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異世界転移、武器はきゅうりです。___え?きゅうり!?

作者: 夜麗出ユウ
掲載日:2026/02/02

私は今日いつも以上に冴えていた。

今日やった小テスト5個は全て満点。体育では得意なハードル走があり自己ベスト更新。

しかも購買でいつもすぐ売り切れる焼きそばパンが買えた。


今日ほどうまくいく日はそうそうない。

何か今日やった方がいいことはないだろうか。


「あ、そうだ!!異世界転移の方法!」

大のアニメ好きの私は異世界に転移する方法をずっと調べていた時期がある。

転生ではなく転移というのが大事。転生も魅力的だが転移することで誰にも止められずに冒険ができる。転生は最低でも10年以上待たなければ冒険に行けない。私は自分が異世界に行くなら絶対転移がいいと思ってる。

全ての方法を試した結果はもちろん失敗。

でも今日ならいける。なぜなら私は今日人一倍冴えてるからだ。



まず、正方形の紙に魔方陣を書く。魔方陣とは魔法陣じゃない。数学の縦や横、斜めを全て足すと同じ数字になるという魔方陣だ。

魔法陣の数字には2、自分の年齢、何年異世界にいたいか、

これを必ず魔方陣の数字のどれかにしなければならない。そして自分の年齢には◯、何年異世界にいたいかは☆を書く。

数字の2は新たなスタート、という意味があるのだそう。


魔方陣を正しく書けたらコンロなどの火で燃やし10分目を閉じる。ここで動いたり喋ったり途中で目を開けると失敗。時間が経って目を開ければそこは異世界。



……という方法。

ただしこの方法は永遠に異世界に行けるわけじゃない。


書いた年数が経てば元の世界に帰る。時間は経たず夢のようになるらしい。

ただ、逆も然り。

異世界から戻る時は何年異世界にいたいか書いた年数立たなければ元の世界には戻れない。


元の世界は楽しいからまだ手放したくない。そういう私にはぴったりの異世界転移方だ。



さて、じゃあ試してみよう



魔方陣は書けた。あとは火で燃やすだけ。お父さんもお母さんも今日は仕事で家にいないから邪魔はされない。



「大丈夫、今日は絶対に異世界に行ける。なんてったって今日の私は冴えてるんだから」



よし、紙は燃えた。火を消して10分目を閉じる。





背中かゆいな









ちょっと鼻水出そうかも







手冷たくなってきた








めっちゃ鼻水出したい…

いや耐えろ私。耐えるんだ。


耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ…………………









10分後___

よし、多分10分経った。テレビつけっぱでよかった〜。ニュースだと「時刻は〜時〜分を回りました」とか言ってくれる。今、アナウンサーの人が行ったのが確かに聞こえた。



ま、テレビの音聞こえてるんだから期待は薄いけど………





あれ











「………眩しいな………」






もしかして、









「どこ?ここ」





異世界転移できちゃったかも!!!

________________________

少し錆びれたコンロ、お湯をそのまま流して凸凹になったシンクという台所と打って変わり見事な草原が広がっていた。


「異世界転移…………成功だー!!!!!」

この高揚感と気持ちの荒ぶり、駆け出さずにはいられない!!!


「広い!!!!綺麗!!!!空気が美味しい!!!!!」


「やっほー!!!!!!!!!ブラジルの人聞こえますかー!!!?!…あ、日本じゃないのか」


「うわー!!!!!!!!」




……と、ひとしきり感情の高ぶりを表したところで私は自分の格好が変わっていることに気付いた

「………制服じゃなくなってる…異世界のかな…?動きやすい!……あと…カバン???」


肩からかけられるカバンだ。色以外は中学生の時に使ってたやつとほぼおんなじ感じだ。




中身はなんだ!?薬草、回復薬、毒薬、あと武器とか盾!!!もしかして……魔導書とか!







………きゅうり一本









まじか







え、まじかまじなのか



「普通のきゅうりっぽいけど………異世界のきゅうりだったら毒入ってそうだし…」


よくわからないものを見つけた時、大抵の主人公たちはステータス確認とか言うよな…

そしたらどんなものかわかる!!みたいな。これを物々交換するとか?



使い用途食べるかわらしべ長者的に使うやつだろこんなの


「………よし、“ステータス確認”!!!!」


ピコンッ


『ステータス確認を認知、確認中……………』



あれ?カバンの中から聞こえる……



見た目めっちゃイレクサだ…



成功しました。物体“きゅうり”のステータス表示を開始します』


投影機能みたいな感じ?……わ、アニメで見たのとそっくり!!


