中央には錆びついた鉄のベッドがあった。マットレスはなく、ただ一枚の赤い布が表面を覆っている。
その鮮やかすぎる紅が血によるものであることは一目瞭然だった。
白黒の市松模様の壁には、ありとあらゆる拷問器具が掛けられている。どれも錆びてはいるが、生々しい血痕がこびりついていた。
ベッド脇の小机には鉄のトレイがあり、針、ペンチ、ナイフ、針と糸が整然と並べられている。それだけがピカピカに磨き上げられており、部屋の凄惨な光景とは対照的だった。
部屋全体に鉄錆と血の混じった臭いが充満していたが、アルファは慣れきった様子で微塵も動じず、小机の前で屈み込んだ。
まるですべてを自分自身で配置したかのような手慣れた動作で、机の底に貼り付けられていた一通の手紙を引き剥がした。
『死ね! アルファ! てめえみたいな陰険な面無し眼鏡男がずっといやがったとはな! 横で見てるだけの野郎が、最後に俺様の最高傑作を横取りしやがって! この体は俺様のものだ!』
封筒はなく、手紙全体が血で書かれたかのように暗赤色に染まっていた。
「傑作?」アルファは眼鏡を押し上げ、嘲笑した。
「ナイフで体に絵を描き、針と糸で刺繡を施す。それが美学か」
彼は再び鼻で笑うと、シャツを脱ぎ、腕と体に巻かれた包帯を解いた。ポケットからスイスアーミーナイフを取り出すと、ベルが自称する「最高傑作」の刺繡を、躊躇なく切り裂いていった。




