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男飯食堂、神代亭へようこそ!  作者: 一之瀬 葵翔
第二章:おっさんと異世界

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神代家の休日(後編)

ぎりっぎりwww

「「「ごちそうさまでした!」」」


「それじゃ洗い物するから、皿は流しに置いといてな」


「あ、お皿は私が洗っておきますね」


「そう? じゃあ乃亜ちゃんお願いね」


 おやつを食べ終わると、そこから夕食まで各々好きに過ごす。

 いつもなら悟志が洗い物までするのだが、今日は乃亜がお手伝い。

 なぜなら、たっけぇ肉が夕食に出ると気付いたから。

 買い物についていく。

 それは桃叶だけではなく、三人娘には珍しくないこと。

 だいたいは普段使いのものがなくなりそうだから、ついでに連れて行ってもらおう。

 何か食べたいものがある時に悟志にねだりやすくするためなのだが。

 それだけならふーん、行ってきたんだ。

 で済む。しかし、帰ってきた時の桃叶の浮かれよう。

 何かいいことがあった。

 たまたまハンバーガーを食べるのに、ちょうど買っておいたコーヒー牛乳も飲もうと冷蔵庫の扉を開けた乃亜。

 奥の方、白いレジ袋で隠された何か。

 あれはたっけぇ肉に違いない。

 年末、桃叶の年越しそばには大きなお肉が二枚。

 運転サポートのご褒美と聞かされ、ぐぬぬ!と憤慨したものだ。

 今回、そのご褒美は私がもらう! と意気込むのだった。

 店の片付けの時にすることもあって、皿洗いは慣れたもの。今回は四枚だけの洗い物、手早く終わらせ、座敷へ戻る。


「悟志さん、終わりましたー」


「ああ、ありがとね」


「いえいえー」


 座敷にいた悟志にたっけぇ肉期待してますね、と願いを込めて声をかける乃亜。

 それに対していつも通りの悟志。

 え、大丈夫? ほんとお願いしますよ?

 なんて思いつつ、部屋に戻ろうとすると厨房からバタバタした足音。

 悟志と一緒に何事かと顔を出すとそこにはプラム様が。


「ど、どうしたんですかプラム様!」


「プラム様いらっしゃい、座敷上がります?」


「おう、悟志。元気そうじゃの。すぐに出たいからまた今度な。それよりノアール、ちょいと力を貸すのじゃ!」


「は、はい!」


「わっちの鶏たちが逃げ出しよっての。それだけならよかったんじゃが、何匹か岩の間に隠れてもうた。お主の白線で捕まえてほしいんじゃ」


「わかりました」


 なんてやり取りをして乃亜を連れ立ち出ていってしまうプラム様。

 どうか怪我だけはしませんように。

 そう願いながら、自室に戻っていった。





「おなかぺこです!」


「悟志くんお腹すいた~」


 自室に戻って座椅子に座ると、いつの間にか意識が飛んでいた悟志。

 部屋の外から聞こえる桃叶たちの声で目を覚ますと、飛び起きる。


「ごめん、すぐ作る!」


 慌てて部屋から飛び出すと、乃亜の姿がない。

 スマホを見ると、乃亜が出ていってから三時間ほど。

 そろそろ戻ってきてもいいはずなのに。

 心配になりながらも悟志は夕飯のためにキッチンへと向かった。

 その頃乃亜はというと


「ちょっとー! いい加減捕まってよー!」


 最後の鶏と追いかけっこ。

 岩の間に逃げ込んだ鶏を乃亜の魔法で生み出した白線で捕まえたはいいが、檻に戻す際に一匹足りないことに気付くプラム様。そこから始まる捜索劇。

 やっと見つけたと思ったら、逃げ足の速い鶏に翻弄されて、走り回ることに。

 かれこれ一時間はあっちへバタバタ、こっちへバタバタ。

 お互いの体力も限界、そんな時だった。


「はい、つっかまえた」


「さ、サクラ! 助かった~」


 鶏の死角から差し出されたサクラの手。

 それによって鶏は捕まってしまう。

 ようやく捕まったことに安堵のため息をこぼす乃亜。


「ノアール、あんた疲れたでしょ? 私がプラム様のところに運んでおくからあんたは愛し子様のところ帰んな」


 そう言ってサクラはさっさと歩き去る。

 そうだ、たっけぇ肉!

 へとへとになった身体を癒すのはたっけぇ肉しかない。

 疲れた身体に気合を入れて最後のひと踏ん張り。

 乃亜は神代家へと帰るのであった。





「ただいま~」


「おかえり~、遅かったね」


 乃亜が家に着くと、どうやらすでに全員食事を終えていたみたいだ。

 悟志がゴン太と一緒に座敷でくつろいでいた。


「鶏が一匹足りないってなって、そこからバタバタしちゃって」


「そっかそっかぁ。すぐごはん作るからね」


 そう言って悟志はキッチンに向かうと、料理を始める。

 下準備ができていたのか、少し待っていると漂ってくる肉の匂い。

 ああ、たっけぇ肉。

 うっとりとしていると、悟志が皿とフォークを持ってやってきた。


「はい、お疲れ様。たっけぇ肉盛りの高菜明太パスタだよ」


「たっけぇ肉! いっぱい!」


「お皿洗ってくれたし、プラム様のお手伝い頑張ったから」


 皿の半分を占めるたっけぇ肉。

 それに釘付けになる乃亜。


「いただきまーす!」


 そう言ってさっそく肉を一口。

 その肉は今日の疲れを吹っ飛ばすほど、やわらかくとろける味だった。

 元気にたいらげた乃亜は風呂に入って、すぐにベッドへ。

 明日は流石に何もない。

 ゆっくり寝て、思いっきり好きなことをしよう。

 ぬいぐるみを抱きしめて、顔を埋めるとすぐに眠りにつく。

 どうかいい夢が見られますように。

次は日曜に更新しますよ~。

読んでくださり、ありがとうございました。

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