「きゅうり……名前一緒なんだな…どこにでもある普通の武器……………




え、武器!?!」



きゅうりが武器ってこの世界………






「食べ物を粗末にするようなものじゃないか!!!!!」



ピコンッ


『その解答はNO。この世界では、きゅうりを食すことができません。

元の世界の、物体:木製バットと硬さが一致。齧るだけで歯が折れます』


きゅうり強すぎないか???



「え……じゃあイレクサ、他の食べ物もそんな感じなの?」


ピコンッ


『その解答はNO。きゅうり以外は食べられます。きゅうりは成長の途中、謎の突然変異をしたと予想されます』


きゅうりだけかよ!!!まぁ他の食べれるんだったら食べるのに抵抗はなさそう


『また、“イレクサ”などの元の世界の便利アイテムではありません。私は“異世界小型サポートアイテム1258番”と言う名前があります』


「それ名前ってより機種番号じゃね!?!……呼びにくいからイーレでいいや」

イレクサ丸パクリな名前


『その解答を承認します。呼び名“イーレ”、上書きに成功しました』



……ちょっとやりにくいなぁ〜


________________________

イーレは色々教えてくれた。

元の世界よりも発展していないこと

王族たちによる戦争が頻繁に起こること、

そして、この世界は異世界とはまた別の“平行世界”というらしい。

大まかに言えば異世界だが少し違うと熱弁された。


『その解答はNO、分類は異世界でOKですがジャンルが違います』


「ジャンルと分類って一緒じゃないの??」


『その解答はNO、ざっくり言ってしまえば…………」

と、“その解答はNO”を連呼された。


「イーレ、私はこれからどうすればいい?」


ピコンッ


『その質問を待っていました。持ち主は革命を起こすべきかと』


「革命?戦争に割り込みにでも行くの?」


『その解答はYes、この世界は前の世界と比べたら戦闘技術も防御技術も天と地の差があります。学生のあなたが乗り込んでも王の首一つ取れるかと』


「え!?殺さなきゃいけないの!?」


『その解答はso-so、私が一時的に持ち主の体に入れば私が殺します』


「まぁそれなら許容範囲かな……え、全部の国に乗り込むの!?」


『はい、そうすれば世界は良くなります。次の転移者に任せれば良いです

追尾:“その解答は”は非効率と判断したため削除します。通常モードに戻しました』


お試しだったのかな?

「次の転移者…?ほかにも転移者がいたの?」


『はい、数ヶ月前、元の世界に帰りました。そして今日、あなたが選ばれました」


なるほど、だから前やった時ダメだったのか。


『とにかく、今は戦闘準備に時間をかけましょう。5年は短いようで長いと言われていますから』


________________________

あれから私は、2年を戦闘準備、2年を革命、1年を再建立に使った。


戦闘準備ではきゅうりを使った訓練が始まった(?)

素振り、イーレが作った私の分身との模擬戦、1人vs50人もやった。



そしてもう2年、分身を使いながら全ての国に革命を起こし割り込んだ。

争いの原因はそれぞれの国の姫のどちらが美しいか、

主食はパンか米かとうもろこしか、

そんなくだらないことだった。

世界は戦争で沈んでしまった島が大半のため4国しかなかった。

そして戦闘技術が本当になかった。一時期平和な時代があったらしく“戦争は忘れよう”と全て燃やしたらしい。文化も資産も。新たな子孫たちが国を再度作り繰り返してしまったのだが…


そして最後の一年、私は“戦いを起こさないためにこのことを記録する”と言い続けてきた。

これくらいしか私はできない。だから、異世界に来たい有能な人間がここに来ることを祈ろう。






ピコンッ


『5年が経ちました。お別れです』


「ありがとうイーレ、あとはよろしくね」


『はい』






ピコンッ




『持ち主の帰還を確認。











次の持ち主、またサポートアイテムへ、役目は引き継がれます』





________________________

きゅうりが武器__

この世界ではありえないことなのだろう。



だが、あの世界で私はきゅうりを使って革命を起こした。


きゅうりを武器として扱って。





ちょっとオーバーかもしれないが、物の見方は人それぞれなのだ。


だから物の見方がズレた時争いを起こす。


固定概念とも言うのかもしれない。





だから「自分の意見が正当」と思わないでほしい。

そんなことで喧嘩なんてしないほうがいい。





物の見方、きゅうりは武器かもしれない。








「いや、それはやっぱこの世界じゃそれは無いな」

ここまで読んでくれてありがとうございました。

きゅうり嫌いの先生からインスビーレーション受けて書いた作品です。

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